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異世界転生・転移の文芸・SF・その他関係

子供の成長を祝う日に、この世界の本当の姿を伝えていく

作者: よぎそーと

「え?」

 目にしたものへの正直な感想が口から漏れた。

 それは彼だけではなく、他の子供達も同じだった。

「え、え、え?」

「なに、え、あれ?」

「は?」

 そんな声が耳に入る。



 それもそうだろう。

 子供の成長を祝うお参り。

 いわゆる七五三にあたるものに参加するために、神殿にやってきた。

 その中でお祓いやお祈りやらをした後の事。

「それでは、君たちには本当の事を知ってもらいます」

 神官がそんなわけの分からない事を言った直後だった。

 子供達は見知らぬ場所に転移した。



 そこは、床以外の全てがガラス張りだった。

 その向こうには巨大な球体が、視界の左半分を占めている。

 その右側は夜のように暗い空と、無数に瞬く星が。

「嘘だろ……」

 思わず呟く。



 そう呟く少年には、目の前の光景に見覚えがあった。

 といっても、直接自分の目で確かめたわけではない。

 テレビや動画、そしてSF映画などで見た事があるだけだ。

 生まれ育ったこの世界ではなく、記憶の中にある前世で。



 少年である転生者には前世の記憶があった。

 いつ頃からそれを意識したのかは定かでは無い。

 だが、何となく「前に比べて違うな」と思うことはあった。

 何と比べての事なのかは最初分からなかったが。

 だんだんと記憶を思い出すようになって、自分が生まれ変わったと思うようになった。



 そこはいわゆるファンタジー世界だと思っていた。

 そう思えるものを見聞きしてきたからだ。

 たとえば、飲むだけである程度の怪我や病気がなおる薬。

 その効果の強さはアニメや漫画、ゲームでみたポーションのようだった。



 また、村長の家には遠くの者達と会話が出来る水晶がおかれていた。

 村に一つしか無いそれを通して、村長や大人は様々な会話をしていた。



 また、割と村自体が豊かだった。

 前世に比べれば不便は多い。

 電化製品などがほぼ見えないから当然だ。

 なのだが、食いぶちに困る事は無い。

 この手の世界なら当たり前の子供の労働もほぼない。

 学校に通うだけの余裕がある。

 手伝いはどうしても求められるが。



 極めつけは、時折見る事があった魔術や超能力だ。

 薬を使わず、手をかざすだけで擦り傷を治したり。

 マッチやライターを使わずに火を点けたり。

 そうしてる人をたまに見る事があった。

「まあ、道具を使う方が楽だけどね」

 消耗が激しいらしいので、あえて使うものでもないらしい。

 おかげで目にする機会はあまりない。

 しかし、前世になかったものだ。



 こういったものを見てきたので、ここがファンタジー世界だと転生者は思っていた。

 だが、その考えが思い切り崩されていく。

 目にしてるものが、ここをファンタジー世界とするのを否定していた。



 前世の記憶に従うなら、今自分がいる場所も想像が出来る。

 衛星軌道に浮かぶ宇宙ステーション。

 そういった場所から外を見てるのだと思った。

 そうでもなければ、理解しがたい光景だ。



「驚いたかな」

 一緒にやってきた神官が尋ねてくる。

「ここは宇宙────言うなれば空の上だ」

 その言葉を聞いて、転生者はやはりと思った。

 ここはとてつもなく科学が発展した世界なのだと。



 そこから神官の説明が始まった。

 この世界は科学文明が発展し、既に母星以外の星々にも人は進出している。

 転生者が生まれた星は、そのうちの一つだという。

 ただ、自然環境での生活を望んだ者達が住んでるので、あえて機械などを使わずに過ごしてるのだという。

 その為、一見して機械文明が隆盛する前の生活をしている。

 地球でいうところの、産業革命前といったところだ。



 とはいえ、完全に文明を否定してるわけではない。

 村に設置してある通信機器(水晶のように見えるもの)のように、科学文明の産物も設置している。

 天気や気候を調節し、可能な限り温暖な状態を星全体で管理している。

 農作物の収穫もこれでかなり安定してる。

 農業そのものも、積み重ねてきた知識や学問を用いて、かなりの収穫量を確保している。



 絶大な効果を発揮する薬品などもその一つだ。

 これらも科学の産物である

 これらのおかげで怪我や病気を瞬時になおす事ができる。



 更に魔術や超能力。

 これも人間の能力を増幅して発生させている。

 その為の器具を用いて、人間の細胞そのものを活性化させて効果を発揮している。



 他にも、魔術や超能力と思えるような効果を発揮する器具もある。

 これらを使えば人間の能力を使わなくても、超常的な効果を使う事ができる。

 それこそ、空に浮かんだり、稲妻を飛ばしたりといった事もできる。

 もっとも、強力なものは兵器になるので、市販される事はまずないが。



 そして、神殿は衛星軌道にある宇宙ステーションへの転移施設だという。

 星に非常事態が起こった場合の緊急避難のための設備でもあるという。

 通常、宇宙と地表を行き来するだけなら、専用の飛行機を使うという。

 一度に運搬できる人や荷物はそちらの方が多いとの事。

 それでも転移装置を使ったのは、子供達を驚かせるため。

 いわゆるドッキリ企画みたいなものだという。

 ショックを与えて、今までの常識が通じない事を伝えるためでもあるとか。



 これが転生者の生まれた世界だった。

 ファンタジーに見えて、実は科学文明が極度に発達した世界だった。



「幼児期を終えた子供達にはこの事を説明するようにしている。

 今後の人生を考えるためにもな」

 その時期がだいたい7歳くらい。

 将来の夢などを語り始める時期だ。

 だからもっと広い世界を知らせておく事にしているという。

 これより遅いと軌道修正が難しくなる。

 さりとて、これより早いと理解が追いつかない事もあるからだ。



 その後も説明が続く。

 今後も基本的には星の上で生活する事。

 だが、学習内容などは本来の世界に合わせたものになる。

 極力文明を使わないこの星に合わせたものではない。

 外に世界に合わせた知識を得ておかないと、外の世界に対応できなくなってしまう。

 それは避けねばならない。



 この星で極力文明を排除して生きてるのは、そういう意思のある者だけだ。

 あくまで、自然に近い形の生活を望んだ者達が自分の意思で行っている。

 子供達にまで強制するものではない。

 この先どういう生き方をするかは、一人一人が決めること。

 たとえ親でもそこを強制する事はできない。



 また、今後は外の世界を見学する機会も増える。

 外の様子を少しでも知っておくためだ。

 たんに知識としてではなく、実際にその場に出向いて体験する事になる。

 でなければ、星の外に出ても適応出来なくなる可能性が高い。

 そうならないように大人達も配慮している。

 この星にしかなじめない人間になって欲しくはないのだ。



 その話を聞いて、転生者は興味をもった。

 外がどうなってるのか。

 地球以上に発達してるこの文明がどうなってるのか。

 それを知りたいと思った。



「なんにせよ、これから色々学ばなければならない。

 みんな、がんばるんだぞ」

 神官は説明をそう締めくくった。

 子供達は元気よく返事をする。

 転生者も力強く声をあげた。



 少しばかり残念だったのは、この世界では前世知識によるチートが行えない事。

 持ち越した前世の知識など、ここでは全く使えない。

 無駄に等しい。

 おかげで成り上がりなどは期待出来ない。



 だが、空の向こうにどんな世界がひろがってるのかは興味があった。

 前世の地球が到達出来なかった領域。

 それがどんなものなのかを知りたかった。



 もちろん、すぐに行けるわけではない。

 頭の中身はともかく、体は児童だ。

 簡単に出かけられるわけがない。

 家の近所で遊び回るのとは違うのだ。



 ある程度の年齢になるまで星の外にでる事はできない。

 それまでは学校で勉強となる。

 これにはうんざりするが、仕方ないと諦める。



 幸い、修学期間は短い。

 前世でいうところの小学校まで、12歳までが就学期間になる。

 この世界で生きていくなら、学習期間はこれくらいで良いという。

 必要な知識や技術は人工知能から得ることが出来る。

 その為の通信機器も簡単に手に入る。



 とはいえ、そういった補助が受けられない場合もある。

 特に転生者が生まれた星は、自力で生きていく事が求められる。

 そのため必要な最低限の知識を身につけるために学校に通う事になる。

 それが終われば自由に外にでられる。



「それまでは我慢か」

 ため息が漏れるが、こればかりはしょうがない。

 その時に向けて出来ることをしていくしかない。



 だが、楽しみが出来た。

 学校を卒業すれば外にでられる。

 外にある世界がどんなものなのか。

 今から楽しみだった。

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あと、異世界転生・異世界転移のランキングはこちら

知らない人もいるかも知れないので↓


https://yomou.syosetu.com/rank/isekaitop/

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