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あるバーのマスターの話  作者: 刹那玻璃
マスターの章
23/66

『Get Wild』

 今日のマスターは何故か『バレンタインデー』と言うのが凄まじいなぁと思ったのだった。


 節分が終わり、少し趣向を変えた曲をと思い、選んだのはTMN(TM NETWORK)のアルバムである。

 色々なアニメや映画などに曲を提供されており、今でもファンが多い。


 すると、二人の女性がやって来た。


「いらっしゃいませ」

「こんばんは」

「どうぞ」


 バーには一つだけテーブルがある。

 そちらに着いたお客は余りなく最近は、相棒を手当てしたはるか位である。


 二人は席につく。


「だからね?まゆちゃん、頑張って告白しようかと思って‼今までは黙っていたけど、頑張る‼化粧も頑張って、服も選んで‼」

「やめときなよ。みさちゃんは今のままが本心で可愛いし、そのままがいいんだって‼あいつの言葉に惑わされない‼ほっときなさい‼」

「えっ?だって……和也かずやくんは沢山チョコレート貰う筈だし……。もし駄目なら諦める。迷惑だと思うし……」


 まゆと言うのは、バッチリメイクの女性。

 みさと言うのがシンプルメイクと言うか、時間も時間で落ちていると言った印象の女性である。

 しかし顔立ちが童顔な所は、二人とも大学生らしい。


「迷惑どころか‼どうせ、あいつは絶対昔からもてると思い上がってるんだから、来るもの拒まず取っちゃ食いしてるわよ。あのくず、女の敵‼」

「そんなこと言うから、喧嘩するんでしょ?幼馴染みなんだし悪口言わないの。それに好きだったんでしょ?」

「ヤーメーテ‼もうすでに抹消した過去よ‼それに比べて弟の方は、出来が良い上に医学生よ‼あぁ、ヤダヤダ‼弟くんの方がイケメンな上に、優しいわよ」


 両手で耳を押さえ嫌そうな顔になると、はっと思い出したように、


「じゃぁ、私はそっちゲット‼チャレンジするわ‼」

「駄目でしょ。医大だよ?大変でしょ?」

「それより、みさちゃんはどうするのよ?」

「だ、だから……和也くんに玉砕覚悟で……」

「そんな悲惨な顔でやるなら、酒でも飲ませてでも、うんって言わせれば良いのよ‼私が……」


 こそこそと話すみさに、テーブル席からカウンター席にいたマスターにはしっかり聞こえていた。

 口を挟むのを諦めたマスターは二つのカクテルを作り、席に近づいた。


「お待たせいたしました。どうぞ」

「あ、すみません‼話に夢中で……」

「あ、すみません‼」

「いいえ。今日のカクテルはお客様に……」


 テーブルに乗せる。

 みさはカクテルグラスとマスターを見る。


「このお酒は?」


 マスターは天井を指す。


「ご存じではないかもしれませんが、この曲はある漫画が原作のアニメの主題歌なんですよ」

「そう言えば、お父さんが言ってたなぁ……聞いたことがあります」


 まゆはアニメの名前を告げる。


「よくご存じですね。で、このカクテルは『ハンター』と言います」

「……エェェ‼」


 二人は顔を見合わせる。

と、まゆが、


「ほら‼マスターが応援しているわよ‼みさちゃん。頑張れ‼」

「う、うん!バレンタインデーに告白する‼ありがとうございます‼」


二人は、手に取ったのだった。

《ハンター(Hunter)》


ウィスキーをベースとする、ショートドリンクカクテル。

正式名称は、ハンター・カクテル。

しかし、通常、ハンターと省略する。




標準的なレシピ


ウィスキー : チェリー・ブランデー = 3:1




作り方

ウィスキー、チェリー・ブランデーを、ミキシング・グラスでステアして、カクテル・グラス(容量75〜90ml程度)に注げば完成である。


備考


2種の酒の比率


カクテルでは、飲む人の好みに合わせて味やアルコール度数の調整するため、材料の比率を変えることがある。

このハンターも例外ではなく、ウィスキーとチェリー・ブランデーの比率が変更される。

ハンターの場合、甘味成分が含まれているのがチェリー・ブランデーであり、ウィスキーの比率を多くすると辛口、チェリー・ブランデーの比率を多くすると甘口。


ハンターの場合、比較的有名なレシピが大きく分けて2つあり、比較的辛口のレシピをと、比較的甘口のレシピがある。


比較的辛口のレシピは、ウィスキー : チェリー・ブランデー = 3:1

比較的甘口のレシピは、ウィスキー : チェリー・ブランデー = 2:1

の2通り、場合によっては、

ウィスキー : チェリー・ブランデー = 1:1


程度まで比率を変えることもある。


その他


ミキシング・グラスでステアして作る方法以外に、シェーカーでシェークして作る場合もある。

ハンターのベースとなる酒はウィスキーだが、ウィスキーの種類が、ライ・ウィスキーと指定される時もある。




『Get Wild』


TMNETWORK時代の曲で、アニメ『シティーハンター』の主題歌のひとつ。

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