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第九話:百鬼夜行・バトルトーナメント!〜激戦〜

−視点:狂弐−


「に、しても殉が初戦で負けるなんてな〜」


俺以外の試合を終え、皆で飯を食っているところだ。

対戦結果は、リア、メシア、セフィの三人が上がり、殉だけが負けた。

メシアは対戦相手のドッペルゲンガーに怒涛の大剣乱舞をお見舞いして圧勝。

セフィは以外にも苦戦をしていたが、どこで学んだかトラップを設置していて、それに相手をはめてぼこぼこにしていた。


「それを言わないでくれ・・・・・」


殉はと言うと、暗黒騎士とか名乗るライt・・・・もとい変人相手にいい勝負をしていたが根本的な強さが違っていた。



〜回想 始〜


スクリーンで暗黒騎士と殉が戦っている。

暗黒騎士が剣先から柄の部分まで真っ黒な剣を殉の首めがけて突き出したところだ。

殉はそれを防壁符と呼ばれる札を使い阻止した。

突きを弾かれてできた一瞬の隙に殉が反撃をするがそれを剣で防がれる。

こんな攻防をしばらく繰り返したあと、殉が決着をつけるために距離を取った。


「暗黒騎士とか言ったな。なかなか強かったがこれで終わりだ!!」


十枚の札を出し、念を込める。

すると、殉の持つ札が光を帯びていく。

その光で殉が見えなくなると、殉は札を投げ放った。

投げられた札は暗黒騎士を囲むように止まり、殉の“行け!”の合図とともに襲い掛かった。

これは殉がもっとも得意とする技で『十符線』(とふせん)という。

技名通り、十枚の札が相手を囲み、線を描くように貫く技だ。

しかし、暗黒騎士はその攻撃を一太刀の元に叩き伏せた。


『奥義、闇一閃』


闇一閃と言われた技が殉の十符線を切り払い、殉の防壁符をも断ち切った。


「我を倒そうなどと笑止千万!無に帰るがいい!」


『奥義、深き三閃』


暗黒騎士が繰り出した三本の黒い斬撃を受け、殉は倒れた。


〜回想 終〜



「うぅ、せっかく勝手リアちゃんやセフィちゃんにかっこいいところ見せようと思ったのに・・・」


結構ショックだったらしく未だにへこんでいる殉。


「変なことばっかり考えてるからだよ」


一言、殉に止めを刺してやった。

HA!HA!HA!ざまーみやがれ!


【続きまして、二順目第一試合を開始しますので出場者の方は転送者テレポーターの所までお越しください。】


アナウンスが流れた後ヴァルさんがリアの手をつかみ歩き出した。

ヴァルさんはあまり物言わぬ人だがその分態度で表してくれるからわかりやすい。


「そうか、次はヴァルさんとリアか・・・」


これはあっという間に決着がつくだろうなと思った。

が、試合が始まってみると、意外とリアは粘っていた。


『なんとも神々しい!!ヴァルキリーの剣が光を放ち始めたぜ!!』


スクリーンからはがしゃどくろの実況が流れてくる。


『それに対してリアルト選手もなかなかの手慣れだぜ!多彩な魔法や剣術で応戦してるぜ!!この戦い、どっちが征するか見ものですな!実況の座敷童子さんどう思いますか!!』


『あんたうるさい』


『グハ!なんともきつい一言をもらっちまったぜ!!っと、相変わらず物凄い戦いが繰り広げられているぜ!』


がしゃどくろのばかな実況を無視して画面を見ていると、なにやら会話が聞こえてくる。


「せやぁ!なかなか楽しませてくれる・・・どうだ、エインヘリヤルになる気はないか?」


「『ソードブラスト!』エインヘリヤルってなんですか!」


「はぁ!!オーディン様のために働く英雄のことだ」


「『エルメキアブレイド!!』ボクは今のまま、狂弐さんたちと暮らしますから遠慮しておきます!」


「っつ!そうか、それは残念だ」


あいつら、戦いながらなんて会話してやがる・・・

お互いに攻撃を仕掛けてたそれを攻撃で止めるという高度な戦いを繰り広げていたが、ヴァルさんがリアの剣を弾き飛ばし、リアに剣を突きつける。


「く・・・・参りました」


『ついに決着だぁああああああ!!!今の戦いは網膜に焼き付けとけよ!!って俺は目自体がないけどな!!』


「だから言ったろ、ゼウスの旦那、普通にヴァルキリーが勝つってよぉ」


「がはは、先ほどは殉が負けちまったから今回も大穴を期待したんだがな!」


ゼウスさんとベルゼブブが賭け事をしていたらしい。

俺はというとさっきから試合を見ながらチョコパフェを食っている。


「うぅ・・・負けちゃいました」


リア達が戻ってきた。


「なかなか強かった・・・大丈夫自身持って」


ヴァルさんがリアのことを慰めている。

なんか仲のいい姉妹みたいだな。


「ヴァルさんお疲れ、リアもなかなかがんばってたな。あそこまで粘るとは思ってなかったぞ」


俺はリアの頭を撫でてやった。

次の試合はラーさんだったはず。

同じテーブルについていたはずのラーさんの姿はすでになかった。

俺は食べていたパフェがなくなったので、再び注文しに席を立った。

パフェ20人前を抱えて戻ってくるとすでにラーさんは試合を終えていたらしい。


「どうでしたラーさん」


俺が聞くとラーさんは首を振った。


「キョウジ殿、ラーさんは惜しくも・・・・」


後ろからルシファーが教えてくれた。

どうやら、新しく参加した奴らしいかそいつに負けたらしい。

ラーさんだって決して弱くはないどちらかというと強い部類に入るのに・・・

俺は驚きを隠せなかった。


「まぁ、どんまいっすよラーさん」


頷くラーさんを見た後、椅子に座って画面を見るとメシアが丁度現れたところだった。

ほぉ、相手はケルベロスか・・・・この勝負はちと難しい物があるか・・・。

二つ目のパフェを食べながら考える。去年ケルベロスと戦ったときのことだ。

あの時俺は、厄介な頭を潰そうとして負けかけたんだよな・・・やはり冥府の門番をつかまされるだけあってなかなか強い。

画面ではメシアが苦戦しているのがわかる。

メシアの繰り出す大剣をひとつの頭が噛み押さえ、もう二つの頭で襲い掛かってくる。

大剣を放してそれをよけ、投げ捨てられた大剣を拾い攻撃を仕掛ける。

これの繰り返しだ。しかし、ケルベロスもバカではないようだ。

噛み付きに見せかけて爪で引っかいたりと、だんだんとメシアを追い詰めていく。

これは・・・負けたか?

そう思ったとき、メシアが距離を取った。


「新技・・・・キョウジに使うはずだったのに・・・・・」


あいつ、まだ俺に投げ飛ばされたこと根に持ってやがったのか。

それはそうと、画面では大剣を空高く投げ飛ばしたメシアがケルベロスに向かって走っている。

あいつ新技とか言ってたけどなにする気だ?

向かってくるメシアを迎え撃とうと構えるケルベロス。

メシアはその直前でケルベロスを飛び越えた。

ケルベロスが急いで振り返った瞬間、空高く投げられたはずの大剣がケルベロスを貫いた。

苦悶の声を出すケルベロスに対して、それを確認わかっていたかのようにメシアはその大剣の上に飛び乗った。

大剣が深々と地面に刺さる。その後メシアは腰に携えた短剣でケルベロスの喉を切り裂いた。

ほぉ、アレを俺にやる気だったのか。

人の事を殺す気か!

メシアが画面から消えて戻ってきた。

なぜかケルベロスの背中に乗ってるが


「お前、あんな技俺に使う気だったのか?」


コクンとうなずくメシア


「あぁでもしなきゃ攻撃できないし、キョウジなら避ける」


確かに俺の特技は見切りだが下手したら俺でも死ぬぞあれ・・・・つか下手しなくても死ぬ。

因みに、この後の試合はセフィだが特に見る必要はないだろう。

笑いながら黒い魔弾で相手を吹き飛ばしているセフィを見ると頭を抱えたくなるからだ。

セフィはすばしっこい相手は苦手見たいだが、今回の相手のベビーモスみたいな奴は得意らしい。

あっという間に勝利し戻ってきた。セフィはなんだかすごくすがすがしい顔をしていた。

チョコパフェを食べながらゼウスさんやベルゼブブ達と賭け事をしたりしていると、自分の番が来た。


「あ〜やっと俺の出番さね、ちょっくら行って来るわ」


「おう、がんばってこいよ!」


「お前に掛けてるんだから負けたら許さんぞ」


なにやら複雑な気分だが、まぁいいか、これから思いっきり暴れるんだ。











−視点:リア−


今、キョウジさんが画面に現れたのを見て興奮するセフィをなだめています。

キョウジさんの対戦相手はジュンさんが負けた暗黒騎士とかいう人です。

なにやら話をしているみたいなんですがボク達には聞こえません。


『ここに来て準優勝の鎖野狂弐の戦いだ!新たに参加した暗黒騎士とか言うやつも災難だぜ!』


画面では暗黒騎士が剣を抜いたところだった。どうやらこれから始まるらしい。

暗黒騎士が突き出す剣をポケットに手を入れたまま避けるキョウジさん。

相変わらず余裕そうですね。

繰り出される攻撃を華麗に避けて時々足払いだのをして相手の体制を崩していく。

キョウジさんは相手と距離を取って何かをし始めた。このとき、やっとポケットから手を抜いた。


「気功!!」


画面のキョウジさんの周りに、野球ボールくらいの大きさの黄色い玉が五つ浮かんでいた。


「これから飛ばすぜ!ちゃんとついてこいよ」


キョウジさんは相手を挑発して一気に駆け出した。

でも、相手はジュンさんを倒した『深き三閃』を放ったところだった。

難なくそれを避けるキョウジさん。

相手の懐まで潜り込むと空手の正拳突き見たいな感じで相手を殴り飛ばした。

殴り飛ばされた暗黒騎士の腹部の鎧が見事にへこんでいる。

あの正拳突き、どんな威力あるんですか!?

何事もなかったかのように立ち上がる騎士に対して容赦なく攻めるキョウジさん。

黄色い気の玉を飛ばしたり、手の平を押し付けたと思ったら相手の左手の籠手が吹き飛んだり、かかと落としで地面がえぐれたり。

あの人ホントに人間ですか?

とか聞きたくなるようなことばかりするキョウジさん。

このとき、絶対に逆らわないようにしようと決めた。


「ふはははは!この程度か狂弐!我は少しもダメージを食らってなどいないぞ!」


画面から暗黒騎士の声が響き渡る。

明らかに鎧はぼろぼろなのになぜかキョウジさんが怪訝そうな顔をして相手を睨んでいる。


「ふむ、見た感じあの鎧は呪いが掛かっているね」


「うわぁ!いきなり後ろから現れないでくださいルシファーさん」


「いやぁ、ごめんごめん癖でね」


「で、呪いってどういうことですか?」


「痛みやダメージをすべて消して、動かない体を無理に動かすような感じの呪いかな。」


「それって・・・普通に着てたらすぐ死んじゃいますよ?」


「そうだね、でもこのバトルでは絶対有利な代物だね。副作用もあるみたいだけど」


「副作用って?」


「見ていればわかるさ」


そういわれて画面に視線を戻すとなにやら暗黒騎士が人として危ない領域に踏み込んでいた。


「ゲヘヘ、お、お前だけは、絶対にゆるさ・・・・・」


うわ、副作用って精神破壊のことだったのか。


「アレを倒すには消し飛ばすくらいしか手がないはずだけど、狂にはなにか策でもあるのかな?」


画面を見ているとキョウジさんが気功で気弾を五個に補充しなおした。


「お、あの技を使う気だな」


「掠めただけで私を追い詰めたあの技か」


ゼウス様とオーディン様が話ているがボクは画面から目が離せなかった。


「我が身をまとう気よ、我が身を守る壁となれ!『金剛!!』」


キョウジさんの体の色が黄色くなる。


「我が攻撃は絶対の一撃、全てを滅する破滅の力となれ!『爆裂!!』」


キョウジさんの立っているところから爆発でもあったかのように地面が抉れた。


「我が拳は宇宙そらさえも分かち星さえも砕く覇王の拳、神々さえも打ち砕き悪魔たちをも地に伏せる。奥義!!『狂羅覇王拳』」


一瞬にして近づき、拳が相手に当たったかと思うと物凄い土煙と轟音で画面は見えなくなってしまった。


「な、なにが起こったんですか?」


「アレは狂の奥義の一つで、本来ならば星をも砕き、銀河さえも分かつ覇王の一撃を放つ技だよ。あんな技ここ以外で使ったらそれこそ太陽系が吹き飛ぶ程度じゃすまなくなるぞ。でも、その分反動はでかいらしいがな」


ルシファーさんの説明を聞いて画面を見ると丁度土煙が晴れたところだった。

地面消し飛び、キョウジさんが立っているところ以外底が見えない状態だった。


「うわ・・・・・・あれであの人本当に人間なんですか?」


思わす聞いてしまった。キョウジさんに聞かれたら容赦なく殴られる一言だと思う。


「一応、人間だよ彼も」


『やっぱり狂弐は強かった!!誰かこいつを止めてみろ!!』


がしゃどくろが実況をしている隣で座敷童子はうっとりとキョウジさんを眺めているのは見間違いではなさそうだ。


「あ、キョウジさんお帰りなさい」


「おう、ただいま」


キョウジさんが何事もなかったかのように戻ってきた。


「狂、あの鎧を着た奴どうした?」


「あぁ、カフェの方で鎧ぶっ壊してたたき出してやった」


「ははは、君って奴は」


「キョウ強いね!」


セフィがキョウジさんに飛びつく。

メシアはなぜかケルベロスとじゃれている。

ボクはというと、椅子に座ってうとうとしている。


「あれ、そういえば香織のやつどこいった?」


「さきほど、お出かけになられましたよ。なにやら携帯にお電話があった見たいで」


「リア、眠いのか?」


ヴァルキリーさんが頭を撫でてくれながら聞いてきた。


「はい、少しばかり」


「こっちに寝る場所がある」


ボクはヴァルキリーさんに連れられて休むためにベッドが用意された部屋まで来た。


「ありがとうございます」


ヴァルキリーさんは笑顔で戻っていった。

ボクはそのままベッドに横になり、眠りについた。

「どうだ?俺もなかなかやるだろう」


お前、誰に何を言ってるんだ?


「俺に消滅させられた奴が何言ってんだ?」


な、何のことかな?


「いい加減あきらめろ、あの暗黒騎士とか言うのお前だろ?」


な、な、なわけないだろ・・・・・・(汗


「その腰の剣、暗黒騎士がつけてた奴だろ?」


な!マジで!?全部外したはず・・・・・


「にま〜」


はめやがったな!!!


「いい加減自白しろって」


・・・・逃走!!


「あ!まてやゴルァ!」


ヒラリ

メモ用紙に何か書いてあるようだ。


ご愛読ありがとうございます。

これからもがんばりますのでよろしくお願いします。


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