第五十九話
「えっと―――ここのカドを曲がって、次のタバコ屋さんのところを右折して」
地図を見ていた悠菜がそう呟いたのは、第四層の半ばまできた時だ。
「何、言ってるんですか?」
「えっ?三丁目の」
「何の地図見てるんですか!何の!」
「これ」
悠菜が綾乃に渡した地図には、世界地図と書かれていた。
「―――これで、何をしようと?」
「すごいでしょう?」
悠菜は自信満々に答えた。
「これがあれば、地球上で迷子になることはないんですよ!?」
「なりますよ……絶対」
綾乃は額に手を当てた。
「ホント、何を考えるんですか」
「その言い方、止めてくださいよ」
「言いたくなるんですよ。大体、三丁目とかタバコ屋なんてどこに」
「心の目で見るんです♪」
綾乃はこめかみの横で指をクルクル回した後、セージュに告げた。
「行きますよ?」
「はい」
「あっ、その前に」
悠菜がどこからか取り出したのは、スプレー缶だ。
「記念と挑発を兼ねて」
シューッ。
悠菜は、何事かを壁にデカデカと書き上げると、言葉の意味がわからず、首を傾げる綾乃とセージュに言った。
「これでいいです―――行きましょう」
「なんて書いたんです?」
「敵を混乱させるおまじないです♪」
悠菜の言うおまじない。
それは、確かに効いた。
「なっ―――なっ!」
肩を振るわせるのは美奈子だ。
「何よあれはぁぁぁっ!」
美奈子の怒鳴る先。
そこにあるのは、壁に書かれた文字。
桜井美奈子のバカ!
そう、書かれていた。
「ははっ……子供じみた挑発だ」
グリムはそう笑うが、
「バカって言った方がバカなんだからねっ!?」
美奈子は完全に怒ったままだ。
「そんな子供みたいな」
「うっさい!」
美奈子は怒鳴った。
「バカにバカって言われる屈辱、わからないわけじゃないでしょう!?」
「なんとなく」
この子にも困ったものだ。
グリムは、顔を真っ赤にして怒鳴る美奈子から視線を外した。
普通にやってくれれば、軍師として申し分ないのに、水瀬という男の子が絡むと、どうしてこうも理性を忘れるんだろう。
これでは―――
「?」
視線を美奈子に戻したグリムは、美奈子の変化に気づいた。
「美奈子さん?」
「……」
美奈子は、頭を抑えながら蹲っていた。
グリムがのぞき込んだ顔は蒼白。
歯を食いしばって何かに耐えている。
「頭痛―――ですか?」
美奈子は無言で頷いた。
まずいな。
グリムは舌打ちした。
美奈子の頭痛。
その理由は、グリムには明らかだ。
連続した憎しみの種の摂取による副作用。
このままでは美奈子は、脳の血管を破壊されて廃人になる。
やむを得ない。
グリムは言った。
「美奈子さん。横になっていてください。これからは我々が。……おい」
「……」
コクッ。
美奈子は頷くと、オペレーターの肩を借りて部屋を出た。
「……役立たずが」
グリムはその背に吐き捨てる様な言葉を、聞こえないように投げかけた。
「あの程度で使い物にならなくなるとは」
しかし、その口元が歪んだ。
「―――まぁ、いい」
モニターの向こうでは、人間達は撤収にかかっている。
迷宮から逃げ出そうとしているのだ。
それこそ、思う壺だ。
「美奈子さんは、やるだけやってくれました」
そう。
ここまで敵を翻弄してくれたのは、彼女の功績以外の何者でもない。
だから、その功績に免じて、殺すのは先延ばしにしてやろう。
もしかしたら、まだ、使えるかも知れないのだから。
「美奈子さんは、例の部屋に閉じこめてください。水と食料だけ与えて」
「グリム様」
オペレーターがグリムの報告したのは、その時だ。
「第八層の警報が作動しました」
「第八層?」
「“原料”の搬入口付近です」
「……“原料”が逃げ出したのですか?」
「監視員は何も確認していません」
「誤報ですか?」
「調査させましょうか?」
「いえ」
グリムはそう言った。
「大した驚異にはならないでしょうから」
もし、この時、美奈子がいれば。
彼女ならどうしたか?
徹底的に調査させたろう。
“原料”―――つまり、妖魔化される前の動物達を運び込む場所。
つまり、地上からの直通ルートなのだ。
そのルートで警報が作動した。
それがどんな危険性を持つか、グリムは理解していなかった。
否、しようとしなかった。
それが、グリムと美奈子の違い。
―――グリムは、この時の軽はずみな決断を、後に死ぬほど後悔することになる。
「それより、“あの連中”は?」
「第四層リンク・ポイント前にすでに待機中」
「―――よろしい」
グリムは頷いた。
「さぁ。私に楯突いた代償を、その血肉で支払いなさい」
「……」
「……」
「……」
第四層から第五層に通じるリンク・ポイントのある部屋。
そこは広間になっていた。
少なくとも、地図ではそうだ。
所が―――
「あのぉ」
悠菜が思わず言わずにいられなかったのは、そこが広間とは思えなかったからだ。
雑多な家具が壁一面に持ち込まれ、毛足の長い絨毯が敷かれた床には、脱ぎ散らかされた洋服と酒瓶、雑誌、お菓子の袋が散乱して、足の踏み場もない。
総じて、感覚的には、元々の広間の半分もない。
しかも、その真ん中には、クイーンサイズのベッドが4つ並んでいて、それぞれに誰かがひっくり返ってくつろいでいた。
冗談抜きで、迷宮にあるべき空間ではなかった。
「こちらは?」
悠菜の困惑した声に気づいたのか、ベッドの上でひっくり返って雑誌を読んでいた少女が起きあがった。
「あら?やっとご到着ですの?」
「遅くなりまして……」
「もうっ。待ちくたびれましたわよ?」
雑誌を顔からどけたその顔は、セージュには忘れようのない顔だった。
「シェリスさんっ!」
「ふふっ。セージュ、ご無沙汰ですわね」
それは、嫣然と微笑む魔族の娘―――シェリス達だった。
「―――っ!」
義父の敵を前に、身構えるセージュだが、
「……どなた?」
綾乃のその真顔の一言は、シェリスどころかセージュまでを凍り付かせた。
「―――本気で言ってるのですか?」
「ああ―――その引きつった顔で思い出しました」
「何よりです―――前回、あの時は、とんだ頂き物、感謝してもしきれないほどで」
「わざわざお礼に?」
「ええ―――たっぷりと」
「金銭以外の受け取りは謝絶いたしますわ?」
「宝石でも?」
「鑑定書付きでしたらよろこんで♪」
「私達が、何の対策も考えずにノコノコ出てきたというのですか?」
「違うのですか?」
「―――っ。……ホホッ。お姫様は相変わらず辛辣ですコト♪」
「真実を口に出しただけですが」
「―――トコトン、ケンカを売っていらっしゃるのね?」
「当然です」
綾乃は眉一つ動かさずに言った。
「あなたにはいろいろと恨みが」
「学友である私が、昔を思い出していただこうと、せっかく」
シェリスは残念そうに言った。
「当時の姫様のお部屋を、このように再現して差し上げましたのに」
「こ、これが―――」
「お付きの女中達がいなくなった寮の部屋はこんなものだったじゃないですか。―――少し、というか、まだまだ汚したりない気はしますけど」
あきれかえった悠菜とセージュの視線が突き刺さる中、綾乃は怒鳴った。
「こんなに汚くないですっ!」
「あら?脱ぎ散らかした服が雪崩を起こして、そこにまる一日埋まっていたのはどなたでしたか?」
「か……過去の汚点を!」
「ほら。本当のことだった♪」
シェリスはしてやったり。という顔で微笑んだ。
「シェリス……」
しぇぇぇぇりぃぃぃぃすぅぅぅぅ
この方が正しい発音で相手を呼んだ綾乃の顔は、今や牙を剥き、角を生やし、髪を逆立てるという、常軌を逸した恐怖によって染まっていた。
普通なら、顔を見ただけで即死は免れない。
いや、般若や夜叉と一緒に「怖い顔」コンテストでも開こうものなら、得票率100%で優勝できるだろう。
「ホホッ。姫様ったらスゴい顔―――そこの方、そうは思いません?」
「えっ?」
シェリスの視線の先にいるのはルシフェルだ。
そのルシフェルが、とっさに悠菜を楯にして逃れたのも無理はない。
「ず、ずるい!」
「そう思いません?」
「……えっと」
聞いて欲しくない。
顔にそう書いてある悠菜は、恐る恐る綾乃の顔を見ようとして、即座に顔を背けた。
「―――ふふっ。ほぉら。スゴい顔ですわ♪」
勝ち誇ったシェリスの声を受け、綾乃は無言で悠菜の顔を両手で鷲掴みにした。
ガジッ!
……メリメリメリ
「痛い痛いっ!」
綾乃の爪が頬にめり込む中、悠菜は悲鳴を上げた。
何とか顔を背けようとするが、綾乃の、悠菜の首の骨をねじ曲げんばかりの腕力がそれを阻止してしまう。
「私―――怖くないですよね?」
「こ……」
メリメリメリ
悠菜の顔を掴む力が格段に上がった。
悠菜は、自分の頭蓋骨が悲鳴を上げるのを確かに聞いた。
「ゴワグナイデズ……」
「―――よろしい」
綾乃は、冷たく悠菜を突き飛ばすと、シェリスに向き直った。
「とにかく」
綾乃は剣を抜き払った。
「あなたには、この場で立ち会っていただきます」
「―――姫様と?」
余裕の表情を浮かべるシェリスの口元が残虐に歪んだ。
「仇討ちです」
シェリスの眉が、わずかばかり動いた。
「ガールフ男爵殺害は、シェリス、あなたの仕業と断定されています」
「―――それで?」
「ガールフ男爵が養女、セージュ・フローラ・フォン・ガールフが義父の仇を討たせていただきます」
セージュが、サイズの柄を握りしめながら、シェリスを睨む。
「なお、この仇討ちに関し、私ことティアナ・ロイズール・トランシヴェールと、ユーリ・ラスフォルテ、ルシフェル・ナナリ・ミナセの三名が助太刀となります」
綾乃はシェリス達を睥睨するように一瞥した後、
「そちらも4名。これで正々堂々戦えます―――尋常に勝負!」
「ぷっ」
綾乃の口上を聞き終えたシェリスは、途端に吹き出した。
「なっ、何がおかしいというのですか!」
綾乃は激高して怒鳴った。
「あなた、どこまで礼儀をわきまえないのです!」
「だ……だって」
腹を押さえながら笑い続けるシェリスは、苦しい息の下で言った。
「仇討ちって、姫様、本当に意味わかってます?」
「?」
「助太刀が仇を殺せば、仇討ちは無効。そうですよね?」
「……」
その意味がわかった綾乃は肩を振るわせた。
「セージュにあなたが討てるはずがないと!?」
「その通り」
シェリスは鼻で笑った。
「そのドン亀ちゃんが私を殺す?出来るもんですか」
その目は本気。
「!!」
一瞥されただけでセージュはすくみ上がった。
「ふふっ?セージュ?言ってご覧なさい?」
セージュに語りかけるシェリスの甘く淫靡な声色が、綾乃の神経に障った。
そして、驚愕の言葉が、シェリスの口からこぼれた。
「あなたの純潔は誰に捧げたか」
「!!」
綾乃の目が見開かれ、呆然とした表情で、泣き崩れるのを必死に堪えるセージュを見つめた。
「よってたかって私達に嬲られ、歓喜していたのが誰か」
弱者を嬲ることに快楽を見いだす者の目でシェリスは続ける。
「泣いてここに」
シェリスは自分の下腹部を面白そうに叩いた。
「“オモチャ”を入れてください。っておねだりしたのは誰か」
「シェリス……」
「私を“ご主人様”って呼んで、私の靴を舐めたのは誰?」
「……やめなさい」
綾乃の声は完全に殺気立っていた。
かつて、シェリスとセージュの間に何があったか言われなくてもわかる。
いわゆる“いじめ”という名の虐待。
しかも、相当な性的虐待が繰り広げられていたことは、言葉の端端から明白だ。
「校内を裸で引き回されることに悦びを見いだしていたのは誰?」
「やめなさいと言った!」
ドンッ!
綾乃の一撃が、部屋を構成していたあらゆる家具を吹き飛ばした。
「ふふっ……その格好、最愛のお姫様の奴隷になっちゃった?ご主人様のお許しもなく」
防御魔法でその一撃を凌いだシェリスは、まだセージュを言葉で嬲ることを止めない。
「シェリスッ!」
綾乃の制止さえ、全く耳には届いていない。
「あなたは私の奴隷―――ううん?」
シェリスはあのムチを抜きはなった。
「あなたは私のオモチャなんだから」
「シェリスっ!この子は―――!」
「ふふん?没落貴族同士、傷を舐め合ってあげただけ。あなたはその体で男爵の情婦になったつもりでしょうけど」
シェリスの周囲から忍び笑いが響く。
「どう?あんなジジイに抱かれた感想は。―――女同士よりよかったかしら?萎びたナニをどうやって元気にしていたか、そのテクは聞かせて欲しいものですわ?」
「義父さまは……」
セージュは震える声で、何とか義父の名誉を守ろうと声を上げた。
「義父様はそんな方ではありません!」
「へぇ?」
「義父様は、私に親切にして下さいました」
没落貴族の娘として、何とか通わせてもらった学校。
そこで受けた虐待。
唯一の救いが、ティアナという存在。
ただそれだけだった。
だが、その存在が卒業によって消えた。
そして、仕送りをしてくれた母が死に、孤児となったセージュは生徒としての資格まで失った。
ティアナの援助はあったが、セージュは退学した。
学費の問題だけではない。
ティアナがいなくなってからエスカレートしたシェリス達の虐待から逃げるために。
「学校を辞めて、働いていた私を娘として可愛がって下さったんです!養女にまでして下さったんです!」
セージュは涙をためながら怒鳴った。
「優しい方だったんです!それを―――どうして!」
「……あんたって、ホントにバカ」
ペッ
シェリスは唾を吐いた。
「どうしたらそこまでバカになれるのかしら?いい?その足りないオツムにもわかるようにハナしてあげる。
―――何故殺した?
決まってるでしょう?
私達の金儲けを邪魔するんだもの。
いわば罰を私達は下した!
それだけよ!
命なんてね、この世界じゃ一番値引きが効く、一番価値のないものなんだから」
「そんな理不尽なこと……」
「あーっ!もうメンドくさいっ!」
シェリスはイライラした様子で吐き捨てた。
「よーするに、あんたは私を殺しに来た!なら、私が返り討ちにすればいい!それだけでしょう?―――メンドくさいのって大っ嫌いなの!大体、何で私がアンタと倫理について討論しなきゃなんないワケ!?それこそふざけてるわ!」
「……そ、それでも」
「はいはい」
パンパン
広場にそんな音が響く。
先程の攻撃で吹き飛ばされたと思ったベッドが一つだけ残っていた。
そして、その上には未だ一人、寝転がって本を読んでいた。
「全く」
手を叩きながら起きあがったのは、どう見てもまだ12歳位の、小さな女の子だ。
あどけない顔立ちはしているが……。
「子供じゃないんですから、もっとオトナの議論をなさい」
「そ……それは」
シェリスは背筋を正した。
「シェリスさん?感情が先走っては長生きできませんよ?」
「猛省いたしますわ」
「よろしい」
少女は、ベッドから降りると、シェリス達と綾乃達の間に割って入った。
「魔界・天界双方で定められた仇討ちならば、それらしく振る舞いなさい」
もとより、綾乃達に異存はない。
父殺しの仇を討つというセージュにこそ大義はある。
その大義を果たすことに何の躊躇もいらないのだから。
しかし―――
そろ〜〜〜っ。
何故かその場から逃げ出そうとする者がいた。
悠菜だ。
「……」
女の子は、悠菜が逃げ出そうとするのを認めると、右手を振り上げ、振り下ろした。
「!?」
それだけで、何故か悠菜は後ろに引き倒された。
見る者が見ればわかる。
悠菜の襟首には釣り針が引っかかっていた。
「ユーリ?」
女の子は、釣り針のついた糸を引きながら、厳しい声で言った。
「それともユーナかしら?」
「ゆ、悠菜です」
「そう?」
ニコリと笑う女の子は、一気に糸を引き、悠菜は宙を舞った。
ドスンッ!
……ズルズルズル
女の子の前まで引き出された悠菜はそれでも逃げようとする。
その後頭部を、
ゲンッ!
女の子は情けのカケラもなく踏みつけた。
「あいさつもなしとは―――私、そんな教育を施した覚えなんてありませんよ?」
教育?
綾乃はその言葉に引っかかった。
否。
初対面のはずなのに、この女の子を、自分は確かに知っていた。
「この不届きなバカ弟子」
「あっ!」
綾乃はそれでようやく、女の子が誰か思い当たった。
「あ、あなた!」
女の子は、驚く綾乃を無視して、悠菜を抱きかかえると、そのズボンをパンツごとずり降ろした。
「お知り合い?」
事情がと言葉がわからず、ただ躊躇するだけのルシフェルに、綾乃は無言で何かを手渡した。
金のイヤリングだ。
青い宝石がちりばめられており、デザインと細工は見事の一言に尽きる。
「翻訳装置です」
「最初から渡して」
「高いんですよ?」
悪くないな。
そう思いながら、ルシフェルはイヤリングを耳につけた。
途端、ルシフェルは悠菜と女の子やりとりの意味がわかった。
イヤリングをつけるまで、意味不明だった言葉が、すべて英語で伝わってくる。
ベッチン!
ベッチン!
悠菜の悲鳴
悠菜のお尻が叩かれる音。
女の子の罵声。
肝心なのは、女の子の罵声だ。
信じられない。
ルシフェルはそうとしか思うことが出来ない。
何故?
簡単だ。
どう考えても相手は悠菜より圧倒的に年下。
それが―――
「な、何の冗談?」
ルシフェルは綾乃に訊ねずにはいられない。
「無理もないですが」
綾乃は悠菜達から視線を外さずに答えた。
「彼女を、人間の年相応に見るのは、少なくとも天界では絶対的タブーです」
「天界?」
「あの人は神族ですよ」
「神族が、魔族と!?」
「あの方は元天帝近衛軍……確か大将にして、魔導教官です」
「魔法の先生?」
「そうです―――“天界の人形”の育成が一段落した後に、人間界から離脱。長期休暇中とか」
「よく、わかんないけど」
「私もわかりません」
綾乃も困った顔をした。
「気まぐれな所がおありの方だと聞いてはいましたが」
ベッチン!
ベッチン!
「ごめんなさい!イツミさん!痛いですぅ!」
「お師匠様!」
ベッチンッ!
「ごめんなさい!お師匠様ぁ!」
「折角育ててあげたのに!不始末ばっかりで!私の顔にどれだけ泥を塗れば気が済むの!?」
イツミ・トーア・アマテル
現役の天帝近衛軍大将。
天界侯爵令夫人。
そして―――
水瀬と悠菜の魔法の師匠が、すっかり赤くなった弟子のお尻を容赦なく叩く音が、広場に響き渡っていた。
……まぁ、イツミの元ネタはライトノベル好きな方にはいわずともわかる……かな。
外見と名前の一部を借りました。
オリジナルはもっとマトモ系のはずです。
つーか、続編希望っ!