第54話
—私とマナミがまだ幼い頃—
「ほらぁマナミちゃん!泣いてたって何にも変わんないんだよ?」
マナミは事ある毎にメソメソと泣く
女の子だった
「グス…うん」
マナミは本当に泣き虫だった
マナミの一家、親類は権力の塊
「…何でお父さん達…ヤクザとかなんだろ…」
親類はヤクザ
実の父も市議会議員で相当の権力の持ち主
黒い噂が絶えなかった
実際、周りの大人達は我が子を前田一家に近づかせない為に、マナミから遠ざけていた
ヤクザの子供とは遊べない
その日もそんな酷い言葉を投げかけらレタスんだ
だから泣いている
「だからさ…それを上手く利用しなよ?」
「上手く…?」
「そーそー!権力を武器にたてつくヤツを蹴散ら…」
「それじゃますますお友達出来ないよ…クスン…」
「また泣いて……」
私は泣くマナミに寄り添う
「あのさ?」
「…うん?」
「私がお友達…それだけじゃさ…ダメかな?」
私の問いかけにマナミは大げさに首を横に降る
「ううん!…ランちゃんが…お友達だから…私…私…!何とか頑張れるもん!」
「ならオッケーじゃん?」
「…うん!…でもね…」
マナミは俯く
「私がランちゃんのお友達だと…迷惑じゃない?」
「え、何で?」
「だって…ヤクザの娘だし…」
「何でよ?それに、マナミちゃんのお父さんは…ぎいん、でしょ?」
「あんま変わんないよ…ヤクザの叔父さんと仕事してるし」
私はマナミのそばに寄る
「…そんなの関係無いよ!…私はずっとずっとマナミちゃんのお友達…ね?」
するとマナミはニッコリと笑う
「うん!!」
はたから見れば私がマナミを支えてる
そんな姿だったろう
しかし、マナミを支える事により、私は大切な友達を思いやれる芯の強い女の子になれた
お互い、なくてはならない存在だった
ある日、私達は将来の約束をする
「マナミちゃんはさ、将来何になりたい?」
「うーん……お嫁さんかな?」
「いや、仕事なんだけど…」
お嫁さん…可愛らしい夢…
「仕事…そうだなぁ…女優とか…お花屋さんかな!」
「なんか、まとまりないね」
「あはは♪」
「うーん…でも…女優かお花屋さんか…」
私は考える
そして1つの…私なりの、素敵な提案を出す
「どっちになるかはまだ分かんないけど…私とマナミちゃん…一緒に仕事しない?」
「あ!それ素敵♪」
「お花屋さんなら2人でお店を持ってさ!2人でお客さんに可愛いお花を売るの!素敵じゃない?」
「うんうん!」
マナミは瞳を輝かせて大きく頷く
「女優さんだったら、2人でお芝居のお稽古して…それでテレビのドラマとか舞台なんかで共演出来たら最高だよね!?」
「わぁ…それも素敵だねぇ…!」
「それならずーっとお友達でいれるしね!」
そう
だから私とマナミは今、所属して運営している朗読部をどんな事があっても…守り、大切にしてきた
2人の夢の架け橋となる大切な…大切な場所…!
そして、私とマナミは指切りをする
「約束だよ…!」
マナミは私を見つめる
「うん…もちろん…!どんな事があっても頑張ろ!?…2人で…!」
固く…固く…
お互い、まだまだ小さな小さな…小指で…指切りをしたのを…
今でも鮮明に覚えている




