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第十一話:百鬼夜行・バトルトーナメント!〜個人戦終盤〜

個人戦終幕までもう少しです。

この後にある団体戦は短めで行きたいと思います。

では、どうぞ!!

〜視点:狂弐〜


現在、バトルフィールドで相手とにらみ合っている、

なんでこう戦う相手全てが強い奴ばかりなのだろうかと疑問に思う。

俺の前に対じしてる相手はニヴルヘイムの女王ヘルだ。

ヘルはオーディンさんと義兄弟の契りを交わしたロキの娘なのだが、詳しくはまぁ、北欧神話のヘルで調べてみてくれ。

ってそんなことはどうでもいいんだが、こいつ、見た目に反してやたら強い。

一撃一撃がやたらと重く、それでいて早い。

すでに幾度か撃ちあった、俺と同じで攻撃を見切りやがる。

だが、なぜか俺と動きが似てるんだよな・・・

相手の様子を伺っていると、相手が先に仕掛けてきた。

正面からまっすぐに突き出された拳を屈んでかわし、足払いを仕掛ける。

それをバクテンで回避する。回避ざまに俺のあごを狙って蹴ってきたのをギリギリで回避する。

それから距離を取り、相手の様子を伺う。

見切り型がここまでうざかったとはな・・・。


「やはり貴方は強い・・・」


彼女が唐突に喋り始めた。


「だから・・・・どうだってんだ?」


「べつにどうというわけではない、倒しがいがあるというだけだ」


「それだけか」


「ここからはわれも本気で行く、負けたときの言い訳を考えておくことだ!」


『魔功!』


「!?」


彼女は魔力で野球ボールくらいの球体を五つ作り出した。

完全に俺の技をコピーしてやがるのか・・・


『気功!』


俺も気功球を作り出す。

ここからはそれなりにマジで挑まないとこちらも唯ではすまないだろう。


『気功弾!』『魔功弾!』


互いに自分の作り出した功球を放った。

それがぶつかり合い爆発が起きた。それを切っ掛けに激戦が始まった。

繰り出されたハイキックを上半身を反らし回避するのと同時に相手の脇腹目掛けて蹴りを繰り出すが、それを右手で払われる。

そのままかかと落としに切り替え攻撃を仕掛けるも体を横に反らしかわされる。

この一瞬の隙を狙って出された正拳を受け流し、回し蹴りで相手の顔を狙う。

だがその足をつかまれ、投げ飛ばされてしまった。

これは・・・予測していたこと!

投げ飛ばした体制のヘルに気功弾を打ち込む。

それも、後方への跳躍でかわされる。

着地した瞬間、地面を蹴って相手との距離を縮める。

間合いに入った時にはすでにヘルが攻撃を仕掛けてきていた。


魔功衝まこうしょう!』


手に平で魔功に衝撃を与え、衝撃波を相手に打ち込む技だ。

気功衝きこうしょうとまったく同じ技か!ならばその弱点も同じ!

体制を低くしてそれを避け、相手の懐に潜り込む。

突き出された腕をつかみ背負い投げの要領でヘルを投げる。

さっきと立場が逆転した。


『魔功弾!』『気功弾!』


爆風によって吹き飛ばされる。

相手との距離はおよそ100mくらいだろう。


『気功!』『魔功!』


この状態になるまで5秒と掛かっていない。

常人なら動きを見ることすら難しいだろう。


「やはり真似ただけでは倒せる相手ではないか」


そう言ったヘルは魔力で剣を作り出した。


「魔剣・・・・氷乃撃帝こおりのげきてい。切ったり触れたりしたものを即座に凍りつかせ砕く剣だ。」


「神器や業物じゃぁなさそうだな」


「ふ、わが特別製だ」


しばらく無言のだったが、どちらからともなく駆け出した。

けれど、剣を持っているヘルの方がリーチが長く、攻撃を避けるしかない状態になっている。

避け続けているのにも限界が来たのか狂弐がバランスを崩した。


「もらった!!」


ヘルの魔剣が狂弐を貫いた。

狂弐は一瞬にして凍りつき砕け散った。

と、思われたが剣を突き刺したはずの狂弐の姿はどこにもなかった。


「気功術、偽像気ぎぞうき


「な!?いつの間に!」


急に背後に現れた狂弐に驚くヘル


「いつの間に・・・か、最初からだ」


「・・・それでは、われは最初から幻を相手にしていたということか!」


前転をして狂弐との距離を取るヘル。

睨みつけるヘルに対して涼しい顔をしている狂弐


「ちと違うな、お前が相手にしていたのは俺の気でできた本物だ。だからちゃんと触れたし、剣突き刺した感触もあっただろ?」


「確かに・・・幻ならばそのような感覚はない。強い幻術にでも陥れれば話は別だが悪魔に幻術は通用しない」


悪魔に幻術が通用しないのは精神構造が人と違うからだろう。


「なかなか強かったし、楽しませてくれたお礼だ。奥義の一つを見せてやろう」


俺は重心を落とし、構えた。


「我が身に宿る闘気、覇気、精気、狂気、志気によりて滅するは気高き獅子と視よ!

我が意志によりて打ち砕くは大いなるともと知れ!

決し驕らず、最大の敬意を持ちて繰り出す我が渾身の想いなり!」


ヘルは急いで回避に移ろうとしたが足が地に縫い付けられたように動かない。


「な、なぜ足が動かぬのだ!えぇい!動けと言っているのだ!われが、われが恐怖などするはずないのだ!動け!動けえええええええええええええええええ!!!!!!!」


蛇に睨まれた蛙のごとく動けなくなったヘルに対して狂弐は着々とその力を凝縮していった。


「いかなる者をも貫くは、我が最大の拳!一撃の下に逝かせてくれよう・・・・・」


狂弐の右手に気功球が集まり、その手の周りを高速で回転し黄色の輪が描かれる。

左足を前に出し、右手を隠すかのように半身になる。

相手を見据え、上半身を捻る様に右手の拳を相手に向けて衝きだした。


「奥義!!『五激気想拳』」


突き出された拳から黄色い輪が相手目掛けて飛んでいく。

飛んでいく最中にだんだんをその輪を狭めて行き、相手に当たる直前には一つの光球になっていた。

その光球が当たると、とてつもない光が視界を覆いその光が晴れると、ヘルの居た場所から半径50mほどが球状に消し飛んでいた。

大気や空気、色や光、音までもが消し飛ばされたらしくその場所だけ何もない黒い空間が見える。

グゥ・・・・やはり・・・・きついか・・・・・

気功術は名の通り、自分の気を使い技を放つ。

すなわち、上でも述べたような精気、狂気、正気、覇気などの気力を消費するため、その気力の消費が激しければ生きる屍と化してしまうのだ。

ここ以外で使ったら・・・・間違いなくさよならだ・・・・・

思考が途切れたと同時に視界はホワイトアウトし、気づくとカフェに戻ってきていた。

なんども言うようだがバトルフィールドで起こったことはカフェに戻れば全てキャンセルされる。

痛みも疲れも肉体的損傷も精神破壊も全てだ。


「う・・・ヒック・・・・」


隣には対戦相手のヘルが居るのだが、座り込んで泣いてしまっている。

おいおいおいおい、俺なんかしたか?

このままにしていけるわけもなく


「あ〜・・・すまんが、何か飲み物持ってきてくれ」


ウェイトレスの少女にそう頼むと俺はしゃがんでヘルの背中を撫でてやった。


「おい、大丈夫か?」


俺が聞くとヘルはコクコクと頷いた。

ウェイトレスの少女が持ってきたアイスティーをヘルに渡しゆっくりと飲ませる。


「どうした?」


「・・・・・さっきの、思い出したらすごく怖くなって・・・それに負けたのも悔しくて・・・・・ヒック」


また泣き出しそうになったでととりあえず謝った。

さっきのバトルの奥義あれが原因らしい・・・・。


「いや、すまなかった。まさかここまで恐怖するとは思ってなかった。本当に申し訳ない。」


ヘルは何度か頷いていたので許してはくれたのだろうが責任は俺にあるわけで、落ち着くまでそばに居ることにした。


「ああああああああああ!!!!!!!!!」


なんとも最悪なタイミングでやってきたのはセフィとリアだ。

バトルが終わったのに戻ってこないのを不審に思って見に来たらしい。


「キョウジさん!なに女の子泣かしてるんですか!!!」


「キョウ最悪!!そんな人だとは思わなかったよ!!!」


「ちょ、まて!誤解だ!いや間違いではないが・・・話せばわかる!」


俺の言葉を無視して最低だのろくでなしだのほざくセフィとリア(悪口を言っているのはセフィだけだが)に後で天誅をお見舞いしてやる!!

しばらくしてヘルが落ち着いたの見計らってリアとセフィに事情を話した。それから少し黙ってろと脅しといた。


「すまぬ・・・もう大丈夫だ」


「わるかったな・・・・・」


「謝るでない、われもまだまだ未熟だったということだ・・・」


暗い顔をしているヘルの頭を撫でて


「お前は十分強かったよ」


と言っておいた。

さて、戻って次の試合に備えてチョコパフェでも食べるか。

っと、その前に・・・


「貴様ら、何逃げ出そうとしてるんだ?」


さっきまでギャーギャーと騒いでいたのに、今はこっそりと逃げ出そうとしていたリアとセフィの襟首をつかんで自分の目線の高さまで吊り上げる。


「い、いやキョウジさん・・・すっごい笑顔なのに目が笑ってないですよ・・・・・・」


「キョウ怖い!!!放して!!嫌!!天誅嫌ああああああああああああ!!!!!」


暴れるセフィと苦笑いをしているリアから手を放し


「天誅!!!」


【ゴゴン!!!!】

なんとも見事な拳骨が二人の頭に炸裂した。


「うぅ・・・・・・・」


「うきゅ〜〜〜〜〜〜」


二人とも頭を抑えてうずくまっている。


「おら!さっさと行くぞ!」


二人の襟首をつかみ引きずって殉やオーディンさんが居るテーブルに戻っていった。

その後ろで顔を赤くしながら狂弐のことを見つめていたヘルには気づく様子はこれっぽっちもなかった。











〜視点:メシア〜


メシアです・・・・・・。

えと、キョウジすごく強かった。

勝てるなんて思っていた自分がまだまだだってことがわかった。

視点もつのって何だが不思議・・・・・・です。

キョウジの戦闘中に起きてきたリアがなぜか引きずられて戻ってきた。

あとセフィも。

何があったかは聞かない、聞いてもしょうがないと思う。

だってリアとセフィだから。

次の試合はオーディンさまとルシファー、どっちもかなり強いからどうなるか楽しみ。

強い人同士が戦うのはいい勉強になる。

とりあえずまずはキョウジに勝てるようになることが目標・・・。

勝てたら・・・・・・////////////

なんでもない。

今キョウジはチョコレートパフェをたくさん食べてる。

多分4桁超えてると思う。

・・・・・私?なにしているか?

ケルルンの上に乗っかってる。

ケルルンって何かって?

ケルルンはケルルン・・・・・。

あ、試合・・・始まったみたい。

試合が始まるとオーディンさまが波動を打ち出した。

それを軽く弾くルシファー・・・参考にならない。

ルシファーが長いその爪で切りかかる。

それを避けて魔槍グングニルを突き出す。

ルシファーがグングニルを魔力で吹き飛ばす。

なるほど・・・絶対にあたるのなら別の何かに当てれば避けられる。

何かメモ帳のようなものにメモを取っていく。

・・・・・・・視点、もういらない











〜視点:殉〜


お、なんだなんだ?

俺視点なのか?おっしゃぁ!張り切っちゃうぜぇ〜!

今は画面でオーさんとファーさんがバトってるんだけど、いやぁ〜ふったりともつえ〜のつえ〜の。

さっきの狂弐とヘルちゃんのバトルなんか目じゃないくらいすげーのな。

でも狂弐のやつ、いつの間にあんな技習得したんだ?

いやぁ〜、俺の知らないところで成長してるんだなぁうんうん


「キモイぞ殉」


「にゅわぁああ!!」


急に話しかけてくるなよびっくりするなぁもう!!


「ってなにがキモイんだよ!酷くねぇか!?」


「いや、人の顔みてニヤニヤしてんのキモイと言わずになんて言うんだ?なんなら気持ち悪いぞ存在が、とでも言ってやろうか?いやこれマジなんだけどな」


「ひ、ひど・・・」


なにもそこまで言わなくても・・・・・・

まぁ、だいぶなれたけど傷つくんだぞこれでも。

そんなことは置いといて画面を見るとフィールドがとんでもない事になってるよ。

あちこちにクレーターができてるし、お互いにぼろぼろだ。

これ、決着つかねぇんじゃねーかななんて思う。

まぁ、暇だし最後まで見てやろうじゃんか

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

あ、決着ついた。30分近くかかったな〜

結果はオーさんが魔槍でファーさん貫いて終わり。

二人が戻ってきた。


「負けてしまった」


「がっはははは、気にすることはない!」


「だぁあ!!いつになったらおれぁオーディンや狂弐と殺りあえるんだぁ!!」


「・・・・・・・」


オーさんは相変わらず喋らないし、サタさん叫ぶし、やりたい放題だよな。

狂弐なんてパフェ何杯目だよ。


「そういえば、今回の優勝賞品ってなんだかわかりますか?」


俺がそう聞くとベルゼさんが応えてくれた。


「どうやら、カフェオーナーの知り合いのお店の限定チケットらしい」


「っと、言いますと?」


「年に二度しか開店しない幻の店でお客の注文するものなら何でも作ってくれるらしい、しかも全てが至高の味と来てる」


「なんていうものを賞品にしてるんだ・・・・」


「それ以外にもあるらしい。我輩もよくは分からないが草薙剣だとか星の結晶だとか言われているね」


「星の結晶ってなんすか?」


「星の消滅を凝縮した宝石だね。滅多に取れるものじゃないし、下手したら神器より貴重なものだよ。不確かな情報だけどね」


「・・・・・・・・・」


いやもう言葉がでないっす。

ベルゼさん情報早すぎですよ。

その情報どこから仕入れているか教えてほしいですよ・・・。

ベルゼさんと話をしている間に殆どの試合が終わったらしい。


「次は、私の出番か」


なんていいながらヴァルちゃんが立ち上がった。


「ヴァルちゃんがんばってね〜♪」


「その呼び方は・・・・・・もういい、好きにしてくれ」


あ、なんかちょっと肩落としちゃったけど気にしない!

俺は、頭を切り替えて団体戦のことを考えた。

やっぱり、強敵はインキュバス達だな、あの悪夢は厄介だ・・・・。

他にも精霊チームなんかも油断できないな。

な〜んて考えてると画面にヴァルちゃんの姿が映し出された。

相手はあのラーさんを打ち破った相手だ。

大丈夫だとは思うけど不安はぬぐいきれなかった。

あいつ・・・・・・・何者なんだ?

・・・・お前、色々と奥義使うよな。

いくつあんだよ。


「あと8はあるぞ!」


でも、地球じゃ使えないんだろ?

いみねぇじゃん


「ふ、この俺がそれを考えてないわけないだろ!」


・・・・・使えるのか?


「当たり前だ!!全力出せば確かに気力なくなって大変なことになるが抑えれば問題ない!!」


抑えてどの程度の威力がおありで?


「ふむ、軽く地球は吹っ飛ばせるな。最終奥義なら」


この世のために死んでください。


「そりゃ無理だ。俺にはまだ世界最高のパフェを食べるという野望があるんだ!!」


そんな野望捨てて地に帰れ


「お前を地に返してやろうかぁ?」


やめろ・・・・

ってか、お前奥義さ読み方なんて言うのか教えろよ


「んぁ?読めねぇのかバカ迅渡」


俺は読めるが読めない人とか居るだろう。


「はいはい、言い訳はいいから黙ってろ。

最初に使ったのは『狂羅覇王拳きょうらはおうけん』、次に使ったのが『五激気想拳ごげききそうけん』ってんだよく覚えときな!」


はいはーい、狂弐さんありがとうございましたー(棒読み)


「んぁ?んだてめぇ俺のことバカにしてんのか?おら、ちょっとこっち来いよ」


ば、ばか!やめろ!!い、痛い!!耳を引っ張るな!!千切れる!千切れる!!

そ、それでは!!また次の話の後書きで!


「おらぁ!」


いたぁ!!ブチっていった!ブチって!

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