EP.04 役目──とある冬の日
──お前はレオニー。光臨祭で光の巫女となる娘を連れて帰る、ただそれだけの役目を担う神だ。もし、数名候補者がいれば、一番美しい子にしろ。
消えるどころか、彼はとても恐ろしい思いをしました。
それが恐ろしいというのも分からないぐらいの、思いを。
久しぶりに明るいところに出れた彼は、謎の声の言うことを聞こうとしました。
光の巫女とは何なのか。
そもそも光臨祭とは何なのか。
それを聞く暇すら、彼にはありませんでした。
とにかく、美しい少女を捜すことにしました。
──いいか、日が暮れるまで戻らなければお前はもう用済みだ。覚悟をしておけ。
謎の声は語りかけてきます。
彼は、美しい少女を捜すために歩き続けました。
ただただ、ひたすらに。
北へ、北へ。
歩き続けました。
でも、ちっとも見つかりません。
そこへ、一人の少女が声をかけてきました。
──どうしたの? 迷子?
優しいその声に顔を上げ、ふと自分の姿について考えました。
二十歳にも満たないであろう少女を見上げなければならない、自分。
まさか。
──ああ、お前の嫌な予感は正解だ。そんな可愛らしい見た目だと前回のようなことは起きないだろう?
謎の声は、彼を笑い、嘲りました。