3頭 現代知識は異世界で役に立つの?
前回のあらすじ
団藤 椿くんは、男の娘の様な見た目の中性的な人間、勘違いから殺されて
気が付けば赤毛な長髪美少女の生首に成っていた
オーガに殺されかけてる、幸の薄そうなダニエラを助けてペットになった、椿はダニエラと一緒にお風呂に入り
夕飯を作ってご馳走してから
就寝!
「ギャッ!?」 痛ーい! 何!? 寝起きドッキリ?
「おはよ……ツバキ……私、捕まった……」 ダニーさん? あれ? どうして二人の男の人に腕を拘束されて取り押さえられてるの?
「ダニーさん! どうしたの?」 誰かな? この人……なんとなく、お巡りさんみたいだけど……
「遺体が喋った!?」 むぅ〜落語家の大喜利番組に出る紫色の人みたいな事言われた……誰か座布団全部持って行って?
「アンデッドモンスターか!? 何のモンスターだ!?」 ……ペナンガランかなぁ? でも飛べないしなぁ……
「ボクは椿だよ〜よろしくね!」
うーん……とりあえず友好的に放してくれる様に説得してみようかな?
「ツバキ!? 何を言ってるんだ!! おい!! お前!! この喋る首はなんだ!? 惚けるも無駄だ!! 言え!!」
ダニーさんに聞いても知らないと思うよ?
「解らない……ツバキはツバキだから……」 うん、そうだね
「白々いぞ!! 俺達は、衛兵だぞ!? なめるな!!」
やっぱり、お巡りさんみたいな感じがすると思ったよ〜ダニーさん……どうやって助けようかな……
「ダニーさんを放さないと、衛兵さん、君達の肉親に、ボクの身体が、おみまいしてくぞぉ」 ちょっと、ふざけてみようかな?
「止めろ! 家族に何をする気だ!?」「選べよ、相方か? それとも君の家か? どっちだい? 行くよ、身体は
……タライの血が凝固しないうちに……
どーも奥さん〜知ってるでしょぉぉう?
首無し妖精で〜ございます……
おい血浴びねぇかぁ〜」
「ヒィッ!! デュラハンの頭かコイツ!?」
「子供たちもおいでぇ〜……
血を浴びせるぞぉぅ〜……
辛いかーい? ボクの飼い主はもっと辛い誤認逮捕を〜君のお父さんに、味あわされてるんだぉぅ……
残さず浴びてよ〜」
「首無し馬に跨がったツバキの身体が……衛兵の玄関で……?」
「そうだね〜」
「衛兵の家内が……身代わりに……?」 後でダニーさんの誤解を解かなきゃね
「そうだよ〜嫁も浴びろよ〜
……そしてそれが終わったら、身体は、もう片方の家にいくんだ〜
……お母さん〜……
知ってるでしょぉう? 首無しで〜ございます……血浴びねぇかぁ……」
「か……解放するから……や……止めてくれ!!」 やったぁ!! 本当に、どんな知識が身を助けるか解らないね♪
「行こう……ツバキ……」
「はーい♪」 ダニーさんの頭に乗ってね
「ねぇ、ダニーさん? ボクが言ったアレ冗談だからね? 身体とか行方不明なんだよ?」
「そう……まぁ……ツバキは無害そうだから……」 無害そう、つまり無害じゃない……まぁ確かに、体を操ったり、人を驚かせたりするからね
「何処行くの〜?」
「ギルド……魔物使いをサブ職業にするの……魔物使いが使役する以外の魔物は淘汰される……」 恐いね
「ボク何のモンスターなの?」 ボクにもわからない
「解らない……でも、リスト式じゃ無くて良かった……」 あー……この中から選べとか言われても、困るよね〜
「また、捕まったりしないよね? ボク生首だし……」 しかも衛兵さんを驚かせちゃったし……
「何とかなる…………多分……」 うーん……不安だなぁ
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼ 総合ギルド
「サブ職業に魔物使いを追加しに来た……」
「アッハイ……承りますね、それでモンスターはもういらっしゃるのでしょうか?
もしいらっしゃらないのでしたら、こちら……犬並みに知能の高いスライムゼリー、ヴァンパイアバット等がお安く〜」「ん……」 ん……っていきなり出したら驚くよ?
「hi! ボクはツバキだよ〜よろしくね♪」 まずは軽く挨拶♪ これ大事〜!
「お客様! お客様!!
死体の持ち込みは、困ります!! アッー!!!
お客様!! 困ります!! アッー!!
困ります!! アッー!!!! 困ります!
お客様!!
困ります!! アッー!!! アッーお客様!!」
「生きてるよ〜? どっこい生きてるよ〜?」 大丈夫かな〜? ボクの安全性を頭を割って話そう! 頭割ったら中からアテナが誕生! ってそれはゼウスか〜♪
「何なんですか!? この……生首!!」 そりゃそうだよね
「howdy! 椿だよ〜♪ えっへへ〜♪」
「あ……でも意外に可愛いですね……何処で捕まえたんですか?」 別個体は探しても居ないと思うよ? 野生の色違いクビツバキとか居たら、ボクがびっくりだよ? 【あっ やせいの クビツバキが とびだしてきた!】 とか洒落にならないよ?
「仲間と森で……仕事でオーガの討伐中に……」 そういえば人は死ぬと、森に行って木になるって話があるけど……ボクって植物なの? タンコロリンなの? どっちかって言えば……古椿の霊?
「なるほど……前日のオーガ討伐クエストの……って成功したなら! 完了の報告をですね……」 ボクがイレギュラーで報告出来なかったんだね……
「報告は、ジェラルディーンがする手筈……」 忘れてただけかぁ……でもジェリーさん1度死んでたし、大目に見てあげて欲しいなって……
「またジェラルディーンさん、報告忘れたんですか……はぁ……」 うーん常習犯だなぁ……庇護しょうがないよ〜
「ジェラルディーンが、毎度すみません……」「すいませーん!! オーガ討伐完了の報告に来ました〜ってダニエラ!! ってツバキ連れ込んだら不味いって! 何やってるの!?」 ジェリーさん今更報告に参上?
「ジェリー遅すぎ……また報告忘れて……」
「ち……違うって覚えてたって!
唯……ベッドってモンスターの魔法で眠気の状態異常に陥ってしまったんだけど
長期戦で淘汰して……その次は食欲ってモンスターを討伐してたから……」 ダメ人間!
「ジェリーさんってスケジュール管理が必要だね〜」
「そう思う……ジェラルディーン……後でお仕置きするから……」 うーん……庇うのはジェリーさんの為にならないよね?
「な……生首!! 助け……」 そんなチワワみたいな目で見ないでよ……
「でも……ジェリーさんの為にならないから……助けられないよ? ごめんね……?」
「そんなー!!」
「それで報酬額は……?」
「申し訳ありません……お客様……それがその……他の方が同じクエストに出掛けて倒されてた首無しの死体を……
「おっ? 戦わず倒れてた! ラッキーって思って報告に来ました〜!」
と別の方が参りまして……報酬はその報告したお客様に……どうかご了承ください!! 申し訳ございません!! 申し訳ございません!! 申し訳ございません!!」
「ちょっと! どういう事なの!? 私達が討伐に出た同じクエストに後から出た奴に!
倒してもないオーガの討伐報酬を何で払ったの!? 謝って済むなら衛兵は要らないんだけどーぉ!?」
棚に上げるってこういう事言うんだね……
でも案外正反対の仲間ってお互いに補えるから、仲良しなら良いコンビだけどね
「解ったから……そんなに頭をぶつける程謝らないで……
ジェリーも自分の事を反省して……受け付けの人をばかり責めないで……」 優しいね〜♪ ダニーさんは〜……ダニーさんで良かっよ〜!
「ダニーさん優しいから、ボク、ダニーさんに拾われて良かったよ〜♪」 照れて思わず、にへら〜って顔に、なっちゃってそうだね……
ボクったら肝心な時に照れちゃうの、死んでも治らないんだね……
「良いですね〜その頭、私も欲しいですよ〜癒されますね〜」
受付嬢さんもにへら〜って顔に成ってるよ
「ダメ……私の……」
「自分で見つけますから大丈夫ですよ? この仕事ストレス溜まるんですよ〜
そういえば……前にその頭らしい生物の話をしてた人居ましたね……聞き流してたので今まで忘れてましたよ〜」 え? ボクが何か解るの?
「……ツバキはツバキ……どんな存在でも変わらない……」
照れちゃうね〜えへへ♪
「私、それすっごく知りたいんだけど」
「えっと……確か……のんびり……とか……ゆったり
とかそんな名前でしたけど……ええと……」 あっ……これ駄目だぁ……完全にアレだぁ〜
「あのさ……ボクがその生物じゃないのは確かだよ? 似てるけど……」 明らかに同じ国の人がいる情報が入って来たぞぉ〜でも否定しないと、アンコが入ってると思われて虐待されちゃう……
「知ってるんですか? その生物の事を」 知ってるも何も、ボクがこの姿に成った時に頭を過ったのが……ねぇ?
「知ってるけどね〜ボクは違うよ〜」
「ところで……サブ職業を……」 おっと……
「アッハイ!! もう済ませてあります」 有能だね〜
「それじゃあ……クエストを……」 クエストか〜何が有るのかな?
「はい! それでは彼方のクエストボードか……えっと……こちらの高額料金の【オークの集落から宝を奪還クエスト】や【洞窟に巣くいし、貴重鉱石を守る宝の持ち腐れヴイーヴル討伐又は生け捕りクエスト】等がありますが危険ですね」 ヴイーヴルさんって確かフランスの、女の子のワイバーンさんかドラゴンさんの事だよね?
これは勘だけど多分ヴイーヴルさんは、悪くないんじゃないかなぁ?
強欲な人がヴイーヴルさんを狙う話も要は盗賊や泥棒と変わらないもんね?
北欧神話の英雄シグルスさんだっけ?
その人が、グラムって剣でファフニールさんって名前のドラゴンさんを倒したのは、兄弟と共謀して、父親を殺して、共謀相手を裏切って追い出したから、それで依頼されたシグルスさんが退治したって話だけど……ヴイーヴルさんは偶々その洞窟に住んでただけだと思うなぁ……要は地上げだよね?
「オークは数が多そう……ヴ「オークの集落でお願いします!」 ごめんね……ダニーさん……魔法も使えるらしいって意味でもヴイーヴルさんは避けたいの
……ボクはこういう選択時の勘には絶対逆らわない事にしてるんだ〜
「えっ? ……ツバキ?」
「ごめんね? ダニーさん……ヴイーヴルさんは受けたく無いの……ワガママを許して……」 基本的にダニーさんには柔順で在りたいけどさ、ボクって勘には従順なの……
「ツバキが言うなら……何かあるかも知れないし……オークで良い……」「わーい♪ ありがとー! ダニーさん大好きー♪」
「ダメだってダニエラ!! ペットの生首を甘やかしたら!!」 思わぬ伏兵さんだ〜
「ジェリーは黙ってて……」
「ダニーさん〜えへへ〜♪ ボク嬉しいよ〜♪」 ダニーさんに撫でられると嬉しくなっちゃうね〜♪
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オークの集落
「ここが〜オークさんのハウスね〜?」 すごいや……お偉いさんっぽいお家の所に宝物がいっぱいだぁ……奪還って事は略奪したのかな?
「良い? ダニエラ!
私が何時もの様に剣を持って突撃するから! 驚いてる内に、奇襲! GO!」 脳筋戦法!? 驚いた……今まで良く生きてたね〜
不思議だよ〜
「解った……」
んん? 解ったじゃないよおぅ〜ダニーさーん? 戦法が原始的だなぁ……
「ねぇ? あのさ……作戦とか無いの?」 囲んで棒で叩くみたいなシンプルなのじゃないヤツね
「有るに決まってるじゃないの! 私が突撃、隙を見てダニエラが突撃!
1体ならくらいなら楽勝なのに、ツバキがオークが良いって
我が儘言ったから此処に来たの!」 うーん……ゴブリンさんくらいにしか
通用しない戦法だぁ〜アハハハ
「ダニーさん? あのね
こんな戦法続けてたら、命が幾つ有っても足りないよ? 戦術練らないと、ムキムキさんの時みたいな状況が、何度も起きるよ?」
本気だよ? 流石にこれは何とかするべき、問題だよ?
「どうすれば良い……?」
でも具体的にどうしようかな……言い出しっぺだもんね……ボク
「まずね、近接二人って構成がね、不利だね〜もし、オークさんが弓使って来たら
一方的に射られる痛さと怖さを教えられちゃうよ?
だからね、そうだね……例えば、……陽動作戦だよ、とりあえず集団を一ヶ所にまとめて
一網打尽とかさ〜簡単な作戦なら、お家を燃やして〜混乱に乗じて倒すとか」 ちょっと可哀想だけど、ダニーさんが生き延びる為だからね、ついでにジェリーさんも
「残酷な生首ね……ダニエラ? 大丈夫なの?」
「ツバキは優しいから……」 唯一まともなのはダニーさんだけかぁ〜
「あのさ、これからね? 倒そうとする相手ってさ?抵抗するんだよ?
それなのにさ? 相手に見付かったら、こっちよりも
残酷な方法で殺されて、惨たらしい死に顔を晒しちゃうよ? ボクそんな、ひどい目に遭うダニーさん見たくないよ〜あっジェリーさんもね」 ……ボクがオークさんの身体乗っ取るか、食べるかした方が早そうだけどね
「もねって
どういう事なの!?」
「ジェリー……気付かれる、静かに聞いて……ツバキが
凄く最もな事言ってる……」 ありがとダニーさん
「うん、君たちには
ボクがついてるからね? それを活かしてね……先ずは……ジェリーさんがオークさん達を引き付けて、罠まで誘導して、身動きが取れない所を
仕留める作戦をしたいから、落とし穴は時間が
かかるけど、実際有用なんだよね〜
例えば大きい相手を倒すのに、この場合はボクを埋められる程の穴を掘って
合図でボクが飛び出して、オークさんを飲み込んで動きを止めるから、オークさんの首を切ってね?
それでボクがオークさんの身体を乗っ取って加勢するから」 まるで幼稚園の先生に成った気分だよ、それか親だね
「手短に!」 ジェリーさん……難しく考えられない人かぁ……前途多難だね
「あ〜……手順そのいち〜指定の位置に誘う!
手順そのに〜ダニーさんが、ボクが潜んでる所にオークさんが来たら合図!
手順そのさん〜ボクが飛び出して攪乱!
そのよん〜オークさんの首を1体で良いから切断!
後は石ころでも投げて牽制して怯ませたりして斬るでも良いから、野となれ山となれ作戦〜
ね、簡単でしょ? 事前準備の無い早急に考えた作戦だけど、まだマシでしょ?」 幸運にも限界が有ったりするからね〜
「解った……やろう……ツバキの作戦……」 うん、ダニーさん素直で大好き
「まどろっこしい! 突貫よ!! ヤアアアア!!」 ゲームとかの日本兵かソ連兵の人みたいな
やり方は少数でやるべきじゃないよ?
「今度は魔法使いや弓使い雇った方が良いよ? ダニーさん……」
「雇っても直ぐ辞める……」 そうだよね、普通辞めるよね
「吶喊!!!! ウオアアアウ!!」
『『ヴアアアア!!!! 人間だァ!!』バカだぜコイツ!』
オークさん達に気付かれたよもう……FPSならnoobって言われる愚行だね、粘着されても知らないよ?
「作戦変更だよ? ダニーさんはボクを抱えて、オークさんが接近したら、頭を目掛けて
ボクを投げて?」
もうこれしか無いね、名付けて【新しい顔よー!!】大作戦! もうね、頭が痛いよ……うん
全身が痛いね
「解った……」
『いたぞおぉぉぉ!! 人間のオン……ナ……ちょっとこっち来ないで……いや、マジで
うん、来ないで?
ホントマジないわー……生首って! 流石にドン引きだってマジ〜』
流石に生首持ってる、幸の薄そうな人が来たらこうなるよね〜って
……ジェリーさんの影響でオークさんの感性がマトモに見えるよ〜
「……何かおかしい……?」
うん! 確かにね? うん、ボク生首だし? 女の子が女の子の生首持ってるとかね?
マトモじゃないね!
これは確か〜に衛兵さんも捕らえるよね、おかしいよね!
『いや、解れよ!? それ! 生首ィ!!
え? 何!? どういう事? え? 此処に来る前に〜? 斬ってから来ちゃったの!? お前マジあた……お前マジで頭大丈夫かよ〜!?』
オークさんが動揺してる……当然だね
「ツバキは大丈夫……可愛いから……」
うん、ダニーさん? ね? うん、そういう事じゃないの〜
ね? オークさんは、頭を持ってる人の! 頭の事をね? 言ってるの〜
『オメエだよ!! ホントマジ何なんだよ〜!
コイツはよ〜!!
誰か代わってくれー!!
係わりたく無いって〜!
こんな奴に!!』
だろうね〜パッと見た感じね〜
さて、そろそろね?
「ブーッ!!」
お水をね? 吹き掛けてね? 可哀想だけど仕方ないんだよね
『な……何しやがる!!』
「ツバキ……この水は?」
「ダニーさんに飲ませてもらった
お水だよ〜」
『この生首!! 生きてやがったか!!』
うん! 勿論生きてるよ?
「うん、生きてるよ〜? 確かにボクは生首だけど、生きてる首だからね?
オークさん、ボクは頭だから君の言ってる事は一理あるけど、それでも、君はダニーさんに対して悪く言い過ぎたんだ〜」
飼い主に酷く当たると犬さんは怒って、報復するんだよ? ボクは犬さんじゃないけどね? 犬さんなら……へッドドッグ?
head dogって犬さんの頭? そういえば犬神様って呪いの話で、犬さんの胴体を埋めて首だけ……この話は止めよう……ボクの精神が持たないや
「ツバキ……優しい……」
『嘗めやがって!! てめえら纏めて惨たらしい死に顔にしてやる!!』
「えっと……一応謝って置くけど……オークさん、お水掛けちゃってごめんね?」
『あ!? まあ、俺もな〜死体を持ち歩く人間だと思って強く言い過ぎたからな、水掛けた事をな? 謝った生首は許してやるよ……』
アレ? オークさん案外良いモンスター?
『とでも言うと思ったかああああ!? 許すわきゃねえだろおおおお!!!!
生首はよおおお!! 歯を全部抜いてやるぜオイ!!』
歯を抜いてって……リョナラーかな? 生首のリョナって需要あるの?
「ボクの歯を抜いて痛め付けてもさ? あまり楽しめたりしないと思うよ?」
『へっ! 噛まれないようにする為に歯を全部抜くんだよ!!』
「ボク、噛まないよ?」
そのまま此方に歩いて来て……いいぞ。
「ダニーさん〜えへへ〜♪ 投げて〜♪」
「解った……」
ヘッドを相手のヘッドにシューーート!! 超エキサイティング!!
『あ!? 何の真似だ!?』
ナ……ナイスキャッチ……
「あ……新しい顔……だよ?」
『このやろう!』
「ん……ふゃぁ……あ……痛い……痛いよ……ふぇぇ……」
アイアンクローって凄く痛いんだね
『なんだこの生首よぉ〜意外に可愛いじゃねえかよ〜!?
オイ!! 村で飼ってやるよ! オラァ!!』
「殴らないで……乱暴しないで……」
「ツバキを放して……」
『てめえが投げたんだろ!! 投擲武器によぉ!!』
「私がツバキの代わりになるから……」
それは不味いよ? ダニーさん?
「ニシシ〜♪ 油断大敵だよ? オークさん?」
『な!? 何だ!? 髪の毛が!?』
「キャッチされるのも想定済みだよ? ダニーさん♪ オークさんの動きを封じたよ〜! えへへ♪」
まあ、ボクって転生トラックに跳ねられたからね、これ以上の痛みだからね? 【いのちだいじに】だよ? ところで、ボクを刺した人、逮捕されてさ? どうなったんだろうね?
有能弁護士が無罪にしたり?
又は実刑?
「ツバキ……ごめんね……」
『や……止め……止めろおおお!!』
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
「ヤッホー!! オークさんの身体を乗っ取ったツバキさんだよ!!」
こうね? 長い髪の毛でね? オークさんの剣と棍棒を持ってね?
他のオークさんの身体に乗り換えてからね?
髪とオークさんの腕でね? 剣と棍棒の四刀流だよ!
「ツバキ凄い……」
「くっ……殺せ! いっそ殺せ!! 止めて!! 何なの!? 何でいたぶって来るの!?」
武器取り上げられて痛め付けられてるよ? ジェリーさんって
もしかして……かませ犬?
「も〜……仕方ないにゃぁ〜」
『お? お前も殴るか?
ってお前人間みたいな顔してるな! ゲハハハ〜アンバランス過ぎるだろ〜お前よ〜顔が!
びしょ……ブフゥ!! プグッ!! 美少女て!
ゲハハハ!! 傑作!! ヤベエ!! 豚バラ!! 豚バラ痛い!!』
確かにクソコラ画像みたいな違和感が有るのは認めるね
『は? お前何笑っ……ブホッ!! グフフヒヒハホヒヘ〜ヒィィィン!! ブゴァ!! フゴッ』
『おい、お前ら敵が攻めて来てるのにふざけ……てる……場合……じゃ……ゴホ!! ウェホ!! うへへへへ〜!!』
ちょっとサービスで踊ってみようかな?
『アヒィ!! 止め……ブホッ!! 腹が!! めっちゃ……揺れて……ブフゥ!!』
『アハハハ!! お前、敵ながら最高!!』
『いい加減にしろ!! 貴様ら!!』
え? オークさんの王様?
『この首切り生首め!! 好き放題暴れやがって!! 誰の差し金だ!?
おいそこの女! お前飼い主だよな!? 何でこういう事するんだよ?』
「お宝奪還クエスト……だから……」
『奪還クエスト!? この宝は我等の物だぞ!?』
え? そうなの!? 強奪クエストだったかぁ……ボク達、完全に強盗じゃないか……
「違う……それは奪われた物……」
『うるせえ!! 全世界全ての財は王たる俺様の物だ!! 貴様の物は我等の物!
そして! 我等オーク達の物は命で在ろうと、この俺様! オークキングの物だ!! 俺様の物を奪って只で済むと思うな!!』
ガキ大将みたいな事言ってるけど、ちょっとだけ格好いいね
「でも悪いのは君だろぅ〜?
強欲な王様はね? 身を滅ぼすんだよ?」
『黙れ!! 強欲は大王の特権だ!!』
「そっかそっか〜つまり君は、悪いのは王様に盾突く奴らが悪いって言うんだね?」
『そうだ! 全ての頂点が我々であり!
全ての起源も我々オーク族に有るのだ!! 我々は奪っているのでは無い!!』
「取り返してるって事?」
『そうだ!! 奪われた物を奪還しているのは我々だ!!
我等オーク族は当初! 原初のオーク創世神により、生み出され!!
幸せに暮らして居た!
富!! 文明!! 食物!! 等をオーク神に与えられ、感謝を捧げながらな!! だが我々は人間やドラゴン!
エルフに至る者共に全てを奪われたのだ!! 我等はそれを取り戻しているのだ!! ……ハアハア……解ったか?』
わからん! さっぱり、わからん!
もう いうこと ムチャクチャね!
「そのオーク神話の真偽は、おいといてね? それで奪ってたんじゃキリがないよ?」
『真偽だと!? 神話と真実は創るモノだ!! 俺様が御告げを受けたのだ!! 酒を人間共から取り返し! しこたま呑んで寝たときにな!!』
「うわぁ……このオークキングさん頭が……悪かったよぉ〜」
頭ミサイル射出ーー!!
『グワァ!! な……何だ!? 俺様の身体が!? 貴様!! 返せ!!』
「いいけどね? ボクが身体から離れたら、君の頭ね? 死ぬよ?」
『え……何だと? 死ぬのか? 俺様……?』
「離れようか? 離れちゃおうかな?」
『止めろおおお!!』
「えへへ〜♪ オークさん達ーー君達は自由だよ〜! 行きたい所に行きなよ〜!」
椿の現代知識は趣味やら、好きなテレビ番組がバレバレな、言動だけれども、動画サイトで見ただけのネタや見てないアニメのネタを喋ることも有るので、定かではない