ありきたりすぎるエピソード1
「行ってきまーす。」
いつもと変わらない日々。
そんな感じで僕は今高校生として初めて学校へ登校する。
僕の名前は古川旺太。身長168㎝、体重60キロ、好きなことはゲーム、読書、ユーチューブ等々。
特に代わり映えのない普通の高校一年生だ。
「これで僕もとうとう高校生か、思えばあっという間だったなあ。」
今まで僕は特に何かの中心として活躍したこともないし、友達もそれほどいない、ましてや恋人なんてこれから先、生きているうちにできるかどうかさえ不安だ。
そんな僕もついには高校生、今までとは違い、思いっきり青春を謳歌するぞ。
そんな風に高校生活の目標を掲げていると、
「あれ、その制服うちの学校の生徒?」
と、声をかけてきたのは色白のとても可憐でおしとやかな綺麗な黒髪の女性だった。
「はい、そうですが。」
なんだこれ、良くあるここから恋に発展する系の展開か。
僕は心を躍らせながら彼女の質問に返答した。
「やっぱり、私は三年の降宮優香。よろしくね。一応この学校では生徒会長を務めているわ。」
へえ生徒会長か、知的な人とのラブコメも悪くない。と、そんな感じで勝手な妄想を繰り広げながら彼女と優雅な(僕にとっては)ひと時を過ごしていた。僕の青春はここから始まるのか。
そう思っていた矢先。
「おーい優香。」
「あ、和君。」
「ん、和君?」
そう振り返ると背の高い少し茶髪のとても整っている顔立ちの男性が近づいてきた。
「ん、優香この子だれ?」
この子?まるで僕が子供みたいに。でも確かにその男性の背丈は軽く180を超えていた。
「あ、和君この子は古川旺太君。今日から私たちと同じ高校に入ることになった新一年生。」
「あ、どうも」
「どうも」
「あのね、古川君彼は私の幼馴染であり、彼氏の島和太君。」
え、か、か、彼氏。さっきまでの僕の妄想は?おい、おい、え、ちょ、え、いまだに状況がはっきりしないが、一つ言えることは僕のさっきまでの妄想はただの自意識過剰のアホな陰キャ思考に過ぎなかったということか。は、恥ずかしい。
「へー。あ、そうなんですね。」
僕は顔を少し赤らめて言った。
「そうなの、でも彼いつも教科書は忘れるわ、居眠りはするわ、でも昼休みだけはしっかりと起きている。そんな頼りにならない男なんだけどね、でも性格は本当に良い人だからそこに惚れちゃったのかな。」
「頼りなくねえだろーが。」
クッソこのいちゃらぶカップルめ聞いていないことまでずらずらの言いやがってリア充よ爆発しろ。
ハ、いかんいかん困難では青春を謳歌できん、ここはなるべく余裕のそぶりを見せなければ。
でも、どうしようはじめっからこんな感じじゃ青春なんて謳歌できるものか。
少し変な終わり方だが、僕の青春ラブコメ(?)ストーリーはここから始まったのだ。
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