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 遅刻仲間のクラスメートも、今日はペナルティで教室掃除だそうだ。彼女と一緒に掃除をするとメンタルに塵が降り積もる。彼女は私が掃除した場所も片っ端からきれいに掃除し直していくのだから、つまり私いらないのでは。


「ねえ帰っていい?」


「掃除やらないのはいいけど、先生の確認受けなかったら明日とかにやり直しさせられるよ」


「ですよねー」


 仕方がないので彼女の邪魔をしないように隅っこに行く。

 退いて、邪魔、そこ机きれいに並べたのにずれた、ちょっともう、廊下に出てて! と、最終的に追いやられてしまった。一応義理として、暇潰しには手を伸ばさずにただ立っていることにする。


 梅影先生をボコボコにする妄想でもしようか。いくらシミュレーションしても勝てる気がしない。何なんだメタボのくせに。何度やっても眼鏡すら割れない。


 あー寒い。廊下寒い。


「椿ちゃん、何してるの?」


「何だろう。修行?」


「修行? がんばれ」


 トランペット片手に通りがかったクラスメートからカイロをもらった。金曜日に傘を借りていったお返しだろうか。このカイロあんまり温かくないけど。

 こういう時に、にっこり笑ってありがとうと言えれば、可愛い女の子と思ってもらえるのだろうか。教室の中で掃除に精を出している彼女なら、それくらい簡単にできるだろう。さくらさんも可愛いげがあるほうが好きかな。


 ちょうど掃除が終わったらしい頃に担任が現れて、解散となった。結局すべて押しつけておこぼれをもらった形になってしまったので、遅刻仲間の彼女にはアメをあげた。ぶどう味のおすすめ。これでどうかひとつ。彼女はにっこり笑ってありがとうを言った。

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