第53話
「さて…覚悟しな…!」
倒れている私の目の前で野太刀の刃が鋭く、そして怪しくギラリと光る
な…何とか時間を稼がないと…!
「あ…あなた達の目的は何なの?」
倒れながら質問する
「フン…坂崎レンジを殺して世界をインフルエンザから救う…お前達と一緒だ」
「なら…私達テラーに任せておけば良いでしょ?大体…委員会は強制執行はしないはず!」
「そうだ…だが今回は特例だ…お前達テラーに坂崎レンジを渡すわけにはいかないんだよ」
「何で…!!」
「お前達テラーが余計な事を考えてるからだ」
余計な事…?
「フン…まぁルーキーのお前は分からないか…どうせ坂崎レンジを殺害する代わりに坂崎レンジそのものをプレゼントしてもらうつもりなんだろ?」
………!!
わ…私の考えを…!
「お前の望み通りにはさせない…今度はあの娘が楽しくて幸せな…良い思いをする番なのさ」
あの娘…?
…な…何を言ってるか分からない…
—カチン…—
その時突如…
ヤツの野太刀の刃に重なる巨大な刃が現れる
「ルーキーを相手に委員会の…しかもガーディアンの隊長様ともあろう者が何をやってるのかしら?」
重なる刃の正体
それは……大鎌!
「…なんだァ…?テメェは…?」
倒れながら見上げる私
!!!
な…!
長い黒髪をなびかせながら…
い、いや、その…なんて言ったら良いの…?
どピンクの…ドレス…いや…あれは魔法少女の衣装…
……え??
しかも…目の部分だけ覆う仮面みたいのを付けてる…
でも…
し、正体が丸わかりだ!!
「きた…喜多見先輩!!」
「…違うわ…クリスティーヌよ」
「…は?」
「何だテメェ…頭おかしいのか?コスプレヤローが…!」
「テラーのクルー…これならわかるかしら?」
「!!?」
ヤツが大きく驚く
「クルーだと…何で…しかもこんな変態みたいな格好で…!」
「どう?似合ってるかしら?フフフ♪」
「バカかテメェ!」
「とにかく…ここは引いてもらえるかしら?」
「く…!」
「クルーの意味、委員会の隊長なら知ってるわよね?」
「…クルーか…」
「そう、クルー」
「ち…!」
「隊長クラスのルーキーとクルーの1人を相手にする気かしら?」
「ち…!やめだ…!…確かに分が悪い」
ーカチンー
ヤツは野太刀を鞘に納める
「別に相手してやったって構わないが…クルーが動くなんてなぁ…裏があるね?」
「別に…私は知らないわ」
クリスティーヌ…いや、喜多見先輩は素知らぬ顔をする
「あ、それとコレ…」
喜多見先輩が出したのは手紙
「何だコレは?」
「私は渡せと言われたまで…中身は知らないわ」
「フン…まぁ良い…!コチラのやるべき事はやったしな」
ースッ…ー
ヤツは手紙を受け取ると空高く舞い上がる
「ナナと言ったね…次は無いよ?」
そして…消えていく
「大丈夫かしら?」
喜多見先輩が私を起こしてくれる
「あ…ありがとうございます…喜多…」
「クリスティーヌ」
「いや…あの…変装ならもっとマシな変装して下さいよ…しかも何のなんですか…その魔法少女みたいな格好は」
「ウフフ♪可愛いでしょ?」
「喜多…」
「クリスティーヌ」
しつこいな…
「まぁ…とにかく、無事ならなによりだわ」
「はぁ…いや…でもまさか…喜多見先輩が…死神だったなんて…」
「驚きかしら?」
そりゃもう…驚きに決まってるわ!
そして私達はベンチに腰掛ける
「まぁ私は…厳密に言えば元、死神ね」
先輩はジュースを私に買ってくれる
そして先輩はジュースの開ける
元…?
「あなたと同じ様に、取り引きをして蘇ったのよ」
「取り引き…」
「ま、あなたの取り引きの内容までは詳しくは知らないけどね」
「そうなんですか…じゃあ…エリさんの事も…」
「えぇ…私もエリさんから訓練を受けたクチよ」
「でも…なんで喜多見先輩は…蘇ったんですか?」
「…マナミよ」
部長…?
「私もね、あなたと同じ様に病気で死んだのよ」
「病気…」
喜多見先輩は過去の事を話し始める




