第五話:買い物へ行こう!〜後編〜
更新遅れてすみません。
今回は若干短めです。
−視点:狂弐−
はぁ、今日何度目になるか分からないため息をつき額を押さえる。
「てめぇら!店ん中で騒ぐなっつってんだろ!!」
今俺は駅前のデパートに買い物に来ている。
午前中は部屋の片付けをした。
んで、あいつらに必要な服だとか家具だとかを買いに来たんだが・・・・・。
やっぱりまだ子供なんだな。こっちの世界の物が珍しいのか、そりゃもう騒ぐ騒ぐ・・・。
おかげで頭痛いわ。
「さっさと服選べっての!まだまだ買わなきゃいけない物あんだよ!」
たが、俺の言葉などまるで聞こえてないかのように騒ぎまくるバカ共。
ムカついたので天誅をお見舞いしてやった。
「「痛い」」
イャクウとフィヴは頭を抱えてその場にうずくまった。
しかし、フィルだけは俺の天誅を避けた。
なかなかやるなフィル、だが甘い!!
その直後、フィルの頭に俺の靴が命中した。
「な、なんで靴がそんなに重いんだ・・・」
イャクウ達同様に頭を抱えるフィル。
「俺の靴は安全靴に手を加えて5キロにしてあるからな。鍛えるためにな。まぁそんなことよりさっさと服選んでこい、まだまだ買う物は沢山あんだから時間かけさせんな」
「「はぁ〜い」」
無邪気に返事をして駆けだした二人を見送った俺と・・・
「フィル?」
「何だ?」
なんでこいつはここにいるんだ?
「服選びに行かないのか?」
「別に、服にこだわりは持ってないし、着れればいいとしか考えてないからフィヴ任せ。だからここにいる。僕はまだ信用したわけじゃないからな。」
そう言うフィルに俺は
「どうぞご勝手に、でも俺は自分で選んできたほうがいいと思うぞ。」
と、言ってやった。
フィルが首を傾げているのでイャクウとフィヴがいるところを指差した。
イャクウとフィヴはなにやら、やたらとフリルのついた服やら無駄な装飾の多い、女性用の服ではないかと思われる服を持ってあーだこーだ話している。
その声は俺らのいるこの位置まで届いている。
「見てフィヴ!ピンクのフリフリなんてフィルに似合いそうじゃない?」
「いや、フィルにはこっちのぼんぼんのついた服が似合うよ!」
「じゃあこっちのなんてどうかな?」
早くも打ち解けているイャクウとフィヴだが、なんて末恐ろしい会話をしていることだろうと、俺は思った。
当のフィルはと言うと、すでにイャクウ達のところに行き、その手に持ってる服を取り上げ戻しているところだった。
さて、聖子達の方はどうなったか・・・。
リアが要るから大丈夫だとは思うがその分セフィが・・・あとメシアも意外と曲者だよな。
なんてことを考えながら三人を見ていた。
−視点:聖子−
いやはや、リアちゃん達はなんていい子なんでしょう。
キョウ君が言うには「やたらと問題を起こすから気をつけてくれ」っとのことでしたが、仲良く服を選んでいる所を見るととても問題を起こしそうには思えませんねぇ。
しかし、実際はそんな穏やかな光景ではなく・・・
「ちょっとセフィ!そんなフリフリのついた服をいったいどうしようとしてるの!」
「どうするもこうするも買うに決まってるじゃん!」
「バカなこと言ってないでもっとまともな服選んでよ!キョウジさん待ってるよ!って、メシア何やってるの!?」
「試着・・・?」
「なんで疑問系なの!?それに試着ならあそこの中でするの!こんなところでいきなり服脱ごうとしないでよ!」
「うん」
「で、今度は何やろうとしてるのセフィ!」
「リアの服を脱がせようと思って・・・テヘ♪」
「ヘテ♪じゃないよ!なんでそんなのボクに着せようとするのさ!ボクのはもう選んであるよ!」
そんな激戦が繰り広げられているとは露知らず、聖子も自分好みの和服を探していた。
でも、キョウ君も男の子なんですねぇ。
電話で、買い物に付き合ってくれって言われたときはなぜかと思いましたよ。
私なんかよりよっぽど買い物上手なキョウ君が、俺じゃどうしようもないなんて言うものですから何事かと思ったのですよ。
でも、来て見て分かりましたわ。リアちゃん達の下着のことだったのですね。
これじゃあキョウ君ではどうしようもないですわね。あ、このお洋服の模様可愛いですわ。
私口下手なんで話すのは苦手なのですが、視点持ちは話さなくていいので楽ですねぇ。
これからも私視点でいてくれませんかしら?こっちのお洋服も素敵です。
そんなこんなで狂弐が聖子達と合流したのは1時間後のことだった。
−視点:狂弐−
聖子達と合流したあと、聖子にイャクウ達を預けて俺はあいつらの寝るベッドを買いに来た。
人数多いし置く場所ないから二段ベッドだな。
高い買い物だが仕方ないか・・・。
ん?なんで俺がそんなに金持ってるか疑問だって?
そんなの簡単だ、年末○ャンボで1等あてた。
まぁ、他にもいろいろ事情はあるが・・・その辺はまた今度な。
「あの、すみませんこの形式の二段ベッド二つください。」
布団をひかせても良かったんだが、流石に6人分も家に敷布団は無い。
んで、「布団買うくらいならベッドでもいいか」ってことで今ベッドを買いに来てる。
一頻り手続きだのを終わらせたんで、聖子達の所に向かった。
あいつらは今自分好みの食器を選んでるはずなんだが・・・食器売り場にいないってどういうことだ?
しょうがない、聖子に電話してどこにいるか聞いてみるか・・・。
俺がポケットから携帯を取り出したとき、聖子の方から電話がかかってきた。
「もしもし」
『も、もしもし、キョウ君?』
「そうだが、お前ら今どこにいる?」
『えっとね、食器買い終わってもキョウ君が来る気配がなかったから、屋上にあるゲーム置き場で遊んでるの』
ふむ、だからここにいなかったのか。
「そうか、・・・わりぃんだけどそいつら引き連れて先に帰っててくれないか?」
『え、いいけど、キョウ君はどうするの?』
「俺は夕飯の買い物して行くから遅くなる」
『わかった、またね」
「またな」
電話を切ったあと、俺は食品売り場に向かった。
に、しても買い物早かったな・・・絶対にもっと時間かかると思ってたんだけどな。
まぁ、いいか。
でも、人が多いな・・・駅前だから仕方ないのだが、やっぱり人ごみはなれない。
やっとのことで食品売り場に着くと、そこにはなぜかリアとセフィとメシアが居た。
「なんでお前らがいるんだ」
「荷物持ち・・・」
「ボクらキョウジさんの手伝いできたんです」
「だからお菓子買って!さっきショウコが買ってくれたのすっごく美味しかったんだ!」
なるほど、物で釣ったか。
妙に納得してしまった。
それからリア達と買い物を済ませて今はデパートの中にある喫茶店で一息ついている。
セフィがやたらと寄りたがるから仕方なく入ったのだが、おすすめにチョコパフェと書いてあるのを見てしまった以上頼まないわけにはいかない。
何を隠そう俺はチョコレートが大好きだからな。
「んで、お前らは何を頼むんだ?」
まぁ、俺が頼むんだからこいつらはダメなんて意地悪はしない。
「ボクとメシアはこのストロベリータルトって言うのでお願いします。」
「あたしはキョウと一緒の!」
「はいよ、すみませーんオーダーおねがいします。」
「はーいおまたせいたしましt・・・・狂弐?」
「は?」
思わず声を上げちまった。
オーダーを取りに来たのは何と香織だった。
「へー、お前給仕のバイトなんかしてたんだ。しかも、こんなところで」
「う、うるさい!さっさと注文しろ!」
いや、人生何があるか分からないとはまさにこのことだな。こんなところで香織に会うなんて夢にも思ってなかったぞ。
注文を取り終えると香織はさっさと行ってしまった。
顔が真っ赤になってて面白かったけどな。
「あの、キョウジさん」
「ん、なんだリア?」
「今のって昨日家に来た人ですよね?」
「そうだけど、それがどうした?」
「い、いえ、なんでもないです。」
まったく話が読めず首をかしげていると。
「キョウが昨日寝言でカオリの名前呼んでた事聞こうとしてたんじゃないの?」
なんてことをセフィが言った。
俺は別段なんとも思ってないのだがリアがめちゃくちゃ慌ててる。
その慌てっぷりは飲んでいた水を吹き出さんばかりの勢いで思いっきりむせている。
「で、キョウはどんな夢みてたの?」
「バカセフィ!そんなこと聞くなんて失礼だよ!」
「気になる・・・」
「メシアまで!?」
リアは苦労性だな。
気管支に水が入って思いっきりむせてたしまだ涙目だ。
「ん、別にたいした夢じゃねぇよ。ガキのころ、香織にいじめられてた夢見てた。いや、あのラリアットは見事な一撃だったと今でも感心するな。」
んな話をしてたらチョコパフェとストロベリータルトを持った香織がいた。
あ、タイミング悪かったかな?
「あ、あんた、なんつー夢見てんのよ!人を何だと思ってるの!」
俺らの前にそれぞれの品を置きながら香織が怒鳴る。
「何だと思ってるって野獣?」
「ばか!」
香織が手に持っていたトレーで容赦なく人の顔を叩きやがった。
実にいい音がしたね。バシーンって・・・冗談にならないほどいてぇ・・・。
俺の反射神経なら避けられないか?って
いや、今のは見切れねぇって。まったくモーションが無かったんだから。
それにチョコパフェ食ってるときに叩くんじゃねぇ・・・。
その様子を見ていた3人がなにやらため息をついている。
「キョウって意外とバカだね!」
「うん」
「キョウジさん・・・」
なんだってんだ・・・。
因みにバカとか言ったセフィのチョコパフェを半分くらい食ってやった。
むかついたから。
それから俺らは会計を済ませた。
このとき、香織に二度と来るなと言われたが、よし、またからかいに来よう。
それから家に帰ってきたんだが・・・・
「おっす狂弐!邪魔してるぜ」
なんで殉がいるんだ?
そして聖子はどこに行った?
自分の顔がすごく引きつってるのが分かる。
「いやぁ、今日さ家に親いなくてよぉ夕飯ご馳走になりに来ました!ちなみに、聖子さんは用事があるからって帰ったよ。」
「なるほど、聖子がいない理由は分かったから貴様も帰れ」
容赦なく殉の頭を蹴り飛ばす。
「ひでぇ!親友になんてことを!」
「貴様と親友になったことをこの上なく後悔してる」
「お前!人がせっかく暇つぶしになるだろうと思ってDX人○ゲーム持ってきてやったのに!」
「タノンダオボエハナイ」
しかし、他の奴らが興味を持ってしまった。
「ジュン、なにそれ?」
「お、セフィちゃん興味あるか?」
「あるー!」
「それじゃぁためしに皆でやってみますか!」
はぁ、もうほんっと頭痛いわ・・・
俺は額を押さえながら夕飯を作りに向かった。
今日の夕飯は激辛カレーだ覚悟しやがれ。特に殉、貴様は辛いのが苦手だったな、はっはっは!のた打ち回るがいい!
その晩、狂弐以外の悲鳴が鎖野家に響き渡った。
ゲホゲホ
「なんだ、風邪でも引いたのか?」
そうらしい、気温の変化に弱いんだよ俺。
「ふ〜ん、あっそ」
あ、何お前大丈夫の一言も無いわけか?
「だってお前、殺しても死にそうも無いじゃん。それにバカは風邪引かないって言うからどうせ更新遅れた言い訳だろ?」
んなわけないだろうバカが、ゲホゲホ
「あ〜はいはい、じゃぁさっさと帰って寝てれば?」
いや、唯一の俺の出番が・・・
「うっせぇ寝てろ!」
ゴフゥ!お、おま・・・鳩尾は・・・
「ったく、無駄な手間かけさせやがって。多分、次の後書きに作者は来れそうも無いので俺が適当にもう一人呼んでくるんで次作もお楽しみに!」