パリの大気汚染
エッセイ。テーマは「公害」。
私はパリに半世紀近く住んでいるが、数年前からますます大気の汚染が増しているように思われる。いつものことながら、パリの冬は曇り空が多く鬱陶しい毎日なのだが、時々、晴れ間をみせて快晴となる。そうすると、パリジャン・パリジェンヌは、皆、近くのヴァンセンヌやブーローニュの森などに出掛けて散策を楽しんだりする風景を私は数多く目にした。
この数日前も、朝は靄が掛かり、雲は垂れ下がって、なんとも言えない臭い(異臭)がパリを覆った。先ず、考えられるのがガソリン車の排気ガスである。次に、ディーゼル車であるが、特殊な粒子を排出するので知られていて、PM・NOxと呼ばれる物質だ。大気汚染の大きな原因となっている。又、PMはガンの発症に大いに関係していると言われている。他に、大気汚染の原因として挙げられるのが「暖炉や薪ストーブなどの暖房器具」(PMを放出、煤煙を含む)である。これらは年々、利用者が少なくなっているが、毎年の大気汚染による死亡者数を鑑みて早急に対策を施したほうがいいだろう。
ところで、パリには電気を主要エネルギーとする7つの大きな発着駅、地下鉄、路面電車がある。又、自転車をレンタル(Vélib’)できるようになっている。このような交通手段は排気ガスを放出しないので、将来、電気自動車、及び、ハイブリッド車と共に需要が増すことは疑いの余地もない。余談だが、自転車の逆走、あるいは、信号無視に気を付ける必要がある。自転車の漕ぎ方を知らない、マナーがなってないというパリジャン・パリジェンヌのためにパリ市長は自転車教習所の設置を今から構想しておいたらどうだろうか?!
2024年には、パリではディーゼル車が走行を禁止される。しかし、ガソリン車は2030年までとなった(当初はディーゼル車と同時期に禁止される予定だったが、延期)。それまでに大気に放出される有毒物質や排気ガスが人体に与える影響は看過できないので、以後の進展をチェックできるシステムの構築が必要とされるであろう。
尚、最近、「重曹」(仏語:Bicarbonate de soude、又は、Bicarbonate de sodium)というのが、ガンの予防に非常に役立つと聞く。手頃な値段、その上、無害ということで、摂取は至極簡単。ただ毎日、少量飲むだけである(一日の多量の摂取は厳禁)。試されてはいかがであろうか。
エトワール凱旋門から望んだラ・デファンス地区