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つきとてぶくろ

作者: 曲尾 仁庵

ふゆの やすみの にちようび


てぶくろを つくろうと おもった


あみものの ほんを もってきた


けいとを にゃー から とってきた


きの あみぼうを とりだした


じゅんびは ばんたんだ


はりきって はじめた


むつかしかった


うまく いかなかった


いやになってきた


たすけを よんだ


ままが あらわれた


「じぶんで はじめたことでしょう?


 さいごまで じぶんで おやりなさい」


ままは さっていった


うそだ と おもった


できるはずがない と おもった


きっと おにに ちがいない と おもった


すっかり いやになった


あみかけの てぶくろを こたつに なげた


ふてねした


ゆめを みた


つきあかりの ひろばで てぶくろたちが おどる


あまれかけの てぶくろは なかまはずれだった


かなしそうだった


めが さめた


かわいそうだ と おもった


わるいことをした と おもった


もういちど やってみよう と おもった


やってみた


しっぱいした


いやになった


あきてきた


もう やめよう と おもった


なかまはずれの てぶくろのことを おもいだした


ないていた ような きがした


かなしいのは いやだな と おもった


やめちゃ だめだ と おもった


がんばろう と おもった


よわねは はかない と きめた


がんばった


できた


かんせいした


すごい と おもった


うれしくて じたばた した


もういちど てぶくろを みた


ちょっと かたちが いがんでた


まあ いいや と おもった


やりとげた と おもった


もういちど てぶくろを みてみた


てぶくろは りょうてに はめるものだ と きづいた


かたっぽだけでも いいや と おもった


もう じゅうぶんだ と おもった


つかれたので はやめに ねた


ゆめを みた


つきあかりの ひろばで てぶくろたちが おどる


かたっぽてぶくろには おどるあいてが いなかった


さみしそうだった


めが さめた


もうしわけないことをした と おもった


やらなきゃ と おもった


こころを いれかえた


てぶくろの あいぼうづくりに とりかかった


うまくいかなかった


めんどうになった


ほうりだそう と おもった


かたっぽてぶくろのことを おもいだした


あいぼうと おどる てぶくろたちは


みんな たのしそうだった


かたっぽてぶくろも


あいぼうが いたら たのしいだろうな と おもった


たのしいほうが いいな と おもった


よしっ と さけんだ


かくごを きめた


いちから やりなおした


きせきのように きれいに できた


これいじょうない できばえだった


まんぞくした


かんどうで なみだが でそうになった


すっかり よるに なっていた


もう おそいので ねよう と おもった


いい きぶんで ふとんに はいった


ゆめを みた


つきあかりの ひろばで てぶくろたちが おどる


ちょっと ぶさいくな てぶくろが


いちばんの びじんと おどっていた


しあわせそうだった


めが さめた


よかった と おもった


しあわせな きもちに なった


つくえを みた


てぶくろが なくなっていた


てぶくろは つきに かえったんだな と おもった


おとうさんが かえってきた


あの てぶくろを していた


ちょっと がっかりした


「あったかいね」と おとうさんが いった


まあいいか と おもった


かぞく みんなで ごはんを たべた


「がんばったね」と ままが いった


すこし てれた


にゃー だけ ひとり ふきげんだった


ごはんを すこし おおめに あげた


きげんは なおった ようだった


てぶくろは みんなに きにいられた ようだった


なんだか


いい きぶんだった


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