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「一条さん明けましておめでとうございます」

「おめでとう」



あれからクリスマスが過ぎて正月も過ぎて新年になった。 まさか年明けまで姫乃が居るなんて。



「今年もよろしくお願いします」

「ああ」

「なんですか? その微妙な顔は」

「いやまさか新年にもお前が居るなんてちょっと前まで想像付かなかったから」

「あはは、高校に入ってからは一条さんにお世話になりっぱなしでこっちに居る方が長いですもんね」



少し前に姫乃は自分の家にもう一度行っていた。 その時も不安だからついて来てと言われ仕方なくついて行ったのだが姫乃の親は運悪く居て「散々ほっつき歩いて今更よく帰ってこれたね」と言われたみたいで喧嘩してまた飛び出して来てしまった。



こんな調子でいいのか? と思ったけど「やっぱりあたしはまだ一条さんにお世話になった方がいいみたい」と言われてここに居る。



その時はなんだよこの親と思ったけど姫乃がまだよろしくとなって若干ホッとしていた自分が居たのは長く暮らし過ぎてしまったせいだろう。



「さてと、することはしたので何もやることありませんね〜、お掃除も年末にしたし……」



何やら俺を意味深に見て何かを訴えかけてる。 何もやることないなら何もしなくていいじゃないか。



というより寝正月がいい、実家には帰らないし余計な客も来ないし寝て過ごすべきだ。




「そうだな、何もすることないしゆっくりしていよう」

「ちょっと待って下さいよ、初詣とかあるじゃないですかぁ!」

「俺しばらくそんなの行ってない」

「じゃあ久しぶりってことであたしと行きましょうよ? どうせ一条さん一緒に行く人居ないんですよね?」



ちッ、俺のこと知ったらなんかどんどんこういうことに誘うようになってくな姫乃のやつ。 まぁいいけど。



そうして正月休みも明け姫乃と何気なく出掛けるのも普通になっていたある日のことだった。



「おはようございます」

「あ、おはようございます。 ね、一条君」



会社に行くと同い年の事務員から声を掛けられた。 なんか仕事の頼み事かなと思っていると……



「一条君最近彼女でも出来た?」

「は!? なんで?」

「まぁちょっと前からもしかしてと思ってたけど会社にお弁当持ってくるようになったじゃない? 一条君って今まで適当に買ったりしたの食べてたのにさ」

「俺だって自炊したりするかもしんないじゃん? それだけで彼女出来たりとかって」

「それだけじゃないよ、この前たまたま車で走ってたら一条君っぽい人と女の子が一緒に歩いてるとこ見たし」



な、何!? 見られたのか??



「あれって一条君だよね? 一緒に居た女の子は随分若い子に見えたけど。 多分あの系の服装とかから見て高校生くらいかな?」



そして憶測を話し出す。 憶測じゃなくて最早当たってるんだけどマズい、高校生とかバレたらマズい。



「そんなわけないよ、俺彼女居るように見える?」



そう言うと「う〜ん」と唸って俺を見ながら考え込む。 



「居たりして」

「え!?」

「な〜んて!」



あははと笑って行ってしまった。 



ふう、危ない危ない。 でもこんな風に見掛けられても不思議じゃない、俺ってば最近姫乃と一緒に出歩くの抵抗無くなってきてるからヤバいな。



「おかえりなさい、今日もお仕事お疲れ様でーす」



家に帰ると姫乃が機嫌よく迎えてくれた。



「どうしました?」



俺がそんな姫乃のことを今日会社で言われたことを思い出しながら見てると姫乃は首を傾げる。



「いや、お前って高校生だなって」

「え? そんなの当たり前じゃないですか」



つい当たり前のことを言ってしまった。



「姫乃ってさ、友達居るんなら学校帰りとか遊んできてもいいのに」

「またそれですか? そうしてもいいんですけどあたしって結構義理堅いんで一条さんのとこにお世話になってるんだしご飯作ったりとか一条さんが散らかしたものとか片付けたりお洗濯したりしてた方があたし的にいいんですって言ってるじゃないですか」



また言ってるよこの人、みたいな感じで開かれながら姫野は言うと「さっさと入って下さい」と言ってご飯を作ってたようで続きに戻った。



お前がそれでいいならいいけど。 ん? 俺何言おうとしてたんだっけ?? 



「ごちそうさま! 美味しかったですか?」

「んん…… なんかあっちがよくなったとおもったらこっちが微妙になったり。 つーか味見した?」

「してなかった、あはは。 ねえ、それより今度の休みなんですけど」



あッ! そうだった。



「俺も話があった」

「へ? あ、どうぞ」

「最近普通に姫乃と出掛けてたけど今後はちょっと控えよう」

「え、意味わかんない。 なんで?」

「実は……」



今日のことを言うと姫乃は「なんだぁ〜、そんなことか」と言ってさほどでもないみたいだ。



「そんなの気にしなくていいじゃないですか、変にあたふたすると余計怪しいですよ?」

「んなこと言ったってお前高校生だし」

「よーするにあたしの見た目と格好がお子様って言いたいんですか?」



姫乃は俺の言ったことに少し怒ったみたいだった。



「いやそれなりだからお子様ってことじゃないし」

「あーあ、あたしもバッチリメイクしてそれっぽい服買おうかなぁ」

「買おうかなって俺が買うんだろ?」

「言ってみただけです」



姫乃はしばらくムッとしてしまった。 



やれやれ、怒らせるようこと言ったつもりはないのに。



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