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黒い街  作者: 白瀚
2/3

出会い

少年は 花束を


少女は ────、

パチリと瞳が開いた。


瞼は重く 手足は震える。

まるで何年もベットの上に居たような、そんな感覚だ。


太陽が眩しく、目を細め周りを見渡した。


行き交う人々、子供のはしゃぐ声。

風で揺れる青々とした木。

車が沢山通る。


ふと、少年は違和感を覚えた。


自分の知っている街ではないと。


ポケットのスマホは充電切れで、見渡した先の看板には静岡の文字。

少年の出身は、東京。


何故ココに居るのか、考えてみても頭痛が酷く。

まるで考えるなと、言われている様だった。


嫌な汗を拭き、静岡の文字を見る。


静岡に来た記憶はどこにも無い、ましてや、金銭など持ってもいない。

頭痛は止まず、混乱は収まらない。

妙に喉が乾くし、泣きたくもなった。



カサッ……。



手元から、紙の様な音がし、目線を下げる。



「────何だ、これ……?」



手元には見覚えのない花束が握られていた。


持ち上げてみると、ふわりと花の香りがし。

枯れてもいない。


黄色や淡い桃色 白といった、色とりどりの花が オレンジ色の紙に丁寧に包まれていた。


「……こわ……」


なんの見覚えもない花束を捨てようと、近くのゴミ箱に移動した。


が、何故か 捨ててはいけないと 体が拒んだ。

じわりと額に汗が滲み。

手が震える。


捨ててしまったら、何かを失う様な気がしてならなかった。


「…もう少し、持っていよう……」


自分がココに来た記憶はない。

もしかしたら、誰かに会いに 花束を持って来たのかもしれない。


無理に自分にこじつけた。


浅くため息をついた少年に、一つの声がかかった。



「お兄さん、可愛らしい花束を持ってるね」



静かな 落ち着いた声だった。

後ろを向けば、生きているのかと疑う様な少女が居て。


肌は普通よりも断然白く 瞳は金色 白髪の柔らかそうな髪で、着用している黒のスーツがいっそう少女の白を引き立てていた。



これが、僕と少女の初めの出会い





ありがとうございます


まだ続いていきます

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