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プロローグ



「なんだ、髪も瞳も真っ暗ではないか!約束と違うぞ。」

「いきなり失礼ね!私の世界ではこれが当たり前なの!」

「なんだと?…それじゃ意味がないじゃないか。新世界人でもダメなのか。ならもういい。」

「もういいって…私はもう帰れるの?」

「ほれ、誰かそこの娘を城の外に捨ててこい。白い髪と赤い瞳じゃないとダメなのだ。」

「え、ちょ、待って!捨てるって?!私、家に帰してよ!!!」





*


むかしむかし、ある王国に可愛いお姫様がいました。真っ白な髪の毛に赤い瞳、まるで雪兎のように愛らしいそのお姫様を国中の皆が愛していました。皆口を揃えてこう言いました。


「そのお姫様の愛らしさの前では竜であろうと一瞬で恋に落ちるだろう。」


この世のあらゆる宝を集めると言われる竜もお姫様の美しさを目の当たりにした瞬間、恋に落ちるに違いない。やがてその噂は国中の者なら知らない者は誰もいないほどになりました。そう、眠っていた竜の耳にも入ってしまうほどでした。


王都の近くにある大きな山の地下に眠っていた竜は暇つぶしにお姫様に会いに行ってはそのまま恋に落ちました。毎日のようにお姫様に会いに行る竜に王様は怖くて怖くてたまらない毎日を過ごしていました。王様が心配で顔を曇らせていると旅の魔法使いが現れては王様に尋ねました。


「どうしてそんなに暗いお顔をされているのですか。」

「このままだったら姫が竜の地下に連れて行かれてしまう。」

「我が君、ご安心ください。竜に代わりの娘を捧げてお姫様を諦めてもらえばいいのです。」

「それはとてもいい考えだな。姫はとても珍しい髪と瞳をしているのだ。急いで国中を探さなければ。」

「残念ですがこの世にお姫様のような髪と瞳を持っている娘はいません。だからこの世じゃない新しい世界から呼んでくるしか無いのです。」

「そのようなことができるのか。なら早速準備だ!」


莫大なお金をかけて新しい世界から娘を呼ぶ準備をした王と魔法使い。そしてやっと新世界から娘を召喚することに成功しました。


ですが、あれ?

残念ながら新世界の人は黒い髪に黒い瞳をしていました。魔法使いを信じてお金も時間も使った王様は大怒り。新世界の娘と魔法使いを城の外に追い出してしまいました。


ついにお姫様を竜に奪われてしまった王様。深い悲しみに暮れていたその時、お姫様の噂を聞いた隣の国の勇者が王の前に現れてはこう言います。


「姫を助ける代わりに姫と結婚させて下さい。」

「竜に奪われ永遠に会えなくなるくらいなら大歓迎だ!」


その冒険者は竜の地下に入り、数日後見事に竜を倒してはお姫様を助け出しました。そしてお姫様と勇者は結婚し幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。





*


「お姫様は助かったんだ。良かった。」

「お父様、追い出された新世界の女の子と魔法使いはどうなったんですか?」


ろうそくがか細く揺れる部屋の中に二つのベット、二人の子供を寝かせている男がその真ん中に椅子を置いて座っていた。片手に持った物語の本をポンと閉じては女の子の方を見つめる。


「おや、その二人が気になるのかい?」

「だって可哀想だもん。いきなり知らない世界に連れてこられて捨てられたんだから。」

「そうだね。それはまた明日の夜に話してあげよう。今日はもうおやすみ。」


ろうそくにふぅと息をかけるとすぐさま暗くなったお部屋から男が出て行く。扉を閉めてテーブルの上に持っていた本を置くと懐かしそうな目でその本を見下ろしながらゆっくりと表紙を撫でる。


「新世界か…帰してあげたかったな。何がなんでも必ず帰してあげるからね。例え、今回の生ではダメでも次の生で、また次の生でも方法を見つけ出すから。」


男は自分に言い聞かせるように呟きながら青い瞳の端にかかる涙を拭っていた。

Hello! 日本語の勉強も兼ねて書いてみました。

ちゃんと異世界転移小説です。

よろしくお願いします。

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