第98話
「ん…」
僕は目が覚める
既に窓からは朝日が差し込んでいた
朝か…
僕はある事に気が付く
「あれ…ナナちゃん?」
一緒に寝ていたはずのナナちゃんの姿がベッドにない
下かな?
ートン、トン、トン…ー
寝起きの僕は階段をゆっくり降り1階へと向かう
「あっちーー!!」
!!!?
き…キッチンからナナちゃんの叫び声が…!
キッチンを覗くと…
ジューッ…!ー
フライパンで何かを作ってるみたいだ
「あっちぃ…!アチッ!アチチチチッ!な…なんでこんなに油ハネるのよ!」
「ちょ…な…ナナちゃん?何やってんの?」
「あ…おはよレンジ…目玉焼き作ってんのよ♪」
「目玉焼きって…ちょ…油ひき過ぎだって!なみなみ過ぎるよ!」
「え?」
ーグツグツグツグツ!!ー
フライバンのコンロの隣を見ると鍋が吹きこぼれそうな勢いだ
「え…これは?」
「あ…味噌汁…」
「お味噌入れ過ぎだし、強火で煮立て過ぎだって!!しょっぱくなっちゃうよ!?」
「え!?マジ?」
ーカチッ…ー
僕は慌てて火を止める
「……ごめんなさい」
ナナちゃんがペコリと頭を下げる
「いや…良いんだけどさ…一体どうしたの?」
「だってさ…昨日から私…レンジの彼女じゃん?ご飯くらい作ってあげたくてさ…」
人差し指をちょんちょんとするナナちゃん
ちょっと可愛い♪
「いや…いきなりは無理だよ…いつも通り一緒に作ろ?」
「…うん…」
ーピロリ♪ピロリ♪ー
「あ、ご飯炊けた」
「あ…僕がよそるよ…」
ーパカー
炊飯器を開ける
「………」
「れ…レンジ?」
「お粥だね…」
「ええーーー!?」
どうやら水の配分を間違えたらしい
そして、食卓には油まみれの目玉焼き
お味噌を入れ過ぎて煮立ち過ぎたお味噌汁
そしてお粥
「ゴメン!!」
「い、いや…僕も最初はこんなもんだったよ…やってるうちに上達するからさ…ね?」
「うん…」
「あら…お味噌汁の匂い…」
エリさんがリビングに…
!!
「ちょっと!!なんつー格好で登場してんのよ!!」
「ん?これ?ネグリジェよ…知らないの?」
「スケスケじゃないのよ!!ブラとパンツまで!!」
「別に良いじゃない?んーーー!!久々にリラックスして寝れたわーーー♪…ん?何これ」
エリさんがナナちゃんの作った食事を見る
「私、風邪ひいてないわよ?お粥とかあるけど」
「……」
沈黙のナナちゃん
「と…とにかく食べましょ!ね?」
僕は皆に食べる様に促す
「ズズズズ…味噌汁しょっぺ!!」
渋い顔をするエリさん
こんなリアクションをするお姉さんは初めて見るな
「ま…まぁ、お粥もあるし…ね?ナナちゃん」
「う…うん…」
「レンジ君、お醤油あるかしら?」
「あ…目玉焼きにですよね?…どうぞ」
僕は醤油を渡す
「え…目玉焼きにはソースじゃないの?」
ナナちゃんが不思議そうにする
「ナナは日本人の心が分かってないわね」
いや…個人の好みだと思うんだけどなぁ…
そして、とりあえず朝食が終わる
「エリさん…さすがに着替えてよ…女の私まで恥ずかしいわよ…」
「はいはい…まぁ私は出るから…後はよろしく」
「どこに?」
「同僚に会いによ…ナナ達はどーするの?」
「いや…まだ決まってないけど…」
「ふーん…今日はお休みだしねぇ…お・や・す・みだしねぇ…ニヤニヤ♪」
ニタニタ笑うエリさん
「な…何よ?」
「あ、レンジ君、ちゃんと避妊はしなさいね?」
「早く行ってよう!!もう!!恥ずかしいなー!」
「はいはい…じゃね♪ホホホ♪」
エリさんがリビングを出る
「ま…まぁさ…とにかく僕をその…死神に覚醒させなきゃダメなんでしょ?」
「うん…そうだけど…方法が分かんないのよ?」
確かに方法が全く分からない
「うーん…ショック療法とか…?頭をぶつけるとか」
「アンタ自分でイヤじゃないの?」
「うん、イヤ」
「でしょ?」
しばらく2人で考える
だけど、何も思いつかない
「…あのさ、ナナちゃん」
「んぁ?何?」
「良かったらさ…デートしない?」
「え…?」
「イヤかな?」
僕の問いに首を横にブンブンと振るナナちゃん
「い…イヤじゃないけど…レンジを覚醒させないと…」
「だって考えても分かんないもん…どっか言って気分転換しようよ?」
僕の提案にしばらく考えるナナちゃん
「そうよね……それもいっか…♪」
「でしょ?ね!決まり!」
「うん!!着替えてくる!!」
ナナちゃんは小走りで2階に上がる…




