ご令嬢とお父様3
「...話なのだが、お前はこの国の第一王女殿下を知っているな?」
お父様は少し悩んだ素振りで話はじめました。
「はい、存じております。確か、隣国の王女であった今は亡き皇后陛下 唯一のご息女であらせられますよね?」
第一王女殿下は私と同い年だと記憶していますが何かあったのでしょうか?
「...ああ。その通りだ。」
あら?お父様に複雑そうな顔をさせてしまいましたわ。私何か粗相をしてしまったのかしら..。
「...あの。お父様、私何か粗相を?」
お父様ははっとなさって弁解してくださいました。
「いや、違う。」
「..ただ、お前には苦労をかけていると思っただけだ...。お前はまだ11歳になったばかりだろうに...。お前の教師達から聞いている。随分進んで...悪く言えば、やり過ぎだとな。」
そう言うお父様の顔には気遣いの表情が見えました。
私はその気遣いを嬉しいと思う反面、もっと頑張らなければと思ってしまいます。
私には兄弟はおりませんので、お父様が養子を取らない限りは私がこのアゼルダ公爵家を支えて行かなければなりません。甘えたことは言って足を掬われでもしたら社交会や情勢に影響を及ぼしてしまうのですから。
それだけは避けなくては。
「お父様、心配なさらないでくださいませ。私が好きでやっていることでございます。お父様が気に病むことではございませんわ。それに私がお父様...ひいてはアゼルダ公爵家の名を貶めるわけにはいけませんの。」
そう言うと、お父様は私が退くことはないとわかったのか、
しぶしぶ了承してくださいました。
お読みくださりありがとうございました!
よろしければ、評価☆やブックマーク登録、感想などなどとても励みになりますのでよろしくお願いします!