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白城と別れてから数日後、姫乃が退院してすることになった。



それは嬉しかったけど白城とあんな風に別れたこともあって心の中ではあの後ちゃんと帰ったかな? とか俺のことどう思ってるかな? とか考えない日はなかった。



けれど終わったこと、こんな半端な気持ちだったから姫乃と居たのに浮気なんてことしてしまう羽目になってしまった、いつまでも気にしちゃダメだ。



「忘れ物ないか?」

「特に何もないよ、大丈夫!」



病室を出ようとした時角谷が入ってきた。



「姫乃!」



こいつともいろいろあったが姫乃のことを角谷なりに見ててくれたんだ、お礼くらい言わないとな。



「角谷、今まで姫乃のこと」

「姫乃! またこいつの家なんかに行くのか!?」



俺のことはスルーして姫乃にそう話しかけた。



「竜太、あたしもう竜太の家に行けないよ。 人の家で自殺未遂なんかしちゃったし竜太の両親だってあたしなんか来て欲しくないって」

「何言ってんだよ、うちの親は姫乃が無事で凄く喜んでたんだ。 だからまた……」

「ごめん竜太」

「こいつなんかの家に行ったらまた酷いことされるかもしれないぞ! 一度浮気した奴だ、もう一度、いやそれより酷いことされるかもしれない」



なんたる言われ様…… だがもうそんなことはしないと言いたいけど前科があるので声を大にしては言いにくい。



「竜太、あゆ君のことそんなに悪く言わないで」

「お前はまたそうしてこいつを甘やかす、いいか? こいつはそんなんじゃまた繰り返すぞ」

「いや、俺だってもうあんなこと出来ないよ、姫乃だけじゃなくて白城も傷付けた。 あんな思いもうどっちにもさせちゃダメだってわかったから」

「ほら、あゆ君だってこう言ってることだし」

「俺にこいつを信用しろってのか?」



最早年上という威厳もクソもないな俺。



「竜太は甘やかすなって言うけどあたし今までずっとあゆ君に甘やかされてきた、なんでもわがまま聞いてもらえてあゆ君だってあたしが居なきゃもっと贅沢とか好きなこと出来たのにあたしの分まで面倒見てくれてた」

「姫乃??」

「だからさ…… もしかするとあゆ君はそのこと重荷に感じで偶然会った白城さんに甘えたくなったのかも。 それってあたしの」

「違うよ姫乃」



姫乃はこんな俺を必死に庇おうとしていた。 俺が全部悪いのにこいつなりに……



「俺は姫乃と会ってから今まで本当に楽しかったよ、姫乃のわがままだって姫乃が居てくれるなら全然わがままなんて思わない、なのに俺がバカだからそれを壊してしまったんだ、姫乃のせいじゃない」



姫乃の頭を撫でながらそう言うと姫乃は俺にギュッと抱きついた。 



角谷はその様子を見て深いため息を吐いた。



「はぁ〜、こんな奴の何がいいか知らないけど何かあったらうちに来ていいから。 こいつに愛想尽かした時でもな」

「そんなことはありませーん! でもありがとう竜太」



姫乃がそう言うと角谷は病室から出て行った。



「…… 帰るか姫乃」

「うん!」



そうして姫乃はまた俺のアパートへと戻ってきた。



「わーん、久しぶりに携帯触ったぁー! あゆ君毎回持ってくるの忘れるんだもん」

「ごめんな」

「ゆかぴぃとマミちんからもいっぱいメッセージ来てるし!」

「あいつらにも迷惑かけたよな」

「うん、あたしバカしたよね」

「いや俺のことだよ、姫乃じゃない」



そう言ったら姫乃が俺に飛び付いた。



「ならさ、いっぱい仲良いとこ見せて2人を安心させてあげよ?」

「え? そんなんで納得するか??」

「あ、それとあゆ君忘れてない?」

「忘れてる?」



なんかこれ以上俺しでかしたっけ? と思いたる節を探す。



「キス」

「キス? ああ、それか…… ってキス!?」



そうだった、そういうこと言ってたよな確か。



「あゆ君からしてくれるんでしょ? あたしに」

「い、今じゃなくていいだろ?」

「やだ、今がいい」



姫乃が俺の顔を両手で押さえた。



「わかった、つーか俺なんかでいいなら」

「うん、あゆ君がいい」



そして姫乃の唇に軽く触れるくらいのキスをした。 初めてだったのでどんな感じなのかよくわからないから。



そうすると姫乃は満面の笑みで……



「ただいまあゆ君」



そう言った、だから俺も「おかえり姫乃」と返した。





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