怪物の噂
暗く狭い路地裏。
壁には血や争った形跡が残されており、地面には得体のしれない液体が溢れている。
そんな場所でガラの悪い男達が、学生らしき少女を連れて歩いてくる。
壁に向かって投げつけたあとに、ある噂についての話を始めた。
「ふ〜っ...と、そういえばお前ら、怪物っての知ってっか?」
男はニヤリと笑いながら周りの男達に話す。
「怪物?あぁ...噂か」
腕を組んだ男はニヤリ顔の男の方を向く。
目撃者が誰一人としていない殺人。
その殺人を行う者は【怪物】と呼ばれる。
被害者は一般の女子供老人は例外ではなく。
犯罪者も含め制限はない。
しかし、女や子供に乱暴をした形跡はなく。
どの被害者も頭蓋骨を何らかの刃物で貫通させられて即死している。
言わば、暗殺のプロ。
「くたばった人間は明かされてるかぎりでも100は超えてるぜ?」
「..それがなんだ、俺らはもっと殺してるし犯してるだろ」
ポケットの中から注射針を出し中に液体を注ぎながら答える。
「推定100人の殺人、未だ性別不明、証拠も目撃者もいない、政府の全力を持ってしても特定不可」
「政府は俺達も捕まえれない無能だろ」
「特定するだけなら政府に勝てる奴等なんていねぇよ、血液1滴、髪の毛1本、そんだけで特定できる奴等なんだぜ、指紋だって読み取れるしな」
「ほ〜..団体か単独かどっちなんやろな」
煙草を加え火をつける。
そして注射針を帽子を被った男に投げつける。
「おもしれーだろ!」
「話だけならつまらん、ほれ、バット」
「お、サンキュ〜」
男達は先ほど誘拐してきた少女に目を移す。
「腕と脚..先に折ってからにしろよ、抵抗されると面倒だからよ..」
「わかってるっての〜」
片方の男はバットを手に持ち少女に近寄る。
片方の男はズボンのベルトを外しながら少女に近寄って行く。
少女は自分がこれから何をされるのかを理解したが、すでに手遅れだった。