第55話
しかし…
その約束は果たされずに終わる
「ゲホッ…!ゲッホ…!」
「大丈夫?ランちゃん…?」
「…うん…」
あの約束をした1年後
私は幼くして骨肉腫に侵される
幼い身体に様々な投薬や放射線治療
やせ細り、髪の毛は抜け落ちカツラを被っていた
マナミは毎日の様に私の病室にお見舞いに来てくれた…
「あはは…こんなんじゃ女優になれないね…」
病室でマナミと話す
「ダメだよ…!約束したでしょ?一緒にお仕事するって…!だから…元気になって!」
マナミは懇願するかの如く……だけど、私を強く励ます様に手を固く握り、私を見つめる
いつの間にか、マナミが私を支えてる…
そう…感じていた
「そうだね…うん…!早く元気になる…!」
だけど
その約束は果たされなかった
魂の状態で自分の告別式を眺める私
「うわぁぁあぁああ!!いやだ!!イヤだ!ランちゃん!!ランちゃあん!ゔあぁぁぁあ!」
狂人の如く泣き喚くマナミ
物言わぬ…動かぬ私の遺体に強く抱き付いていた
私の遺体を火葬する時なんて…一緒に棺桶に入ると泣き叫び、大人数人がかりで火葬場から引きずり出された程だった
その後も、私は魂の状態で彼女の生活を見ていた
全く喋らない
誰とも会話しない
自分の部屋に籠り、1人で誰かと会話をする
「ランちゃん…今日はさー…何して遊ぶ?」
「絵を描いて遊ぼうよ?」
「さんせー!あ、でもその後におままごともしよーよ?ね?」
1人2役を演じ、何もない空間に話しかけるマナミ
そんなマナミの状態を見て私は思った
蘇りたい
生き返りたい…!
まだ…マナミには私が必要だ…
その時
「確かにあの娘にはまだ…あなたが必要ね」
マナミの様子を見る私の真後ろから突然の声
「…誰…?」
「…死神よ」
「死神…」
死神という言葉に驚きはほとんど無かった
自分が死んで、魂の状態なんだ…
大した驚きは無い
「あなたの死は予定通りだったわ…だけどあのマナミという娘があんな状態になるのは予定外だわ」
「…何なの…?お姉さんは…?」
勝手に喋る女の人に若干違和感を感じる
「私は死神のエリと言う者よ」
「エリ…さん」
「あの娘にはまだこれから使命があるの…これから先に、大切な…でも、あんな状態じゃいずれは自ら命を絶ってしまうわ」
!!!
「自殺…自殺なんてダメ!…ダメだよ!」
「そうね…そうよね?あなたはどうしたい?」
「私は…生き返りたい…まだマナミのそばにいて…あの娘を支えてあげたい…!」
「…分かったわ……」
エリさんは私の頭を優しく撫でる
「死神になりなさい…そうすれば現世に戻れるわ」
「ホント…?」
ニッコリと笑うエリさん
「ホントよ…修業して…あなたの頑張り次第だけどね」
私はもちろん快諾した
修業でも何でもする
マナミを…
支えてあげたい…!




