第35話
夏休みも終盤を迎えた頃
部活では大きなイベントが行われる
文化祭での配役の決定だ
既にストーリーは出来上がり、後は配役だけだった
基本的には
主人公の男の子と女の子
女の子のライバル
後はその他の登場人物やナレーション
その主人公とライバルを主に決める日だった
「さて…皆分かってるわね?」
部長が皆を見る
「まずは主人公の男の子…これをやりたいって人を決めなきゃね」
男の子…
必然的に僕かノブになるのは周知の事実
しかし、部長が切り出す
「レンジ君、あなたがやりなさい」
「え…?いやだって……ノブもいるし…」
「どうかしら?ノブアキ君…君はやりたい?」
「いえ、俺はどっちかつーと脇役やりたいし」
アッサリと僕に譲る気満々のノブ
「レンジ君は主人公、やった事が無いでしょ?」
「はぁ…まぁ…」
「どのみち、君には1度大舞台で1番注目を浴びる必要があるのよ」
部長がペンをクルクル回す
「分かりました…やらせてもらえるなら…!」
「良し!意外とすんなりと決まったわね♪」
部長が満足そうに腕を組む
「で、問題なのは…主人公の男の子とハッピーエンドで結ばれる女の子ね」
ピクリと動くマイコちゃんにナナちゃん
「フフン…どうやらすんなりは決まりそうに無いわね…ね?ラン」
「そうね…で、主人公の女の子やりたいのは?手を挙げて」
すると、マイコちゃんとナナちゃんが挙手をする
「まぁ当然よね…そんじゃ…お互いに自分をプレゼンしてもらおうかしら?」
いきなり、2人にPRをしろと迫る部長
まずはマイコちゃんから
「私は…やっぱり自分達で作ったこのストーリーで重要な役をやりたいです…こういったチャンスって中々無いし…」
そして、ナナちゃん
「私、初めてだし演技も皆より全然ヘタクソだけど…やるなら最初からとことんやってみたいし…」
2人とも、恐縮しながらも自分がやりたいとアピールをする
「ふむ…どう?ラン」
「そうね…マイコの実力は中々のもんだと私は認識してるわ…経験も豊富だしね…人の見てない所で努力もしてるわ」
喜多見先輩はマイコちゃんの評価をする
対する部長は
「確かに…でもナナも経験は無いけど中々の実力よ?私、個人的にナナの演技力を試験的に披露してもらったんだけどね」
そんな事してたんだな…
「実力は充分…練習と経験さえ積めばマイコやレンジ君達に短期間で追いつくわ」
部長はイスに座り直す
「それに、ナナは度胸なら他のメンバーより圧倒的に優れてるわ」
度胸…確かにそうだな…
ナナちゃんは目立ちたがり屋ってだけじゃない
それに見合った物を持ってるんだ
しばらく、議論が続く
「んー……そうねぇ…私としてはマイコにナナ、どちらも甲乙付け難いのよね」
部長は頭をペンでポリポリと掻く
「…多数決、といきたいところではあるけど、多数決ってのはある意味で選挙じゃない?」
「ふむ、確かにそうね…この場での挙手方式だと支援してくれた人、してくれなかった人が分かってしまうわ」
喜多見先輩は腕を組みながら皆を見る
「そうね…それじゃ遺恨が残るからね…個人的にはイヤなのよね」
部長がイスから立ち上がる
「ま、ここはジャンケンね…マイコとナナの」
ジャンケン…確かにそれなら両者の運次第だ
「良いかしら?2人とも」
ナナちゃんにマイコちゃん…2人とも頷く
「よし…2人とも腹は決まってるわね…立ち上がりなさい」
2人とも立ち上がり、対峙をする
その間を割る様に部長が立つ
「…勝っても負けても遺恨無し…良いわね?」
そして
「最初はグー!」
部長が声を張り上げる
「ジャーンケンポン!!!」




