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り☆berth彼女♪  作者: MAG
29/275

第29話



虫の音が聞こえる



レンジと私は2人で家に向かって歩く



近道という事で農道のあぜ道を2人でゆっくり歩く



辺りには何も無い



たまに農作業小屋がいくつかあるだけだ



「はぁ…今日は楽しかったね♪」



「うん…最初はアンタと2人だと思ったけどやっぱり大勢の方が楽しかったわ」



…まぁ…実の所は2人きりの方が良かったけど



「そーいやさ、アンタ何で線香花火好きなの?」



「ん…?」



レンジが空を見上げる



空には夏の星がたくさん煌めいて私達を照らしていた



「……実はさ…僕、小さい時に母さん死んじゃったじゃん?」



「…あぁ…そうね…」






ーリリリリ…ー






一瞬、時間と会話が止まる



だけどレンジは思い出した様にまた話し始める



「でも、不思議と記憶があるんだ」



記憶…?



「多分母さんが元気だった頃…母さんと父さんと僕で花火やった記憶」



…レンジのお母さんはレンジが小さい時に亡くなった



だから相当幼い時の記憶だろうな



「僕はまだ小さいから派手な花火は危ないって…でも母さん、線香花火を持たせてくれたんだ」



「…へぇ…」



「あの…小さくても一生懸命光るのが何か好きでさ…なんか、小さな力でも綺麗な光を放つ事は出来るって言うのかな?」



「…アンタ詩人ね…」



レンジってたまにこういう事を口に出すんだよな



…まぁ…



私はそういったロマンティストな一面を持つレンジが好きだけど



「あはは……なんかごめんね…ナナちゃん……………両親いないのに」



「ん?あぁ…ま、私は最初からいないみたいなもんだから…別に辛くないわ」



少し、風がすり抜ける



サラサラと田んぼの稲が歌を歌う様に揺れる



「なんつーか…私は…別に寂しくはなかったし」



「なんで?」



レンジが私を覗き込む



「そ…そりゃ……施設の友達もいたし…あ…アンタが…レンジがいてくれたし…」



「そっか…僕もそうだな…ナナちゃんがいてくれたから…寂しくなかったよ」



レンジが優しい眼差しを私に向ける



「まぁ…ナナちゃんが死んじゃった後は寂しかったけど…」



「…寂しかった…どのくらい?」



「…ん〜…あの時は…世界が終わるみたいな感じだったな…」



私が死んだ後のレンジの様子はマコちゃんから聞いたけど…



「でも、私はこうやって生き返ったじゃん?」



レンジはまた空を見上げる



「うん…凄く嬉しかった…!また、世界が動き出したって感じがしてさ…」



ーキュンー



何故か…私の胸が高まる



なんか……



良い雰囲気になってきた…



……こ…告白…しちゃおうかな…!





いや……するべきだ!




「レ……レンジ……!」



私が立ち止まると、レンジも立ち止まる




そして、私とレンジは対面する…









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