宰相の考え
「金色の髪と瞳を持つ男の視点」
わしの名は ランダード・ドリナス この国の宰相をつとめている。宰相としての仕事をこれまで約十五年間こなしてきた。若い頃から天才だと言われるぐらいには努力し、自信もあったのだが、今その自信が砕かれつつある。本当にどうしてこうなったのだろうか...
5年前〜
ここは、王宮の中でも一番豪華なつくりになっている王座の間。
「「 おい!宰相よ聞いておるのか!!私を誰だと思っておるのだ!!! 」」
怒鳴っているこの男は、残念ながらこの国の王だ。若い頃は、政務もそこそここなし、王としての権力と金をまるで湯水のように使うこともなく、いたって平凡だか真面目な男だったのだが。
「 はい、陛下 聞いております。第1王女殿下の護衛の件でございましたか。」
「「 何だと?! あんな卑しい者は王女でも何でもないわ! この国の王女は我が愛娘のミルージアただ一人だ!! 」」
ああ、この王はいったい何をバカなことを言っているのだろうか...この国の第1王女殿下は今は亡き正妻であり、隣国の王女であったお方の子であるというのに。妾の子であり、良い噂がないミルージア殿下を優先させるなど、何て愚かな。
「 そうで御座いましたな。愚かな私をお許しくだされ陛下。」
「「 ふん!まあよい。さっき私がいったとおり、ミルージアに騎士を付ける!よいな!!」」
王座の間から出されてしまった。
何てことだ、第1王女殿下に付けるはずであった騎士をミルージア殿下に付けるとは。第1王女殿下の守りが足りなくなってしまう。今は特に暗殺などの危険が多いというのに。
仕方ない、気は進まないがアルゼルダ公爵に頼むしかなさそうだ。アルゼルダ公爵の家系は皆武術に長けており、王族でも頭が上がらない権力を持つ。
そういえば、第1王女殿下と同い年の娘がおると言っておった。
丁度よい、王宮に招いてみるとするか。
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