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ただただ、私を受け止めてほしいだけなの!

作者: 七瀬







好きな男性ひとに、自分の気持ちを知ってもらう

事がこんなにも難しい事だとは知らなかった。

私の好きになった男性ひとは、鈍感で恋愛に興味がない。

伝わらないモドカシサヲこんな形で味わうなんてね。

彼は、小学校からの幼馴染の男の子だ。

あれから随分と年齢を重ねたのに、私達の関係は相変わらず

“幼馴染の友達”で終わっている。

今まで彼の恋バナの話を聞いた事がない。

だから、私はずっと彼は恋愛をしない男の子なのだと思っていた。

でも、本当は違ったみたい。

彼には、ずっと好きな女性ひとがいた。

こんなに付き合いが長くても私は彼の本当の気持ちを知らなかった。

彼には、3つ上の姉がいる。

私は、ずっと彼のお姉さんだと思っていた。

私とも、子供の頃から仲良くしてくれた優しいお姉さん。

今でも、私は彼のお姉さんと仲が良いから、たまに彼の家に遊びに

行く事がある。

その時、仕事から帰って来た彼と二人で他愛のない話もしたりする。

本当は、彼に私の気持ちを知ってほしいのだけど、、、?

彼を目の前にすると、私は何も言えなかった。

でも? その日は少し違って。

彼が、真剣な顔で私にゆっくり話し始めた。



『・・・あのな、咲茉!』

『うん? どうしたの、歩? そんな真面目な顔して...。』

『咲茉にずっと話してなかった事があるんだ!』

『えぇ!?』

『俺と姉ちゃん、血が繋がってないんだよ。』

『・・・えぇ!? どういう事?』

『姉ちゃん、養子なんだ。』

『お、お姉さん、歩と血が繋がってないんの?』

『ううん。ごめんな、ずっと黙ってて。』

『・・・ううん。』

『それに俺は、姉ちゃんの事がずっと好きでさ! それは、今でも。』

『・・・・・・』

『姉ちゃんには、そんなこと言えない。』

『・・・どうして?』

『姉ちゃんを悲しませたくないんだ!』

『・・・でも、』

『俺は、物心つく頃からずっと姉ちゃんの事が好きだった。

気が付けば、俺の目は姉ちゃんを追ってたからさ! こんな事

咲茉しか話せないよ。』

『・・・・・・』





私は、平常心を保つので必死だった。

歩のお姉さんは、私にとっても本当の姉のように接してくれた人。

今でも、私とお姉さんとの関係は変わらない。

だから、私は歩の住むこの家に行ける訳だし。

でも? その歩はお姉さんの事がずっと好きだった。

きっと、血が繋がっているとか? 繋がってないとか?

何にも分からなかった時も、歩はお姉さんを好きだったと思う。

昔の事を思い出すと? 歩はお姉さんを目で追っていた。

そう言われれば、そうなのかもしれない。

お姉さんが、ケガをした時も尋常じゃなく取り乱した歩。

歩は、あまり感情を表に出さない。

子供の時も今もそれは変わらない。

だから、何を考えているのか私は分からなかった。

昔の事を振り返れば、いろんな場面でそうだと納得できる部分が

いつもあった。

私は今更、後悔している。

もっと早く、私は歩に告白していたら、、、?

今、こんな想いをしなくて済んだのかもしれない。

【今になって、今になって、どうして、こんな事に、、、。】

私の歩への恋は何処に行ってしまうのか?

もう、私の想いなんか! 歩に言えないと思った。

私が、歩のお姉さんに勝てるはずがない。

ただただ、私の気持ちを歩に受け止めてほしいだけなのに...。

もう、そんな願いも叶わないなんてね。

私は、歩への気持ちをこのまま隠し続けると決めた。


【・・・さようなら、私の歩への想い。】





最後までお読みいただきありがとうございます。

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