第9話
「だ、大体…あれはノブが半分持ってきたんだよ…」
僕はスケベな品物に関して説明するが
「じゃあ半分はアンタが購入してんじゃないのよ!!」
「うぅ…!」
しまった…墓穴を掘った…
「まーまーナナちゃん!男の子ってのは溜まったら吐き出さなきゃいけないんだから仕方ないじゃないの!」
マコ姉ぇがナナちゃんをなだめてくれるけど
「まぁ…マコちゃんがそう言うなら…でも、1つ質問!」
ナナちゃんは僕がしまった本を取り出す
「これ、買ったのはアンタ?」
「え…あ…いや…」
ナナちゃんは…貧乳学園を僕の前に突き出す
うぅ…!ナナちゃんは…胸無いし…変態だと思われたのかな…
「いや…えーと…」
「正直に答えなさいよ…そうしたら許してあげるから!」
仕方無しに白状する
「…じ…自分で…買った…」
なんで尋問を受けてるんだ…部屋を荒らされたの僕なのに…
僕が正直に答えるとナナちゃんは何故か若干穏やかになる
「そうか…アンタが買ったんだ………まぁ…許す」
な…何で許してくれるのかな…
「許すけど…変態ね!」
「フフフ♪」
何がおかしいんだマコ姉ぇは…
「つーかさ、やけに帰ってくるの早かったじゃん?」
「うん…図書館が臨時で休館でさ…」
そう、ノブと一緒に図書館に向かったんだけど今日は図書館は休館だったんだ
だから結局各々で探す事にしたんだ
「そか…じゃ、約束通り買い物行くわよ!変態レンジ!」
「う…うん…マコ姉ぇも来る?」
というか、マコ姉ぇも来て欲しい…まだナナちゃん機嫌悪いし…
「行くー!ナナちゃんと久しぶりだしね〜!」
良かった…
マコ姉ぇも参加して、3人でショッピングに向かう事に
「ナナちゃん、この色の方が良いって!」
ショッピングモールで洋服を見る女子2人
「そうね…こっちの方が色合いを合わせるのが楽そうだし…」
ナナちゃんはドサドサと服をカゴに入れまくる
「ね、ねぇナナちゃん…選ぶのは良いんだけど…お金…あるの?」
「あーお金は生き返る時に支度金として使える特別なカードもらったから大丈夫よ!」
支度金…そんな制度があるのか…
そして、服や雑貨を買った僕らは両手に荷物がたくさんだ
「さて…次は…」
「まだ買うの!?」
「ブラとパンツ買ってないでしょ〜♪」
そうか…下着か…
そして、僕らはデパートの下着売り場に到着する
「フン〜♪フーン♪」
マコちゃんとナナちゃんは楽しそうに下着を見てる
対する僕は女の子が身に付けるブラジャーやパンツに囲まれて非常に居心地が悪い…
「あ…あの…僕は別の場所に…」
「ダメよ」
即答でNOを出すナナちゃん
「アンタにも意見聞きたいしねぇ…大体、あんな本見るくらいなんだから実際嬉しいんでしょ〜♪」
むぅ…まだ言うか…
「ま、それは良いとして…これなんか似合うかしら?」
ナナちゃんが取り出したのは薄い紫のパンツ…
柄も綺麗で…こう…大人な下着だ
ナナちゃんは下着を腰に当ててみたりしる
…絶対似合わないよな…
だけど…
「アンタ顔で分かるわ…似合ってないなら口で言いなさいよ…」
ナナちゃんが下着を元に戻す
表情で悟られちゃった…気をつけないと…
「アンタはどれが似合うと思うの?」
「いや…自分が好きなの選べば…」
「いーの!!答えなさいよ!」
何でなんだ…
僕はとっさに、子供の下着売り場に目が向かってしまった
「アンタ…あれジュニア用じゃないのよ…私にアニメのキャラクターのプリント入ったパンツはけっての?」
「いや…あははは…」
実際似合うと思う…けど、そんな事口に出して絶対に言えない…
「あ…あ…!こ、このブルーなんか良いんじゃない?」
僕は適当にそばにあったブルーの下着を指差す
「ふーん…まあ普通ね…アンタブルー好きなの?」
「へ?いや、えっと…」
「まあ良いわ〜♪」
ブルーの下着をカゴに入れるナナちゃん
「さて…大体必要な物は揃えたし…とりあえず帰る?」
ナナちゃんが帰宅を僕に促してくる
「うん…荷物も結構あるしね」
早く帰りたい…荷物が大量過ぎて指と腕が痛いよ…
僕らはショッピングモールを歩き、帰ろうとする
「あー!レンジ君に…先輩じゃないですかー!」
声を掛けてきたのは部長…
また面倒な事にならなきゃ良いけど…
「あら!マナミじゃない!元気してたかしら?」
「はい!もちろん!先輩は高校でも相変わらずですか!?」
マコ姉ぇと部長が楽しそうに再会を喜ぶ
部長はマコ姉ぇの事を尊敬してるし、マコ姉ぇは部長の事を可愛がってる
どうもこう…キャラかぶるんだよな…この2人…
「どう?レンジ君は真面目に部活をやってるかしら?」
「えぇ!2年の中でも、1番しっかりしてますよ!まぁ…私の襟元から見えるブラをチラチラ見るイヤラシイ部分もありますけど」
なんで余計な事を喋るんだ部長は…
「んま!イヤラシイわね!」
マコ姉ぇもまた余計な事を口に出す
「大体、レンジ君は私とナナちゃんでシコシコヌいてるしねぇ!」
「ま!先輩でハァハァ!ドピドピしてる訳ですね!」
「あ、あの…やめてくださいよ2人共…人の往来があるのに…」
オバさんみたいに下ネタを喋る2人を制止する僕
「ちょっと…レンジ…アンタ覗きもしてんの?」
ナナちゃんが僕を睨みつけてくる
「いや…それは…」
「あら?」
部長がナナちゃんの存在に気付く
「あら…可愛らしいわ…レンジ君の妹?」
ナナちゃんの背格好や容姿を見れば、確かにそう思ってしまうかもしれない…
「い、いも!?…妹じゃない…わよ…」
明らかに不機嫌になるナナちゃん
「いや…これはですね…」
僕は部長に説明をする
「へぇ…幼馴染…レンジ君にこんな可愛い幼馴染がいるなんて初耳ねぇ…」
「まぁ…はい…」
「でも…ウチの生徒じゃないわよね?」
う…そうだよな…今まで死んでいたわけだし…
というか、生徒の顔まで把握してるのか部長は…
「えーと…しばらく遠い所に行ってたんです…で、戻ってきたんです!」
うん…間違いではないよな!…うん!
「…じゃあウチに転校するのね?」
「あ、はい…夏休み明けに…そうだよね?ナナちゃん」
僕はナナちゃんに確認する
「うん…そうだけど…」
「そっか…!ようこそウチの学校に!私は生徒会長をしてる前田マナミって言うの…よろしくね?」
部長はナナちゃんに握手を求める
「あ…はい…よろしくお願い…します…」
2人は握手を交わす
「で…早速なんだけどナナは部活、どうするの?」
「部活?」
……まさか…まさか部長…!
「いや…決めてないし…ていうか…まだ学校行ってないし」
「そうよねぇ…まぁウチの学校には朗読部ってのがあるんだけど…どうかしら?」
「ろ…ろーどく?」
「ちなみに私は朗読部の部長でもあるのよ」
やっぱり…
部長はナナちゃんにまくし立てる様に説明を、そして勧誘する
「ナナは見た目もすっごい可愛いし、声も可愛らしいわ!ぜひウチに入らない?」
「え…どうしようかなあ…」
当然ながらナナちゃんは迷う
すると部長は僕をひっ捕まえて耳打ちする
「レンジ君も誘いなさいよ!幼馴染なんでしょ!?」
「いや…入るのは本人の意思ですし…」
「あなた何言ってんの!?部員獲得のチャンスじゃない!」
部長は小声で僕をまくし立てる
「そうねぇ…君、明日からロリコンのキャラになりたいの?」
「は?」
「君達2人はヤリまくりのカップルって噂立てるわよ?」
「はぁ?な…そんなの誰が信用するんですか!」
「私、生徒会長よ?美人で人望も厚い生徒会長よ?」
な…脅迫じゃないか…!しかも自分で美人とかって…
「そうね…君がナナの身体にイヤラシイ悪戯をしたでも良いわねぇ…」
「な…何を…大体ロリコンて…同い年ですよ!?」
「乳は無いし、背は小さいし、ランドセル身に付けたって問題無いわ!あれは犯罪に近いわ…ヘアーもあるか疑問だわ!」
ヘアーって…
結局、僕は部長の気迫に負けてしまう
「な…ナナちゃんも入れば?友達作るチャンスだし、マコ姉ぇもOBだし…僕も入ってるし…」
「アンタろーどく部だったの?…レンジも入ってるか……そっか…じゃあ入る!」
何故か即決のナナちゃん
「おー!決まりねぇ!」
喜ぶ部長
「相変わらずゴリ押しねぇマナミは…」
マコ姉ぇが苦笑いしながら呟く
「いやいや!今の私を作ったのは先輩じゃないですか〜」
はぁ…同じ部活か…どうなるんだ…この先…
「でも、ナナちゃん本当に良いの?他に部活はあるのよ?」
マコ姉ぇは一応ナナちゃんに再確認する
「いや、レンジ覗きもしてるみたいだし、私が監視しとかないとね!」
「アッハッハ!そうねぇ♪」
マコ姉ぇと部長が大笑いする
ナナちゃんまで…もう…
そして、僕らは部長と別れ、家に帰る…