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1-5 喧嘩と装備

先ほど、ナフタリアとツクヨが上級職業いわゆる上級職だった事に、拗ねていた音無 雫です。


この世界には、初級職業いわゆる最弱職に、中級職、そしてさっき言った上級職があります。


最弱職のレベルが1上がる時に生じる、ステータスの上昇値が2か3なので、上級職の人のレベルが1の時のステータスに追いつくには、最低でも70はレベルを上げなければならない。


ちなみに、上級職の人のレベルが1の時点で、全ステータス200を超えています。


それだけではない。


最弱職と上級職とではレベルの上がり方が違う。


最弱職は、上級職よりレベルが上がりやすいんじゃないの? と僕は最初、そう思っていたんだけど、それは間違いだった。


レベルが上がる時の仕組みは、僕も詳しくは知らないんだけど、魔物を倒した時に発生する魔物の魂いわゆる経験値を吸収する事らしい。


最弱職と上級職では、その経験値の吸収する量が違う。


最弱職が1経験値取得する場合、上級職は100経験値取得する。


それくらい、最弱職と上級職には差がある。


その最弱職になってしまった者は、お先真っ暗なのです。


治癒術師は、勿論最弱職。


なので、僕は最弱職に当てはまるので、お先真っ暗で、僕と上級職である少女たちの間には大きな壁が立ちはだかる事になると思ったんだけど、そんな事は無かった。


ツクヨはともかくナフタリアは優しいを通り越して優しすぎた。


だって、今僕はナフタリアに抱かれているのだから。


今から、装備やポーションなどのアイテムを買いに行こうと思ったんだけど、今はこのままでいたいので、もうしばらく話をしよう。


最弱職には、冒険者と呼ばれる職業があるように、上級職には勇者と呼ばれる職業がある。


それらの冒険者と勇者は職業であり、決して冒険者登録している冒険者や、この世界に召喚された勇者とは違う。


なので、ナフタリアやツクヨの賢者と剣聖のような上級職と、神童などの勇者として召喚された者とは次元が違う。


神童などの勇者として召喚された者は、本来上級職の上のステージである最上級職になるはずなのに、僕は最弱職の治癒術師。


おかしいよね!


これは、差別だよね!


……はぁ。


今更そんな事言っても意味無いか。


で、最上級職というのは、さっきも言った通り、上級職とは次元が違う。


その理由は、最上級職はレベルが1の時点で、全ステータス1000超えているから。


それから、レベルも上級職より上がるのが速い。


上級職が100経験値取得する場合、最上級職は1000経験値取得する。


そんな最上級職には、どんな職業があるのかは一般的に知られていないから、勿論僕も知らないんだけど、凄まじいんだろうね。


まぁ、今はこれくらいでいいでしょう。


今は、装備などを買いに行かなければ。


という事で、ナフタリアから離れましょう。


というか、離れたい。


だって、ここはまだ冒険者ギルドの中なのだから。


「ナフタリア、離れてくれ」


「少し待っててください。今、出ると大変な事になりますから」


「何がある?」


「前の勇者たちがいます」


「そら面倒だな」


「後、しずく。喋らないでください。こそばゆいから」


分かった。という意味で頭を縦に振った。


────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────「もう、いいか?」


「はい、もういいですよ。そもそも最初から勇者たちなんて居なかったですし」


「……え? マジで?」


「はい、マジです」


「じゃあ、何の為に数分この状態でいさせたんだ?」


「私がこうしたかったからです!」


そんな勢いよく言わなくても、聞こえるから。


どうやら、ナフタリアは僕の事が大好きなようです。


……勘違いじゃないかって?


いやいやいや、そんなわけないでしょ。


好きでもない人を、数分も抱くわけないじゃん。


歳下に抱かれるというのは、どうなんだろうと思うけども。


そう思いながら、気持ちがよかったナフタリアから離れ、冒険者ギルドから出て、装備などが売っている所に向かった。



只今、僕たちはある装備屋にいます。


その装備屋の名前は、銀狼。


シルバーウルフ。


かっこいいですね!


しかし、今現在僕たちは言い争っています。


口喧嘩ですよ、口喧嘩!


初めてしたよ。


それも、ナフタリアと。


それでは、僕とナフタリアの口喧嘩をご覧ください。


「何で賢者なのに、剣なんて買おうとしてるの! 賢者なら杖とかじゃないの?」


「いえいえ、そう遠慮なさらずに。私は剣がいいんです!」


「何に遠慮するんだよ! 値段か? 値段なのか? ちょっと杖の値段が高いから剣にしようとしてるのか?」


「いえいえ、そんな事はありませんから。ご安心を!」


「いい加減にしてよ! 僕は最弱職でナフタリアは上級職なんだから、僕と同じ剣にしなくていいから!」


「しずくこそ、いい加減にしてください。私はこれでいいと言っているのだから、これでいいじゃないですか!」


「ダメなんだって! 女の子が傷付くのは、僕は見たくないんだって! 見てよ、あのツクヨの姿を! 金貨3枚以上する剣を持ってるところを! ナフタリアが持ってるのは、銀貨5枚の剣なんだよ?」


「大丈夫なんですって! しずくこそ、そんな銀貨3枚の剣なんてやめてください!」


「なんて、頑固なんだ君は! これだから、君は……」


「何ですか? はっきり言ったらいいじゃないですか!」


「あぁ、言ってやるよ! 君は可愛い! どうだ? 参ったか?」


「そんなのは、当たり前です。生まれた時から知ってます!」


「何だよ、何なんだよ! ナフタリア。僕の言う事を聞いてくれよ! 頼むからさ」


「しずく……」


「分かってくれるか?」


「嫌です! しずくが死ねば私も死にますので、しずくの方がいい装備を買ってください!」


もう、この時には周りの事なんか気にしてなんかいられなかった。


周りの冒険者や、店員の人は僕たちを止めようとしているのだけど、僕たちは全く止まらなかった。


「ナフタリア! 僕は君が好きだから言ってるんだ! 分かるか? ナフタリアの存在は僕にとって大きな物なんだよ!」


「それは、私も一緒です!」


「よーし、分かったぞ、ナフタリア。僕は君に絶対命令権を使って、言う事を聞かせる事だって出来るんだぞ! いいんだな? 使ってもいいんだな?」


「好きにしてください!」


「分かった、絶対命令権を使ってやる! 寝ろ!」


おぉぉぉぉ、凄いです!


ナフタリアは、尻尾で後ろに倒れないようにして、立ったまま寝ています!


……後で、ナフタリアには謝っておかなければ。


でもこれは、全て君のためなんだから。


……疲れた。


めっちゃ疲れた。


先に、防具選ばせといてよかった!


さーてと、ナフタリアの杖はどれにしようかな。


……やめとこ。


ナフタリアは僕と同じ剣にしとこ。


あっ、剣と言っても刀剣だから。


刀だから。


なんか、狐人って僕の中では刀と和服ってイメージがあるんだよね。


白髪で和服を着ていて、刀を持っている。


うん、完璧だね!


和服の色は、水色ベースに少し黄色のラインが入っている。


普段着も勿論、和服なんだけども。


僕の装備は、さっきも言った通り刀と、黒をベースに少し紫紺のラインが入っているコートに、黒いTシャツに黒いズボン。


普段着も、全体的に真っ黒です。


ツクヨの装備は、持ち手が水色で、刃の部分が白い剣に、白色の童貞を殺す服に、胸当てに水色のスカート。


ツクヨの普段着は、僕の好みで買ってしまったのだけど、なんか露出が多いような気がする。


後は、三人分のレッグホルスターにポーションなどのアイテム、そしてバックパック一つ。


これで、買うべきものは買ったし、今日の夜ご飯はオムライスにするから、食材は買わなくていいから、もう帰ろう。


ツクヨには少し荷物を持ってもらって、僕はナフタリアをおんぶし、そして余っている荷物を持つ。


背中には、ナフタリアの柔らかい胸が当たっているが、僕は別に気にしなかった。


だって、冒険者ギルドにいた時、顔面に胸を押し付けられていたのだから。










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