第12話
一息つくのも束の間
……この女の人、どうしよう…
助けたとは言え、見られちゃったよな
それに放って置くわけにはいかない
「ナナ…良くやったわ」
「うわぁああ!」
真後ろからいきなりエリさんが登場
「ちょ…!マヂでビックリすんだけど!」
「私の気配を察知出来ないあなたがいけないのよ?ま、あなたに私の気配を悟るなんて無理だけど♪」
ならやめて欲しい…
「まぁ初任務だったけど、しっかりこなしたわね…合格よ」
「ホント…えへへ♪」
「でも、助けるとは言え、この女性に見られたのは減点項目ね」
「あ…うん…」
「ま、都合良く気絶してるけどね」
…ホントだ…息はしてるけどグッタリしてるわ…
「可哀想に…よっぽど怖かったんでしょうね…涙でお化粧が崩れちゃってるわ」
エリさんが言う様に女の人の顔が台無しになっちゃってる…
「ま、良いわ…このまま放っておくわけにもいかないし、彼女を家まで運ぶわよ?」
「え?でも家分かんないよ?」
「ハンドバッグに免許証なり、身分証が入ってるでしょ?」
「あ、そだね」
そして、私達は女の人の家に着く
どうやら1人暮らしみたいだ
バックからカギを取り出して女の人をベッドに寝かせる
「ナナ、冷蔵庫から酒があれば持ってきなさい」
「酒?」
私は言われた通り冷蔵庫を開くと数本のお酒があった
「とりあえず、酒を可能な限り口に入れて酔わせておきましょ…」
「そか…お酒飲んで悪い夢見たって錯覚させるのね!」
「そーよ」
「つーか、この女、全く起きないわね…エラい神経図太いわね…」
確かに…まぁ起きられても困るんだけど
そして、私達は事を済ませ、表に出る
そして、エリさんは玄関の前に向かいジッとする
「……!」
玄関をジッと見つめ、一瞬力を込める
「…どうしたの?」
「遠隔操作でチェーンかけといたのよ…これなら確実に自分の足で帰って来たと思うでしょ?」
さすがだな…私にはそんなマジシャンみたいな事出来ない…
「全く…今回だけよ?手を貸してあげたのは」
エリさんがやれやれといった感じで呟く
「うん…ありがとう…」
「ま、そうね…後は委員会には気を付けなさいよ?」
「委員会…」
実は死神の組織は2つあるんだ
私達テラー…そしてもう1つ
[生命倫理委員会]
私達が悪人を強制執行するのに対し、委員会は強制執行を全く行わない
詳しくは知らないが強制執行に反発しているからだ
だからか、テラーと委員会は激しく対立しているらしい
戦闘も不定期に繰り返してるらしい
「つーかさ、何で死神の組織が2つあんの?」
「ま、組織が1つだと色々問題もあるのよ…まぁあなたは気にしなくて良いのよ」
うーん…気にすんなって言われると気になるわ
でも、エリさんが気にするなって言うんだから仕方ない…私は話題を変える
「でもさ…やっぱり気持ち良くは無いよね…この仕事…」
「ふむ…どうしてかしら?」
エリさんが腕を組みながら私の話をを聞く
「いや…確かに今のヤツもロクでもないヤツだったけどさ、魂はキラキラしてた…」
「そうね…確かに、命ってのは皆平等よ…」
エリさんは夏の夜空を見上げながら私に諭してくれる
「うん…」
「でも、世界のバランスを保つには私達の行動も必要なの…」
バランス…か…
「悪人によって予定外の死人を黙認するわけにはいかない…前にもあなたに話したわよね?」
「うん…何度も聞いた」
「確かに悪人といえども彼らもまた様々な人生を歩んで来たわ…でも、それで躊躇してはダメよ?」
躊躇…しちゃダメ…か…
「でも、少し安心したわ…」
エリさんは優しく微笑む
「え?何で?」
「今、躊躇するなとは言ったけど、あなたには悩んで欲しいのよ」
「悩んで…欲しい?」
「ナナ、私はあなたが機械の様に命を狩り取るなんて事はして欲しくない…」
なんだろう…エリさん…
「悩みなさい…悩み抜きなさい…悩みは人を成長させる1番の糧なんだから…」
エリさんは私を見つめながら静かに、はそして強く言葉を放った…
そしてエリさんは何故かニヤニヤしだす
「で、坂崎レンジ君とはもうヤッた?」
急に話を変えるエリさん…つーかまた下ネタだわ
「いや…あのね…そんな急に無理だっての…」
「つまんないわー!もー犯しちゃなさいよ〜!」
「あのね…私女の子なんだけど」
「あら、あの男の子なら逆に襲われる方が悦びそうじゃない!それにあなたが襲えばレンジ君だってその気になるわ!」
無茶言うな…エリさん
「ま、しっかり任務をこなして…最後は…あなたにはご褒美が待ってるんだから頑張りなさいよ?」
「うん…分かった…!」
「じゃあ私は帰るからね?何かあったら連絡よこしなさいよ?」
エリさんは空高く舞い上がっていく
襲う……いや…さすがにそんな事出来ないわ…
未経験ですよ!私は!
絶賛処女だっての!!
でもやっぱり…初めてはもちろんレンジが良い♪
レンジがさ、私の身体に夢中になって興奮して…
……………♪
エッヘッヘ♪
イヤラシイ笑いが出ちゃったわ…
いや、でもゆーわく位ならやってみる価値ありだよな…
レンジの出方や気持ちも知りたいし
ふむ…いっちょやってみるか…
まぁとにかく、今日は早く帰って寝ましょう!
月明かりが優しく照らす中…
私は宙に飛び立ち、家に帰る…




