仕事を覚えよう!
「じゃあ、早速制服に着替えてもらって、仕事始めましょう」
店長が言うと、
「はいっ!」みんなそう返事をした。
そして制服に着替えて休憩室を出た。
「じゃあ、とりあえず河野と佐藤はレジに入って梨紗さんにレジの仕方教えてあげて」
店長は2人に指示を出した。
「森さんと萌々香さんは僕について来て。店内と駐車場の掃除をしてもらって、そのあとに商品の陳列を梨沙さんと3人でしてもらいます」
「分かりました」と僕は答えた。
「萌々香さんもいいですか?」
店長がそう聞くと
「ハッ、ハイ分かりました」
と顔を赤くしながら言った。「恥ずかしがりあなのかな?」僕はそう感じた。
早速、僕達は仕事を始めた。店内の掃除中、僕の近くをお客様が通った。そのとき
「いらっしゃいませ」
という言葉を言い忘れた。僕は店長に
「お客様には挨拶をしないと」
と注意をされた。
「よし、次はちゃんと挨拶をしよう」
そう思うと早速僕の近くをお客様が通った。
「いらっしゃいませ!」
僕は元気よく、挨拶をした。「挨拶って気持ちいな」そう思った。
次に外掃除だ。掃除をしていると萌々香さんの近くをお客様が通った。しかし萌々香さんは挨拶をしていなかった。なので僕は萌々香さんの方に行って
「萌々香さん、さっき、僕も店長に言われたんだけど、お客様が通ったら、『いらしゃいませー』って挨拶をしたほうがいいよ」と言うと
「はっ、はい分かりました。でも…」
「どうしたの、萌々香さん。何かあったの?」
僕がそう聞くと萌々香は少し戸惑った様子だったが
「実は、人と話すのが苦手で。挨拶ができるのかもちょっと不安で… 本当にごめんなさい。次からは気を付けます」
と答えた。恥ずかしがりあなのか、だからさっき店長と話した時もあんな様子だったんだ。
「いや大丈夫だよ。僕もちょっとフォローするから」
「ありがとうございます!」
と、元気よく萌々香は返事をした。
「萌々香さんって恥ずかしがりやなんだ」萌々香の方を見ながらそう思った。どうにか恥ずかしがりやを克服してもらいたいな。どうすればいいかな… と考えていると、ある考えが思いついた
「これならいける!」と僕は自信満々だった。
「萌々香さん」僕は萌々香さんを呼んだ。
「どっ、どうしましたか?」やっぱり恥ずかしそうだ。
「萌々香さんって何か趣味ありますか?」
とりあえず人に慣れてもらうために、最初に適当な話題をふってみた。
「わっ、私は編み物が得意です。自分で服とか作ったりします」
「へー編み物得意なんだ。僕、結構手先が器用で小中学生の時にはよくしてたけど、最近してないな」
「えっ手先器用なんですか。小中学生の時にはなに作ってました?」
「服とか、ティシュケースとかいろいろかな」
「いろいろ作ってるんですね、すごいじゃないですか。私も最近はお姉ちゃんの服を作ってます」
「すごいじゃん、お姉ちゃん絶対喜ぶよ!」
「ほんとですか、ありがとうございます」
「萌々香さんの話を聞くとまた編み物やりたくなったな」
「編み物やるんだったらいっしょにやりません? 1人でやってるとさびしくなってくるので」
「もちろん、連絡先交換しましょ」
「いいですよ」
と言ってLINEを交換した。
「今日はこれで勤務終了です。ありがとうございました」
店長がそう言って勤務を終えた。
「新人君バイバイ」
佐藤がそう言った。「ありがとうございました」僕もそう言って、コンビニをあとにした。
「いやー疲れたな。早く家に帰ろう。そして大好きな動画を見よう」
僕は足早に家に帰った。僕の家はアパートだ。自分の部屋のドアの前に行くと、あることに気がついた。昨日まで空いていた隣の部屋の前に大量の段ボールが重ねてあった。誰か引っ越してきたのかな?そう思いながら部屋に入った。