ご令嬢とお父様4
「先程の話の続きなのだが、お前の知っての通り第一王女殿下は隣国の王女であったロザイラ皇后のご息女だ。しかも、今現在唯一この国の王族の証である金色の髪と紅の瞳を持つ王位継承権保持者でもある。」
我が国の王は代々金色の髪と紅の瞳の血を絶やさず繋いできた伝統が三百年以上続いておりますし、これは簡単に変わることはないでしょう。
今時、赤子でも知るようなことですし...それがどうかなさったのかしら?
私の疑問に気付かれたのか、お父様は詳しく説明してくださいました。
「今、国内の情勢が芳しくないことはお前も知っているだろう。」
私は頷きました。
昔は賢王とは言われずともまともな政治を取り仕切っていた国王が病に侵されておかわりになられたのだとか...。それによって王家に対し少なくない数の貴族や、情報通の平民である商人たちが不満を抱いていると耳にしたことがありますわ。
「...表では、王は病に侵されて豹変したということになっているが...事実は異なる。」
この話を聞いて私は慌てました。
「お父様!それは私が知ってよろしいことですの?」
国王の体調などは国家機密に相当いたします。下手をすると処罰されかねないことですわ。
公爵であるお父様が知っているのと、ただの公爵家の娘である私が知ることには大きな差がありますし...。
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