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男の料理番組

続々・男の料理番組

作者:

 とあるTV局の某スタジオ、ライトで照らされているセットのキッチンの前で、若い女性が微笑んでいた。

「皆さんこんにちは。一文字岩鉄先生のクッキングエルボーの時間です」

 カメラが若い女性に近づき、アップを撮る。

「今日も岩鉄先生に男の料理を紹介してもらいましょう。先生の登場です!」

「せりゃあ!」

 気合の入った声がする方向にカメラを向けると、二メートル近い長身、角刈りの頭に鉢巻、大きな傷のある厳しい顔、筋肉の鎧のような肉体を黒い胴着に身を包んだ男が立っていた。

「うりゃあ!」

 男は再び気合の入った声をあげるとキッチンに全力で駆け寄りそのまますっころんでシンクにぶつかってお互い変形。いい感じで床に倒れこんだその上から業務用コンロと水をたっぷりとたたえた寸胴鍋が落下。気合の入った音をたてた。

 若い女性はめちゃくちゃになったセットで床に転がる血だるまの男に近づきしゃがみこんだ。

「先生、今日の料理は何ですか?」

 ゆっくりと顔を上げた男が力強い声でこたえた。

「うむ……今日の料理は肉を使う」

「体を形作るのにタンパク質は大事ですね。それでは本日のメニューです」

「…………」

 返事がないことに違和感を覚えた若い女性が振り向くと、男は指で「なべ」という血文字を描いたままうつぶせになっていた。


「それではまた来週」

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