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り☆berth彼女♪  作者: MAG
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第7話

私はレンジが用意してくれたベッドに座る



私はまだ…生き返り、レンジに再び会えた事に興奮して寝れない…



部屋は2階…私は窓を開ける



夏の月明かりがやんわりと私を照らす



…やっと会えた…やっと!



レンジに会えた!!!



もう…!もう…!



嬉しくってたまらない…!



だって…レンジは……



私の…初恋の人だもん…!



ずっと…ずっと好きだった……憧れの男の子



…まぁ…レンジの方はわかんないけど…




でも、私の指輪を…宝物って言ってたし…



脈はあるわよね?



それにしても…何とか無事にレンジの家に入り込めた…



まぁかなり強引ではあったけどね



レンジもとりあえず納得はしたし…



後は…上手くやらないと…!



でも…厳しい修行を耐え抜いた甲斐があった…



…ホント…厳しかったわ…エリさん…






でも、実のところ、生き返るのには修行なんか必要ない



レンジには嘘をつく格好になっちゃったけど…本当の事はまだ言えない







私は、ある取引をしたんだ



ある任務を遂行する引き換えに…生き返るの事とレンジに会う事を許された





任務…それはこの世界の秩序を守る大切な任務



しかし…正直、私は迷った



来世で再びレンジと会うチャンスを待つ、と言う選択肢もあった



でも…イヤだった



レンジが他の女の子と…イチャイチャしたり…



イチャイチャなんて…他の女の子とエッチな事をするんだ…



レンジが他の女の子に愛の言葉を囁いたり、その女の子の身体を貪ったり…



ううん…私以外の女の子と幸せな暮らしを送る…



そんな姿なんて見たくない!



それくらい…!私はレンジが好きなんだ



迷ったけど…私の答えは1つ



蘇る事だった



それに、任務をきちんと…全て遂行したら、私にはご褒美が待ってる



だから…私は蘇る事を選んだ



私は窓を閉めてベッドに戻る



私は横になり、目を閉じる…



静かに決意をしながら…




——そして翌朝——



目を覚まして下に降りる



あら?良い匂いがするわ…



「あ、起きた?もう出来るからさ!待ってて!顔洗って来なよ!」



レンジが朝ごはんを作っていた…



エプロンまでしちゃって…まぁ似合ってるけど♪



そして…



「いただきまーす」



私達は朝ごはんを食べる



ご飯とお味噌汁はもちろん、シャケの塩焼きに卵焼き…ほうれん草のお浸しにキュウリのお漬物…ついでに納豆…



まさにザ、朝ごはんって感じだ



「アンタ…昨日もそうだけどホントすごいわね…主婦みたいね」



「へへ♪料理は好きだからさ!」



レンジは嬉しそうに答える



「まぁ…今は夏休みだし…きちんと作れるだけなんだけどね」



いや、それにしたって凄いと思う



私達はお箸を進めながら会話する



「あ、昨日言い忘れたけど夏休み明けたら同じ中学通うからね?一応転校生って事で」



「まぁそうなるよね…中学は義務教育だし通わないとね」



レンジは慣れたのか、アッサリ納得する



「さて…」



ご飯を食べ終わり、レンジが出掛ける準備を始める



「じゃあさ、昼には帰ってくるから…それまでテレビでも見ててよ!」



そう…レンジは部活の友達…なんかキモいヤツと図書館に行くんだ



「早く帰って来なさいよ〜」



そして、私1人家に取り残される



まだ生き返って間も無いからレンジがいないと何も出来ないわ



私はテレビをつける



昨日も見たけど芸能人…どの人もやっぱり老けたわ…



……つーか平日の朝だからニュースとかワイドショーしかやってないわ



私はチャンネルを変えまくる



「…アニメもやってないわ…」



テレビを消して私は意味も無くゴロゴロする



「ゴロンゴロン♪」



って口に出してみるけど…



楽しくないわ…



つまんなーい!!



んー…どうしよ…私はキッチンに入りゴソゴソと棚を漁る



「オヤツとか無いかな…クッキーとか…」



朝ご飯を食べたばかりなのに私はお菓子を探し出す



そんな事をしてると家のチャイムが鳴る



だ…だだだ!誰か来た!



どど!どうしよう…まだ私来たばかりだし…



でも、出ないわけにはいかないわ…



意を決して、応対する事を決める



「は…はい…どちら様ですか?」



玄関のドア越しに恐る恐る応対する私



「何怯えてるの?私よ…容姿端麗、頭脳明晰のお姉様、あなたの素敵なパーフェクト師匠、エリさんよ♪」



エリさんだ!



なんか余計な事を言ってるけど…



私は急いでドアを開ける



「ふむ…どうやらちゃんと潜り込めたみたいね」



「いや…潜り込むって泥棒じゃないんだから…」



エリさん…



死んだ後の世界で私をお世話してくれた人



そして、私の上司でもある



顔はこう…一見冷たそうな印象があるんだけど凄く綺麗な顔立ちで…モデルみたいな体型の人



さっき、自分で言ってたけど、頭脳明晰…頭も良いんだ



でもユーモアのある人でもある



大人の余裕ってやつだろうか…



エリさんは後ろで束ねた髪の毛を揺らしながら家に入る



「ま、後はあなたの好きな様にやりなさい…」



「うん…」



「でも、きちんと任務はこなしなさいよ?」



「うん…!分かってる…」



私は頷く



「あ、だけど生命の秩序を乱す行為は厳禁よ?その辺りはもう一度手帳の禁止要綱を読んでおきなさい」



「うん…でもエリさん、それだけを伝えに来たの?」



エリさんはニコッと笑いながら



「まぁそれもあるけどね…様子を見に来たのよ♪あなたの同・棲・生・活をね♪」



「同棲生活って…えへへ♪」



照れちゃうな…同棲生活…か…



ニヤけちゃうなぁ♪




「…つーかさ、あの男の子…あなたの初恋の坂崎レンジだっけ?……あんなのが良いの?」



「あんなのって…」



「さっきチラッと様子見たけど、あれ絶対童貞よ?」



「いや…そんなボロクソ言わなくても…それに…えと…童貞じゃなきゃ私ショックなんだけど…」



「ふーん…初物が良いってわけか♪」



ニヤニヤ笑うエリさん



「で?彼には告白したの?」



「は?いや…だって昨日来たばっかりだよ?」



エリさんはつまらなそうに



「なーんだ…私はてっきり感動の再会、告白、チュー、股を開いてズッコンバッコンアッハンウッフンしたのかと思ったわ」



「あのね…」



なんつー事言い出すんだ…



「ま、冗談はさておいて、坂崎レンジを彼氏にしたいんでしょ?」



「う…うん…」



「まぁ私はそのあたりは何も言わないけど、さっさと彼氏にしちゃいなさいよ?」



「ま…まぁ焦らずにやるよ…」



するとエリさんは腕を組み



「焦らずに…か…一応私、彼の事リサーチしてるんだけどね…学校じゃあ結構人気あるみたいよ?」



「え?ま…マヂで…?」



「本人は自覚してないと思うけど、背が高くって、お料理が天才的ってのが密かに人気らしいわ」



…お、おちおちしてられないな…



「ま、参考までに教えてあげただけよ…じゃ、頑張りなさいね?」



そしてエリさんは帰っていく…



レンジ…人気高いのか…



私は玄関の前で立ったまま考える



するとまたチャイムが鳴る



ん?エリさんかしら?何か言い忘れたのかな?



私はすぐさまドアを開ける



「おりょ?」



「…!!」



ドアを開けると、そこには見知らぬ女子高生…



「おりょりょ?レンジ君の家よね…うん…間違いないわ」



ま…まずい!ど…どうしよ…あれ?



この女子高生って…



マコちゃんだ!



私とレンジ君を凄く可愛がってくれたマコちゃんだ!



「…君…レンジ君の…学校のお友達かしら?」



マコちゃんは不思議そうに私を見つめる



「え…あ…い、いや!えと…!いや!」



「ん…?君……あれ?」



「えとえと…!」



どうしよう…!なんて説明をしたら…



「なぁんか…君懐かしいのよねぇ…そーだ!昔君に似てる女の子のお友達がいてさ…ナナちゃんって言ってね」



ギクッ!!



うぅ…!マコちゃん…なんでこんなに鋭いんだ!



「レンジ君とすっごい仲良くてさぁ〜…」



マコちゃんは私に構わず語り始める



うぅ…もうこの際だ…白状するしかないよな…



「あ…いや…私、本人です」



「は?」



「桜川ナナです…」



「うそ!やっだ!ナナちゃんなの?超ー!久しぶりぃ♪」






あ…あれ?な…なんか普通に納得してる感じが…



しかし



「お盆も近いねぇ…いつ帰って来たの………ってそんな訳無いでしょ!!!!」



「はひぃ!!」



「うそ!やだ!レンジ君と一緒にお線香あげたのに!えーと…南無阿弥アーメン!!南無阿弥アーメン!!いや!私は何をまぜこぜに…!!南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経!あー良く分かんない!!」



手を合わせ、私に祈り始めるマコちゃん




「ちょ…ちょ…!!落ち着いてってば!!マコちゃん…」



私は事情を説明する













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