オレは『愛され主人公』だって!
--幕間--
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いやあ、苦労したよ。
「何がだ?オレの方が苦労してたぞ。」
オマエを愛されキャラにしようと頑張ってたんだ。
「愛されて当然だろう?主人公なんだから。」
9歳児を交換条件に村を救ってやるって鬼畜なセリフを吐いたヤツとは思えないな。
どこからそんな自信が出てくるんだ?
「主人公だぜ。愛されるもんだろ?」
そこだよ。最初は献身的に村を助ける予定だったんだ。どこでどう間違ったら9歳児を手籠めにしてしまう鬼畜なヤツになっちゃうんだよ。
「オマエが書いたんだろ?」
そうだけど。プロットでは『1.村が魔物に襲わたので英雄の力を持った主人公が村を助ける』だったんだよ。
「村に見捨てられるの間違いじゃないのか?」
最初に村長との件を書いてしまったのが間違いだったのだろうか?
「いや、オマエのせいだよな?」
オマエが冒頭から『カッコイイ名前だろう?』なんて『ギフト』の自慢をし始めたから調子が狂ったんだ。
「何だよカッコイイじゃねぇか!オマエだってノリノリで考えていただろ?」
『爆炎の放浪者』、『炎のドリフター』、『さすらいの匠』、いくつも有ったんだよね。『彷徨者』って単語を発見してしまったから、『爆宴』なんて名付けてしまったんだけど。
若さゆえの過ちってヤツだよ。
「2月前の話だよな。というか、『ギフト』の紹介から狂っていたって最初から愛されキャラにしようとする気が無かったんじゃないか?」
いや、あれは後付けだよ。「あたりまえだよなぁ?」って書いてからイラっとしてイチから書き直したんだ。
最初は村長の『チャチャっと殲滅してきてくれ。』からの書き出しだったんだよ。ハッ!まさか村長の陰謀!?
「だから、他人のせいにするんじゃねぇ!」