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遠き山に陽は落ちて

作者: あまなす

曲がり角の先の夕陽が住宅の窓に燃える

その角を曲がれば簡単に顔をあわせられるのに

それをしない私に夕陽はたぶん怒っている


暑い日を彩っていた朝顔が茶色にしおれ

夏の面影が感じられない

その色褪せた朝顔でさえも

夕陽はオレンジに染め上げる


曲がり角の手前のフェンスの内側で

オレンジの光をさけるように

高校生くらいの男の子と女の子

ふたりの向き合っている姿を

まだいくらか葉の残る木々の向こうに見つける


もじもじしている男の子は片方の手を頭に

女の子はすこしうつむきかげんで

照れかくしと恥ずかしさと


人が人と付き合う瞬間を

離れてしばし見守る


ややあってふたりは互いの手をとり

オレンジの光のなかへと消えてしまう


遠き山に陽は落ちて


私が歩んでこなかったふたりの姿

この先どうやっても私には叶えられないその姿

胸がちょっぴり苦しくなって

たまらず曲がり角を先へと急ぐ






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― 新着の感想 ―
苦い、苦い気持ちが沸々と伝わってくるかのようでした。オレンジの情景が二人の初々しいカップルをさらに引き立てて、それに俯くしかない自分を幻視しました。
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