第50話
「分かった…」
私達の住むマンションのリビング
ヒトミさんは腕を組みながら呟く
私はレンジ君との個人レッスンを咎められた事を伝えた
「…まぁ何にせよ、そう簡単に事はうまくは進まない」
「ごめんなさい…」
「しかし…どうしたもんかね」
ープシュッー
ヒトミさんは缶ビールを開ける
「 もう…なんだっけ…お前が好きな…坂崎レンジだっけ?…告白しちまえよ」
「いや…部活や文化祭への影響もあるし…」
「ふむ…」
ヒトミさんは考える
「私が……出張るか」
ヒトミさんが…!?
「え…でも!ガーディアンの隊長のヒトミさんが…」
「…隊長だからさ」
ヒトミさんはビールを一口飲むと続ける
そして、タバコに火を点ける
「どのみち、そのナナってのには警告の意味を兼ねて挨拶してやらなきゃいけないしね」
「でも!…戦闘になったら…」
ヒトミさんはタバコを燻らせながら呟く
「その時は…必要であれば殺す」
……!
「なんだい?…まさか怖気付いたのかい?」
ヒトミさんが私を鋭く見つめる
「い…いや…」
私はヒトミさんから目を逸らす
「桜川ナナは敵であると同時に、お前の友人でもある」
ヒトミさんが呟く
「だが……学校の友人であろうと敵は敵…」
「でも…殺すまでは…」
「…甘ったれるんじゃないよ?」
ヒトミさんが灰皿でタバコを揉み消す
「アンタ…死神だろ?しかも委員会が誇るガーディアンだ…!テラーとの闘いを避けるつもりかい?」
「い…いや…」
「しかも、ガーディアンになる事と引き換えに生き返ったんだ…」
ジッと私を見つめるヒトミさん
「そんな都合の良い事許されると思ってんのか?」
…確かにナナちゃんは敵
でも…友人でもある
それに…レンジ君の大事な幼馴染…
「ま…まだまだお前はガキンチョだね…」
確かにそうかもしれない…
「任務に私情を持ち込むな…どのみち、坂崎レンジも桜川ナナも生かしてはおけない」
「は…はい…」
私は…
今になって及び腰だ…
確かに…ナナちゃんは生かしてはおけない…
でも……
いや…
ヒトミさんの言う通り、確かに私情は持ち込んではいけない…!
「ヒトミさん」
「なんだ?」
「ナナちゃんは…殺さないでください」
「まだそんな事…」
「私が責任を持ってケリをつけます…!」
「ふむ…」
ヒトミさんは私を見つめる
「分かった…お前の気持ちを汲んでやろう」
ヒトミさんはまたビールを口にする
…私がケリをつけないと…
だけど今回はヒトミさんに一旦は任せよう…
ナナちゃんはどう出るかしら?




