第181話
「ふぁわ…!!」
大口を開けて欠伸をするヒトミさん
私達は街から離れた荒野を徒歩で旧保養所に向かってる
徒歩だと疲れるけど、空を飛ぶと敵に見つかりやすいためだ
と、ヒトミさんから説明を受けた
「よう、ナナ…疲れてないかい?」
ヒトミさんが歩きながら声を掛けてくれる
かれこれ、半日は歩いたかな…
確かに疲れたかも
しかし、相手はエリさんじゃないので、いつもの調子で疲れたー!なんて…そんな事は言えない
「まぁ、大丈夫ですよ…」
「あたしゃ疲れたよ…テクテク歩くってなぁどうも性に合わないんだよねぇ」
…自分で歩いて行くって言ってたのに…
「お、あそこで一休み出来そうだ」
ヒトミさんが指差したのは小さな木の木陰
「どっこらせっと」
ヒトミさんは木の幹に腰掛ける
「ふぅ…悪いな、あたしゃアンタと違ってオバサンだからねぇ」
「オバサンだなんて…まだお姉さんって見た目じゃないですか…綺麗だし…」
ヒトミさんは髪の毛こそ、背中まで伸ばしっぱなしだけど、エリさんに負けない位の美貌を持ってる
「ははん♪お世辞が上手いじゃねぇか…まぁ、綺麗と言われて悪い気はしないね!」
私もヒトミさんの近くに腰掛ける
ーゴソゴソー
…?
ヒトミさん…胸元を探ってるわ
ースッ…ー
「飲んで良い?」
胸元から出したのは…
あれってウィスキーの小瓶じゃないかしら?
「あ…いや…なんて言ったら良いのか…」
本当にお酒好きなんだな
「マイコだと昼からお酒なんて何考えてるのよ!…てな具合だからな」
…マイコちゃん…
苦労してるのね
しばらく、小瓶を眺めるヒトミさん
「……………」
そして小瓶を胸元に戻す
「……やっぱやめた」
「え…?」
「…まぁ、アイツも私の体を気遣って、いつも言ってるんだ…昼からなんて、オヤジみたいな真似はやめとこう」
…マイコちゃんの事…気にかけてるというか…感謝してるのね
「ま、ナナに告げ口されたらたまんないからねぇ」
「しませんって…」
「どうだかねぇ?アンタらすっかり仲良くなっちまったからさ」
ヒトミさんはタバコを口に咥える
タバコは吸うのね
ーカチッー
タバコにライターで火を点ける
赤々と燃える、タバコ…
独特の匂いが辺りに立ち込める
「ナナ、アイツと…これからも仲良くしてやってくれ」
「え…?もちろんですよ…生き返って、初めて出来た女の子のお友達だし…」
「フフ…そう思ってくれるなら私も嬉しいよ」
そして、ヒトミさんは大きくタバコの煙を吐く
「アイツはさ、死神として生き返ってから…中学上がるまでは、本当におとなしい女の子でな」
「そうだったんですか?」
「あぁ…引っ込み思案というか、他人と口を利くのが苦手だったんだよなぁ」
へぇ…
そんな風には見えないけどなぁ
ヒトミさんは…昔を懐かしむ様にマイコちゃんとの思い出を語り出す




