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「一条さんあたし頑張った!」

「何が?」

「これ見て!」

「ああ、この前の中間テストの…… 凄いじゃん、5位以内に食い込んでる。 今回結構勉強頑張ってたもんな姫乃」



テスト始まる1週間くらい前から家でもコツコツと予習や復習してたもんな、姫乃のぱっと見の見た目で勉強してるのってなんか似合わなくておかしかったけど高校入る前は真面目だったみたいだしこれが本来の姫乃なのかも。



「どうです? 偉いでしょ!」

「うん、偉いな」



そう言われたので偉いと返すと姫乃はポケ〜ッと口を開けていた。



「どうした?」

「や、ううん。 これで偉いって言われるといいのかなって思っちゃった」

「じゃあなんで言ったんだよ?」

「ただなんとなく…… でもこれでも頑張ったのは事実だしお母さんなら1番も取れないの? って逆な怒られてたと思うけど一条さんは褒めてくれるんだって」



実際こんな順位取ったことない俺からすれば10位以内でも充分凄いけど。 



「まぁ俺からしたら普通に凄いしな」

「でしょでしょ! 褒めれば伸びる子だからもっと褒めていいよ」

「調子に乗んな」

「いたッ、デコピンしたぁー!」



本当に嬉しいんだろうなこいつ。 ちょっと前に気付いたけど姫乃がタメ口する時は感情を露わにしている時だ、嬉しかったり悲しかったり怒ってたりしてた時はいつもそうだった。



「今日は特別に焼肉行っちゃいましょー!」

「お前と居ると節約もクソもないな。 まぁいいよ、お祝いだな」

「アハッ、一条さん優しい〜!」



貯金が減るのは惜しいけどお祝いだしな。 けど去るかもしれないこいつにこんなに…… って俺はまだ姫乃に居てほしいって思ってるのか、本当に長く居過ぎたな。 俺は大丈夫か?



「じゃあ早く行きましょうよ、お肉食べるってなったら急にお腹空いてきちゃいました」

「お前焼肉になると凄く食うからな、手加減しろよ」

「はい!」





そうこうして季節は夏になる。



姫乃の髪の毛も少し伸びてなんだか雰囲気もちょっと大人びたような気がしないでもない。 



まぁ俺から見たらまだ子供だけど。



「どうです? 染め直したの上手くいきました?」

「まぁいいんじゃないか?」

「一条さんに後ろやってもらったから不安だなぁ」

「手伝ってやったのに何言ってんだ。 てかいいのかよそれ?」



姫乃が髪染めたいというので手伝った、店でやると高いから自分でやると。 前は友達にやってもらったみたいだけど今度は俺が手伝う羽目になったが。



「前よりちょっと明るくなりましたけどうちの高校そこら辺甘いので大丈夫です。 うーん、まぁいいかな。 ちゃんと染まってるし」



今じゃ高校の時の白城より明るく長い髪になったな。 



「気に入りませんか?」

「なんで?」

「難しい顔して見てるからです」

「そういうわけじゃないし」

「あ、ひょっとして俺の好きだった白城ちゃんとは違ってきた〜なんて思ってませんか?」

「んなことないし」

「ホントかなぁ〜?」



まぁこいつは姫乃だ、白城じゃない。



「姫乃ってさ、結構モテるの?」

「へ?」



げッ、俺って何聞いてるんだ!? オッサンからこんなこと言われてもキモいっての。



「あは〜、気になります? 気になります??」



姫乃は前のめりになって俺に聞いてきた。 



「やっぱいいわ」

「そこまで聞いておいて! ふふッ、そうですねぇ、そこそこモテてます多分」

「多分ってなんだよ?」

「なんでしょうねぇ〜? というかいきなりどうしました? あたしがモテてるのかなんて」

「魔が差しただけだ」

「なんだったら一条さんも学校来ちゃえばいいのに」

「ただの不審者だろそれ」



あーあ、何言ってんだろ俺。 姫乃がモテても別にどうでもいいじゃないか、高校生同士で健全に付き合ってれば。



「ん? なんだよ?」

「いやー、まさか一条さんがそのことであたしに関心示すなんて思ってもみませんでした」



してやったりみたいな顔をして姫乃は俺に擦り寄って肩に手を掛けた。



「あたしに気を遣うことないんですよ一条さんは。 あたしは全部一条さんにお世話になってるようなもんなんで一条さんはあたしを好きにする権利があります、だからこれは後ろめたいなんてことじゃなくて寧ろ等価交換です。 まぁぶっちゃけそれでも足りないとは思いますけどどうですか?」

「…… バカじゃないのか、泊めてるのは俺の意思もあるんだしお前を好きにしてやりたい放題するほど俺は飢えてねぇし。 それにこういうので権利とかなんとか言うなよ、俺の善意がバカみたいじゃねぇか」



そう言うと少し悔しそうな顔をしたが姫乃はニコッと笑って言った。



「でもあたしには居て欲しいんだ?」

「まぁたまに酷いのもあるけど普通に料理3食つくしな」

「それに善意とか言いましたけどあたしが好みですもんね一条さんは」

「うるさい」



俺は姫乃と離れる時本当に快く送れるだろうか? 100歩譲っても恋愛とかそういう感情はきっとない。 けど白城の面影を感じて流れでここに住まわせてこんなに長く居て何も情が移らないなんてことあるか?



上機嫌で子供用のピアノを弾いてる姫乃をジッと見ていると何を思ったかまた俺にちょっかいを出してきた。




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