第182話
「ほ…北条マイコ…です」
モジモジと俯きながら自己紹介をする、新しい部下となる女の子
医療ミスで生まれてすぐに死んでしまい、しばらくは委員会の保育園の様な機関で育てられたマイコ
時期が来たので死神の訓練を受けに何故か私が預かる事になった
「…なんだい…蚊の鳴くような声で喋ったって聞こえやしないよ?」
「…ご…ごめんなさい…」
「で、名前は?もう1回」
「ほ、北条マイコ…!です…」
大して変わらない声で再び自己紹介をするマイコ
「マイコね…まぁ良い…これから私が上司になるヒトミ…名前で呼べば良い」
「は…はい…」
「いちいちどもるんじゃないよ…!その調子じゃ先が思いやられるねぇまったく…」
「………」
マイコはションボリと俯いてしまう
私のほんの少しの怒りにシュンと、萎縮してしまうマイコ
面倒な娘
私はそう思った
「いいかい?私が訓練するからにはアンタを一級の死神に育てあげてやる…こいつは約束してやる…」
「はい…」
「死神になれば、現世に戻って、任務を遂行しながらだが人生をやり直せる…」
「人生を…」
ほんの少し、瞳をキラキラさせるマイコ
「ただ…!覚えておけ…!私の訓練はアンタの思ってるのを遥かに超える位に厳しいよ?そいつぁ覚悟しときな」
ービクッ!ー
一瞬、身体を跳ねされるマイコ
「私は優しくないからね…アンタをこれでもかって位に泣かせてやるからね…もう1度、死んだ方がマシって位にな」
私は…少し脅しのつもりで言った
しかし彼女は
「…頑張ります…!」
小さな声で…しかし、重い声で私に告げる
そして、瞳の奥には何か…決意を感じられた
「ほほう…!良い覚悟だね…」
イジメてやろうとは思っていなかったけど、今まで私が訓練してきたヤツらはほとんどが根を上げていた
その上、ズボラな私の性格、酒好きやタバコ癖もあってか、委員会では実力こそ私は認められていたが、周りからは良くは思われていなかった
どうせコイツも、その内私に嫌気が差すだろう
そう思った




