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角谷を追って俺が道中道案内している最中3分と掛からないがとてつもなく長い時間に感じた。



白城は相槌はうつがそれだけで車内は重苦しくて息が詰まりそうだった。 全ては俺の行いが招いた結果だが。



「あそこ」

「ここが一条君の家か、思ったより静かだね」



白城がそう言ってハッとした。 



そうだ角谷のあの感じ、姫乃をまた連れ出そうとしたら姫乃は騒ぐはず。 なのに静かだ……



まさかもう姫乃を連れ出した?? 



いやそれにしては早過ぎると車のドアを開けた瞬間俺の部屋のドアも同時に開いた。



「離してよ!」

「いいから来いって! それに静かにしろ、騒ぎになったら困るのは一条さんだっての忘れたか!?」

「ッ!! ……」



姫乃は階段の手すりに手を掛けて必死に腕を引く角谷に抵抗していた。



「姫乃」

「あ! あゆ君」



俺を見つけると姫乃は強引に角谷の腕を振り払い階段を降りて俺のところへ来た。



「聞いて! 竜太ったらいきなり来てあたしを連れ出そうとして…… それにあゆ君の根も葉もない悪口言って。 って…… え??」



姫乃は俺のちょっと後ろに居た白城に視線が行った。



「うわッ、あたしにそっくりじゃん」



白城は俺と姫乃の方に来て姫乃の顔をジッと見つめる。 そんな様子に姫乃は少し後退りする。



「あ、あゆ君…… この人は?」

「あたし? あたしは白城真琴、一条君の同級生だよ。 あなたが姫乃ちゃんよね? それにしても本当にあたしみたい」

「し…… らきさん?」



姫乃はこっちを見て何がどうなってるのかわからないといった感じで俺を見つめる。



ダメだ、全部バレてしまった。 



「ほらな、言った通りだったろ姫乃。 こいつ最低な奴だよ、お前と暮らしておきながら他所では違う女と遊ぶような奴だ、お前の気持ち知っててな」

「う、うそ…… 違う、違うよねあゆ君? 同級生だもん、たまにはどこかで偶然会ったりするよね? たまたまだよね??」



姫乃は俺の服を掴んで揺さぶりながら言う。



たまたまなわけない、それに姫乃にはわかるだろう? 俺は白城のことでトラウマを感じててその白城とこうして一緒にいるって意味はこいつだって何か察してるはずだ。



言ってしまおう、そう思った。 けれど姫乃と過ごした今までの日々がフラッシュバックして俺は決定的なことを言えずに立ちすくんでいると……



「まぁどっち道今日であんたの役目も終わりなんで」



角谷はそう言って姫乃を俺から引き離した。



「なッ!? どういうことだよ?」

「これからは俺の家で姫乃の面倒を見るってことだよ」

「は!?」

「あれからうちの親と話して姫乃は俺の家でしばらく暮らしてもいいってなったんだ、あんたみたいなどこぞの知らない奴なんかにいつまでも姫乃を任しておけないからな。 でもそうして正解だった、こんなことになってるんならな」

「ふぅーん、なんかあたしにも事情が飲み込めてきたんだけどそういうことか〜、一条君」



なら俺は用無し?? 白城からの刺すような視線も追い討ちして俺は胸が締め付けられるかのように苦しくなった。 いや、これは実際に苦しい。



「え!? い、一条君大丈夫??」

「あゆ君!」

「これって過呼吸? 一条君ちょっと落ち着いて、息をゆっくり吐き出すの。 出来る?」

「あゆ君しっかり」



姫乃が俺の背中をさすっているとその手を角谷が掴んで引っ張る。



「やめろ姫乃、こいつの自業自得だ。 もうわかったろ? 認めたくないのはわかるけどこいつはそういう奴だ」

「…… あ、あたしは、あたしはまだあゆ君から何も聞いてない!」



姫乃が何かこっちに言ってるのは聴こえた、まずはこんなことになってしまったこと謝らなきゃと思った。



「あゆ君、あたし…… あゆ君を信じるから! 竜太の言うことだってあゆ君が気に入らないからって言ってるだけ、白城さんも偶然会っただけだよね? ね?」

「ご…… ごめ、ん」

「え?」

「言わんこっちゃない、俺はこれ以上姫乃が傷付くのなんて見たくない。 行こう姫乃」

「イ、イヤ!」



角谷に強引に引っ張られていく姫乃がだんだん遠くなっていく。






◇◇◇






目を覚ますと姫乃が居た。 



「姫乃!?」

「あ、起きた?」



姫乃かと思ったら白城だった。 俺の家だ…… あれからどうなった? ここまで白城が運んで来てくれたのか??



「まったく。 最低だね一条君は」



起きてから言われたその一言…… 本当だ、最低中の最低野郎だ。 浮気がバレた挙句、状況限界に陥って気を失うなんて。



「なんで白城はここにいるんだ?」

「だよねぇ、一条君なんてもう放っておけば良かった」

「だよな…… ごめん」

「そうだよ、倒れなかったらこっちからぶっ飛ばしてやりたいわよ。 でもさ、こうなったことはあたしにも少しは責任あるのかなって思ったらね。 けどあたしだって物凄く傷付いた、嘘ついてたんだね一条君は」

「ごめん、本当にごめん」

「何言っても今の一条君なんて信用出来ないよ」



ちょっと前なら俺は白城を傷付けたかったが今は違う、だが結局白城を傷付けてしまった。 白城だけじゃない、姫乃もだ。




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