魔法使いの姉妹
森は家に帰ると早速パソコンを付け、自分の好きなYouTuberのゲーム実況を見ようと検索した。
「今日はホラーゲームか。僕怖いの苦手なんだよな」
と言いつつ見始めた。一方その頃、隣の部屋では
「ここが新しい家か。まあまあの広さだな。これさえ無ければ完璧なんだけどな」
と、ダンボール箱を見ながら梨沙が言った。
「引っ越したばかりだからしょうがないよ、お姉ちゃん」
「いやダンボールを整理するのが大変だよ」
「何言ってんのお姉ちゃん。整理するの私だよ」
萌々香はあきれた顔で言った。
「さっ、萌々香はやく魔法の練習始めるよ」
梨沙は萌々香の声が聞こえてないふりをした。萌々香は諦めて
「この世界に来ても練習するの?」
と聞いた。
「当たり前だよ。私たち2人魔法検定2段早く合格しないといけないんだよ。私たち試験に落ちすぎて、お母様に合格するまで家に帰ってくるなって言われたでしょ」
萌々香はため息をついて「分かった」と答えた。
早速魔法の練習が始まった。まずは魔法を最近使っていなかったので基礎練から始めた。
「お姉ちゃん、とりあえず物体浮遊の魔法から始めよ」
梨紗はそっと頷いた。
とりあえず梨沙が机の上にあったリンゴを浮かせるために杖を振った。しかしリンゴは浮かなかった。
「あれ、魔法かけたよな?何で浮かんのんや」
「どうしたのお姉ちゃん?私にやらせて」
と言って萌々香は杖を振った。しかしリンゴは浮かなかった。
「萌々香、 2人とも疲れてんのかな? 今日は練習やめようか」
「そうだね」
と言って、2人は練習をやめた。そして2人は雑談をしながらダンボール箱の中身の整理を始めた。
「萌々香、今日の初バイトはどうだった?」
「かなり疲れたなー。あっそうだ久しぶりに初対面の人とめっちゃ話したよ」
「あの人見知りの萌々香が初対面の人と話すなんて、凄いじゃないか。で、誰と話したの?」
「森周平さん。LINEも交換したんだ」
「どんな話したの?」
「お姉ちゃん、ものすごく聞いてくるね」
萌々香は少し嫌がっていた。
「いいじゃないか、姉妹なんだから」
「編み物の話だよ、森さん手先がけっこう器用なんだって」
「もしかして、LINEを交換した理由って一緒に編み物をするため?それとも森さんに一目惚れしたとか」
「そんな訳ないじゃん」
萌々香そう言ってるが顔は真っ赤だった。
「ふーんそうなんだね。これ以上は聞かんようにしよ」
「お姉ちゃん…」
2人は大笑いした。そしてダンボール箱の整理を終えると2人はすぐに寝てしまった。
次の日
「おはようございます」
2人は挨拶をした。「おはよう」森が挨拶を返した。萌々香が森の顔を見ると大きなくまができていた。
「森さん、何かあったんですか?」
萌々香がそう聞いた。
「いろいろあったんですけど、大丈夫ですよ」
そう言われてもそのくまを見ると2人は心配になってきた。