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ウォルヴァンシアの王兄姫~淡き蕾は愛しき人の想いと共に花ひらく~  作者: 古都助
第三章『不穏』~古より紡がれし負の片鱗~
180/261

騎士の葛藤と、王兄姫の吐露。

「アレクさん……」


 そっと……、その辛そうな面差しに呼びかけてみる。

 悪い夢を見ているのなら、一度起きて、水か何か飲んで寝なおした方が良い気がして……。けれど、アレクさんの眠りは深いのか、なかなかその瞼が開く事はない。

 その代わり、上掛けのシーツから、ゆるりと持ち上げられた左手が、宙を彷徨った。


「ユ……、キ……っ」


「アレクさん、大丈夫ですかっ」


 その手を両手で包み込み、ぎゅっと励ますように握り締めると、アレクさんが寝苦しさと悪夢のせいか、汗を伝わせている事に気付いた。

 

「アレクさん、起きて下さい……。アレクさん」


「……うっ、……ユ、キ」


「私ならここにいます。傍にちゃんと。だから、早く起きてください」


 魘されながら私の事を呼ぶアレクさんに、二度、三度と声をかけ、起きるように促す。アレクさんを苦しめる夢を追い払う為に、何度も、何度も……。

 やがて、呼びかけが功を奏したのか、眉間に皺を寄せていたアレクさんがゆっくりと瞼を押し上げた。顔を覗き込んでいる私を、その優しい蒼の双眸に映す。


「ユキ……?」


 微睡む意識の中、アレクさんの右手が持ち上がり、心配の表情を浮かべている私の頬を包み込む。ゆっくりとその感触を確かめるように撫でられるぬくもり。

 アレクさん、……寝惚けてる? 手の動きにくすぐったさを感じ、身を引こうとすると、彼の右手が頬から離れ、私の首裏へと回った。


「アレ、――あっ!」


 何が起きているのかを把握する暇もなく、前に倒れ込むように引き寄せられ、アレクさんの身体の上に倒れ込んでしまった。


「あ、あのっ……、アレクさんっ、こ、これは、あのっ」


「……」


 か、顔が、顔が物凄く近いんですが!! 

 元いた世界では滅多に見られないような端正な美貌を前に、私はドクドクと高鳴る心臓の鼓動に翻弄されながら、間近にある蒼の瞳と見つめ合ってしまう。

 私を引き寄せた後、アレクさんの右手は私の背中を優しく撫でおろし、それを繰り返しながら、今度は左手が私の頭へと。

 温かくて優しいアレクさんのぬくもり。

 いつも私を見守って……、その力強さで私を守ってくれている、心から安心できる、信頼を抱かずにはいられない感触。


「アレクさん……?」


「ユキ……、どう……、して」


「え?」


 寝惚け眼のまま、私を至近距離で見つめながら、アレクさんが問う。

「どうして」とは……。あぁ、私がここにいる事に対する疑問だろう。


「どうして……、ユキ、……お前は、……『アイツ』と」


「え? アレクさん、アイツ、って……。と、とりあえず、先にっ」


 アレクさんが寝惚けている事だけはよーくわかった!!

 多分、自分でも何をしているかわかっていないのだろう。

 ここは、意識がはっきりしている私が逃げ出した方が、お互いの為に色々と都合が良いに違いない。なのに……、


「なんで離してくれないんですか~!!」


 寝惚けているくせに、私が逃げ出そうとした事を察したのか、アレクさんの右手が背中を撫でる事を止め、腰の辺りを掴んだ。

 寝台の中へとあっという間に引き込まれてしまう、私の身体。ちょっ!!

 勿論、逃げる暇も、抵抗する力も私にはなくて、抱き締められながら寝台の中で二人揃ってごろんと転がってしまう羽目に。あぁ、もうっ。

 ……お互いに向き合う形で、アレクさんの腕の中に抱き込まれ、頭にすりすりと頬を擦り付けられてしまう。うん、これは本当に疑いようもなく、酷い寝惚け状態だ!! 今にも夢の世界に沈んでいきそうなレベルというか、多分、まだ半分以上は寝ているに違いない。

 こういう時のアレクさんは、まるで子供のように無防備で甘えたがり屋だという事を、前に一度体験しているから……。

 私は仕方なく抵抗をやめて、アレクさんの顔を見上げてみた。

 

「アレクさ~ん?」


 少しだけ力が緩んだ事を確認し、右手をアレクさんの頬に添えてみる。

 軽くその頬を叩き、呼びかけてみるけれど……、余程疲れが溜まっていたのか、やはりまだ完全に起きる気配はなかった。

 蒼の視線は私を見つめたまま、熱に浮かされたように妖しく揺れ惑っている。


「ユキ……」


「そろそろちゃんと起きてください、アレクさん。アレクさ~ん?」


 ……何だろう、前に寝惚けたアレクさんを前にした時とは何かが違う。

 徐々に滲みだしたアレクさんの瞳の奥の熱と、私を抱き締めている腕がゆっくりと移動し、


「きゃあっ!! あ、アレクさん!?」


 あ、アレクさんの左手が、何の予告もなく、私のブラウスの中に侵入して、じかに、背中の肌をごそごそと触ってくる……!!

 ちょっ、こ、これは、寝惚けているからって、許容できない何かが!!

 アレクさんの熱と寝汗、手のひらの感触。

 どうやって逃げ出せばいいの、これ!! 

 と、慌てふためきながら私はアレクさんに叫び続ける。必死に、全力で!!


「アレクさん!! 正気に戻ってください!! ――って、きゃっ、く、くすぐった、やめてくださいってば~!!」


 アレクさんが私の嫌がる事をする事は絶対にないってわかっているけれど、寝惚けが酷い時はどうなるかなんて、考えた事もなかった。

 ど、どどどどど、どうしよう!! 背中を撫でる手が、徐々に変な動きになってきているようなっ。


「アレクさ~ん!! お願いしますから、こ、こういう触れ合いは、す、好きな人と、ですね!!」


 と、そこまで叫んで我に返った。アレクさんの好きな人って、――私だった!! 

 ガデルフォーンとウォルヴァンシアに分かたれて過ごした日々。

 アレクさんの想いを忘れていたわけではないけれど……。

 さ、さすがに、この背中の方で起こっている心臓にトドメを刺すような行為は……っ。


「ユキ……」


 そして事態は、さらに不味い方へと向かい始めてしまった。

 私の頬に優しく落ちた……、アレクさんの柔らかな唇の感触。

 それが頬から目許に、額に……。

 そして……、その感触が下へと移動し、やがて、まだ誰とも触れ合せた事のない場所へと向かった。私は次に起こる事をいち早く察知し、慌てて両手を自分の唇の前で防壁よろしく覆った。

 手の甲に触れる、アレクさんの感触。あ……、危なかった!!

 

「ユキ……、手を、……どけてくれ」


 ブンブンブン!! 一体いつになれば、アレクさんは夢の世界から戻ってきてくれるのだろう。蒼の双眸に宿る熱は強く深められ、正気の時ならば絶対にしないだろう要求をしてくる。まさに寝惚け故の、困った度大爆発の行動……。


「アレクさんっ、駄目ですってば!! 起きてください!!」


 身の危険を感じた私は、寝惚け絶好調のアレクさんの額に向かって、渾身の頭突きを打ちこんだ。

 ゴォオォン!! と、物凄く痛い感触を感じながら与えた一撃。

 「うっ」と、苦痛の呻き声が漏れ聞こえ、自分の額を押さえたアレクさんが、目をパチパチと瞬かせる。お、起きてくれた!? 正気に戻ってくれた!?


「……俺は、……ん? ……ユキ?」


「アレクさん、……起きました?」


 今度は、紛れもなく、寝惚けの一切ないアレクさんの意識が目の前にあった。

 状況がよく分かっていないらしく、腕の中にいる私を見つめて固まる事、十秒ほど……。


「――っ!!」


 アレクさんが一気に覚醒し、これは一体何事だと衝撃を受けているのがわかった。

 悩んでいるような、困ったような顔で私を見つめ、口を開く。


「ユキ……、その……、俺は、……まさかとは思うが、お前の事を」


「えっと、あの……、だ、大丈夫、ですよ。アレクさん、寝惚けていたみたいですし、その、だ、抱き締められただけで、……その、ほ、本当に、大丈夫、ですからっ」


 頬や目許、額にキスされた事を誤魔化す為に、もじもじと恥ずかしそうに言ったのが悪かったのかもしれない。アレクさんの顔が徐々に険しげになっていき、上半身だけその身を起こした。

 

「すまない、ユキ……。俺は、とんでもない事をしたようだ」


「え?」


 未遂だったから、そこまで思い詰めたような顔をしなくても……。

 同じく起き上がり、アレクさんの表情を覗き込んだ私は、たらりと冷汗を頬に伝わせる。アレクさんの気配が……、緊迫したようなものになったというか、何かボソボソと暗く呟いている。


「やはり……、陛下に謝罪し、その場で手打ちにして貰うべきか……。いや、むしろ、ユキ自身にバッサリと斬って貰った方が……」


「……」


 アレクさん、だから、何もないと私は言いましたよね? 

 なのに、どうして自分の愛剣を枕元から取り出して抜き始めているんでしょうか? わー……、手入れがきちんとされていて綺麗……。

 ――じゃなくて!! それを切なげに見つめた後、アレクさんが私に向き直った。


「ユキ……。俺は、お前のことになると……、時々、抑えが利かなくなる時がある。それは、前から自覚していた事だったが、今度は……、寝惚けてお前を傷物に」


「してません!! 何もされてませんから!!」


 やっぱり!! 多大に変な誤解をしてしまっている!!

 アレクさんは、根が真面目で素直な人。

 さっきの状況と、私が恥ずかしがって誤魔化した態度が裏目に出て、飛躍した誤解と罪悪感に苛まれてしまったのだろう。もうっ、本当に大真面目な人なんだから!!


「た、ただ、抱き締められていただけですからっ!! 本当に、大丈夫なんですってば!!」


 大体、服も脱げていないのに、傷物にはなれません!! 

 物凄く恥ずかしいけれど、私はアレクさんの暴走言動を止める為に、羞恥心も忘れて大声で訴え続ける。今は私の恥ずかしい気持ちより、アレクさんの気持ちを浮上させないと!!


「アレクさんは寝惚けていたんですから、何も罪はありませんよ? ね? だから、とりあえず、この剣は鞘に仕舞いましょう。はい、お片付け!!」


「……わかった」


 私に向かって差し出されかけた剣を、怪我をしないようにアレクさんに押し返す。

 まだ納得がいかないものの、アレクさんは大人しく鞘へと剣を仕舞ってくれた。

 ほっ……。もしかしなくても、真面目なアレクさんのこと、あの剣で私にひと思いに斬ってくれとか言い出しそうだったし、本当に良かった。


「声をかけてもなかなか起きてくれませんでしたし……。やっぱりアレクさん、身体が疲れているんですよ。この国に来る前に、休息はちゃんと取ってきたんですか?」


「……」


「アレクさん、私の目を見て下さい」


 まずい事を聞かれたかのように、アレクさんの視線が明後日の方向に逸れた。

 これは……。


「休息……、取らずに来ましたね?」


「い、いや、……騎士団の仕事の引継ぎや、レイフィード陛下の無茶ぶ、その、……色々とやる事が多くてな。休息を纏めて取る時間がなかったんだ……」


「そうだったんですか……。じゃあ、私、あっちのテーブルで休ませて貰いますから、アレクさんはゆっくり休んでいてください。本当はゆっくり寝かせてあげようって最初に決めていたんですけど、何か魘されているようでしたから……、すみません」


 むしろ、アレクさんが寝惚けておかしな行動に走ったのは、途中で起こしてしまった私のせいかもしれない。その事も含めて説明し謝ると、アレクさんは剣を横に置いて首を左右に振った。


「お前がいるのに……、俺だけが寝ている事は出来ない」


「大丈夫ですよ。もう少ししたら、城下に出掛けたカインさんとレイル君も帰って来るでしょうし、私を探しに来てくれる可能性が高い事を考えたら、すぐにおいとま出来そうですし」


「……カイン」


「はい。そうしたら、カインさんとレイル君と三人で行動出来ますし、アレクさんをゆっくりと休ませてあげる事が出来ます。だから、それまで居させて貰いますけど、少しだけ我慢してくださいね」


 苦笑しながら、これからの事を伝えると、……あれ? アレクさんの眉根が不機嫌そうに寄せられてしまった。綺麗な厚みのある唇が、小さくまた、「カイン……」と、形を描く。


「ユキ……」


 低く、いつもよりも尚深く落ちた声のトーンに、私は無意識に身体を小さく震わせる。今の声音は、そうなるほどに、……恐怖感を感じさせるような、怖いと思う気配を含んでいた。両肩をアレクさんに掴まれ、視界に映る景色が、一瞬でひっくり返る。


「え……」


 な……、に? シーツに押さえつけ、……られ、てる?

 誰に? ……アレク、さんに。

 蒼の双眸の奥に揺らめく熱。その中に、強い苛立ちのような光が見え隠れしている気がする。肩に喰い込むアレクさんの両手の力が、私を逃げられないように押さえ付け、自由を奪っていた。


「あ、アレクさんっ!? ま、まだ、寝惚けてるんですかっ」


「……どうして、……『アイツ』なんだ」


「え……」


「どうして、こんな短い期間で、……っ」


 私を見下ろしながら、辛そうに、悔しそうに吐き出された、アレクさんの声。

 アイツ……、って、誰? アレクさん、どうして……、私を睨んでくるの?

 いつもは優しくて温かい彼の眼差しが、私を咎めるかのように見下ろしてくる。


「ユキ……、お前の……、この、首の装飾具。『アイツ』が着けた物だろう?」


「は、……はい」


「何故……外さないんだ? 自分では無理でも、ルイにでも頼めばすぐに外してくれるだろう」


「……そ、それは」


 昨夜、カインさんに着けられた『罰』の象徴でもある、チョーカーのような鈴付きの装飾具。それがアレクさんの指先に弄られ、チリン……、と、可愛らしい音を立てた。これを外さないのは、……外せないのは、一人で行動して、カインさんに心配をかけてしまったからだ。

 休息所からの帰り道。カインさんが私を視界に映したその瞬間、今まで見た事もないほどの、大きな安堵感を覚えた表情が近寄って来て、私をその腕の中へと強く抱き締めた。怒鳴られても、こんな罰を与えられても不快に感じなかったのは、彼の想いを確かに感じたから……。だけど、アレクさんのこのチョーカーを見下ろす眼差しは酷く怖いものに見える。


「あ、あの……、これは、カインさんが私を心配して着けてくれたもので……、暫くは、着けていようかな、と」


「心配……? お前を所有したと、俺に見せつける為の物だろう。俺とお前が離れていた間……、もう追い着く事も出来ないほどに、自分とお前の心が通ったと、そう牽制する為に」


「アレクさん、それは考えすぎですよ!! 私、カインさんの事をまだ、そういう風には」


 確かに、前よりもお互いの距離が近付いた気はするけれど。

 まだ……、私の中に眠る蕾は眠るように閉じたまま。

 大切だと、これからもカインさんを理解していきたいという想いはあるものの、まだ……、そんな確かな想いを抱いたわけではないと、そう、感じているのに。

 

「お前の傍にいたいと願ったのは、俺の方が先だ……! どうして……っ、アイツの方が、お前に近いと感じてしまうんだ……っ!!」


「アレクさん……っ、お、落ち着いてください!!」


 両手を肩から離し、私の身体の裏に差し入れられた両腕。

 アレクさんは痛いぐらいの強さをもって私を抱き締め始めてくる。


「あ、アレク、さっ」


 首筋に顔を埋め、胸の中に抱え込んでいたものを吐き出すかのように、低い声音が訴えてくる。


「前にも……、感じた事があった。お前は、あの男に対しては、どこか気安くて……。感情を素直に見せる事が多くて……、俺に対する態度と、どこか、違う、と」


 アレクさんが喋る度、その熱い吐息が首筋に掛かってくる。

 離してほしいと懇願しても、拘束している力が緩む事はない。

 アレクさんは顔を上げ、私のブラウンの瞳を至近距離で見つめると、辛くて堪らないという表情を強めた。


「お前の俺に対する態度は、どこか遠慮がある……。アイツには素直に感情をぶつけるのに、俺にはそれがない。いつも、……俺を気遣う態度が優先されているようで、アイツとはまるで違うんだ……っ」


 自分ではそこまで意識していなかったけれど……。

 確かに、そういう部分もあった……、の、かな?

 カインさんはアレクさんと違って、問題児な部分が大きい人だから。

 人の事をからかったり、逆鱗に触れるような言動や行動を平気で起こす人だし、どうしても、怒らざるをえない時があるというか……。

 

「だ、だって……、アレクさんはいつも優しいじゃないですか。私が怒ったり必要なんかなくて……、カインさんとはまるで違いますし、そこまで、気にしなくても良いんじゃ……」


「……俺だって、ユキ。お前に感情を素直にぶつけてほしいんだ。遠慮なんていらない。ありのままのお前を、俺は感じたい」


「い、いえ、あの、だから、そういう事じゃなくて……」


 だって、アレクさんは私よりも遥かに年上で、感情をぶつけろと言われても、一体どの部分にぶつければいいのか、正直無さ過ぎてわからないっ。

 

「む、無理ですよ!! アレクさんはいつも私の為を思って行動してくれますし、怒るべき部分も、感情をぶつけるっていう部分も見当たりません!!」


「……」


 うっ……。そ、そんな……、傷付いたような顔をしないでくださいよ!!

 目の前で大型犬が寂しそうに項垂れているかのような錯覚を覚えてしまう。

 アレクさん……、何てあざとい戦法をとってくるんですか!!

 そこまで考えて、いや、あるわけないかと思い直す。

 アレクさんは、真面目で素直。さらに言うと、どこか天然な事をする時があるから、これもそのひとつなのだろう。

 わざとじゃない、乙女心を鷲掴んでくるこの表情も、きっと計算なんかじゃない。


(どうしたら良いんだろう……。アレクさん相手に感情をぶつける理由も方向性もわからないよ)


「感情をぶつける理由がないという事は、俺の事を意識出来ないという事じゃないのか? アイツには、その心を掻き乱されるのに、俺の言動や行動では……」


「い、いえ!! あの、十分に動揺させられてます、よ!! こ、この体勢も、アレクさんの表情も、色々と心臓に悪すぎるというか!! うぅっ、お願いですから、そろそろ許してくださいっ」


「……」


「あ、アレク……、さん? きゃああ!!」


 離れてくれるようにお願いした直後、アレクさんが何の前触れもなく、私の頬をぺろりと舐めた。何をしてるの!! アレクさん!!


「……アレクさん?」


「怒って……、くれないのか?」


「……」


 表情は真剣そのもの……。冗談の気配など、一切見えない。

 もしかして、また……、変な方向に暴走し始めた、のかな。

 私の考えが当たっていれば、アレクさんは私の頬を無断で舐めた罪を犯したから、さぁ、遠慮なく感情をぶつけてくれと言いたいのかもしれない。

 だけど、怒るという感情は微塵も湧かず、ただただ戸惑うばかりだ。


「お、怒ってほしいんですか? アレクさん……」


 私の問いに、アレクさんは真顔でコクリと頷く。

 

「吃驚はしましたけど、怒りたいっていう感情が湧かなくて……」


 逆に、この純粋すぎる騎士様をどうやって宥めようかと悩んでいるというのに。

 アレクさんは不満そうに視線を横に逸らした後、私の頬をむにっと引っ張った。


「……あ、ありぇく(アレク)しゃんっ? にゃにひてりゅんでふかっ」


 これ、前にカインさんからもやられた事のある仕打ちだけど、アレクさんにまでされるとは思わなかった……。でも、アレクさんの掴んでいる指先の力は凄く優しくて……、痛いとはまるで思えない。う~ん、これでも、ちょっと、怒れないというか、逆にアレクさんの行動が可愛く思えてしまう。

 私が感情を荒げない事をまた不満に思ったのか、アレクさんは指先を離した。


「アレクさん……。怒れって言われても、なかなか難しいですよ」


「みたいだな……。はぁ」


「えっと、……ご、ごめんなさい。で、でも、だからといって、アレクさんの事を何とも思ってないわけじゃないんですよ!! いつも優しくて頼りがいのあるアレクさんの事は、心から信頼できるお兄さんみたいに思っていますし、大好きだって自信を持って言えます!! ……あ」


「『兄』……」


 自分の事を好きだと言ってくれている男性に、『お兄さんみたい』という言葉が、どれほど失礼極まりないか。私は、ぽつりと零れたアレクさんの暗い落ち込んだ声音に冷や汗を伝わせた。


「ユキ……、お前にとって俺は、『兄』でしかないのか? 想いを告げても……、俺に対して警戒心があまり感じられなかったし。日頃から、男として見られているかどうかは不安だったんだ……。だが、俺が思った以上に、お前の中での俺への想いは不本意なものばかりのようだな」


 失言をしたと思っても、もう遅い。

 だけど、お兄さんのようだとは思っていても、同時に、男性として意識している部分もきちんとあるのだと説明を試みる。

 カインさんとアレクさん。二人の間でどうしていいかわからないこの胸の中の二つの蕾は、二人を男性として意識している事は確か。

 だけどまだ……、恋の色には染まっていない。


「どうすれば……、お前に俺を完全に男として見て貰える? ユキ、……教えてくれないか?」


「じゅ、十分、男の人として見てます!! お兄さんのような安心感もありますけど、ちゃんと、い、意識、して、ます、からっ」


「その余計な部分を、今すぐに取り払いたい……。俺の事を一人の男だと、……お前を愛する男としての認識だけを、お前の中に植えつけたいんだ」


 あ、アレクさんの蒼の双眸が、本人の宣言通りに、完璧に男の人のそれへと気配を変えていく。愛する者を求める熱情を秘めた眼差し。

 私を至近距離で見つめると、自分以外を見る事が出来ないように視界を埋め尽くし、囁きを落としてくる。


「俺は、……お前の兄じゃない。今だって、お前を傍に感じながら、自分の醜い部分を抑えるのに必死なんだ……。触れる事を許されるなら、いっそこのまま……」


 このまま……、その先にどんな言葉が用意されているのか、薄らと予感してしまう。アレクさんの唇が、徐々に……、近付いてくる。

 抵抗という言葉が頭の中に浮かぶけれど、私の瞳を見つめる蒼の双眸の真剣さと熱の苛烈さに、その言葉はゆらゆらと薄れていく。

 私の意識が、アレクさんの存在だけを感じるようになって……。

 優しい保護者のような印象が掻き消え、私の目の前には、確かに、『男の人』がいた。そして、唇が重なろうとした、――瞬間。


『ニュイ~!! ニュイッニュイッ!!』


 ドォン!! ドォォォンン! と、何度も体当たりをするような音が響き、聴き慣れたファニルちゃんの怒ったような鳴き声が響いてきた。

 そういえば、カインさんの部屋で眠ってしまったファニルちゃんをそのまま置いて来てしまったんだった……。

 触れ合う寸前だった唇が、アレクさんの小さな吐息に擽られ、ゆっくりと離れていく。


「ニュイ~!!」


 何も言わずに寝台を下り、扉へと向かったアレクさんが、鍵を開けファニルちゃんを迎え入れてくれた。

 部屋の中に飛び込んで来たファニルちゃんが、私の姿を寝台に見つけ、ぴょぉ~ん!! と、胸の中に飛び込んでくる。

 もふもふの温かな毛並みと、大きな尻尾をふぁさふぁさと揺らすファニルちゃん。

 私の胸に何度も頭を擦りつけて嬉しそうに鳴いている。


「ごめんね。後で迎えに行こうとは思っていたんだけど、よくここがわかったね?」


「ニュイ~!!」


 ファニルちゃんが眠っていたカインさんの部屋から、アレクさんの部屋までは少しだけ距離がある。だけど、ファニルちゃんはちゃんと私の所までやって来ることが出来た。匂いとかを頼りに追いかけて来たのだろうか。

 今度シュディエーラさんに聞いてみようと思った私は、ファニルちゃんをぎゅっと抱き締めた。


「良い子、良い子……。ファニルちゃん、ありがとう」


「ニュイ~、ニュ~」


 もう少しで、……大変な事になってしまうところだった。

 

「あの……、アレク、さん」


 一度、私とファニルちゃんがいる寝台に寄って来ると、アレクさんは自分の剣を腰に装着し、テーブルの上に置いてあった騎士服の身に着け扉へと向かってしまった。


「少しの間、扉の外で頭を冷やす。……何かあったら、声を掛けてくれ」


 扉が閉まり、ポォ……、と、淡い銀緑の光が生じたのを目にした私は、その向こうに誰かが座り込む気配を感じた。アレクさん……。


 ファニルちゃんを抱えたまま、私は寝台を下り、その扉の前に座り込む。

 背中を扉にくっつける形になって、腕の中できょとんとしているファニルちゃんの頭を撫でながら、瞼を閉じる……。

 この扉を隔てた向こう側で、アレクさんは何を考えているのだろう……。

 兄のようにではなく、一人の男性として意識してほしいと願う彼の真剣さと、普段は隠れて中々見えなかった……、男性としての顔。

 心が落ち着く、傍にいるだけで安心出来る騎士としてのアレクさん。

 異世界エリュセードに帰還したあの日から、私をずっと見守ってきてくれた人。

 あの人の優しさが、この世界で暮らしていく私にとっての、最初に見つけた拠り所でもあった。まだ、人型のアレクさんと、銀色の狼さんが同一人物だとは知らなかった最初の頃……。

 慣れない異世界での生活で不安を抱えていた私を助けてくれたアレクさんのお蔭で、ウォルヴァンシアでの生活を受け入れていく事が出来た……。

 私にとっては、温かくて……、優しい、大きな存在の人で……。

 アレクさんに告白された時は、思ってもみなかった想いに、顔が爆発するかと思うくらいに吃驚したのを覚えている。

 一人の女性として見られていたという衝撃。唐突に、彼が男性なのだという事を、改めて再確認した……、あの夜。

 あれから、アレクさんの事を頼もしいお兄さんのような存在だと思うのとは別に、確かに男性としての面を垣間見た。

 一人の男の人としても……、見て来たつもり、なのに……。


(ちゃんと、わかって……、なかった、のかな。アレクさんの想いは、とても優しくて、温かくて……、そこに怖いなんて思うものはなかったはずなのに)


 多分、さっきの行為も、アレクさんの中では、抑えに抑え込んできたものだったに違いない。私を怖がらせないように、必要以上に触れてこようとはしなかったアレクさんだけど……。告白以降、時々、私の心臓に悪いドキリとするようなアプローチを仕掛けてくる事は確かにあった。

 だけどそれは、恐怖感を与える行為ではなく、どこまでも優しい……、小さなものばかりで。私が嫌がりそうな行為は、絶対にしなかった……。

 アレクさんが内面に抱えていたもの。ひたすらに押し殺し続けたもの。

 それに、微塵も気付く事なく……、甘え続けていたのかもしれない。


「ユキ……」


「は、はいっ」


 私が傍にいる事に気付いていたのか、扉越しからアレクさんの声が届いた。

 

「俺は……、お前を困らせてばかりだな」


「え……」


「……大切にしたいと想っているのに」


 その心に抱えている辛さが滲む、アレクさんの切なる音。


「お前の優しさが、……酷く苛立つものだと気付いた」


「アレクさん……?」


 それは、きっと自分自身への苛立ちと葛藤を持て余しているだろう声音だと思えた。ガシャン……、と、アレクさんの剣が落ちる音がして、扉を打ちつける衝撃が伝わってくる。


「お前は……、誰にでも優しいだろう? 俺に限らず、ルディーにも、ロゼにも……出会う者全てに平等で、あたたかな存在だ。誰のものでもない、と……、そう言っているかのように、な」


 私は、決して意識して人に優しさや愛想を向けているわけじゃない。

 むしろ、私の周りにいる人達が温かい人ばかりで、それに応えるように自然と……。


「ユーディス殿下の娘に懸想する事自体……、身の程知らずだとはわかっている。だがそれでも、お前と出会ったあの日から、俺にとって……、お前は」


「あの、アレクさん……」


 そこで言葉が途切れ、静かになってしまった気配を心配した私は、ノブへと手を掛けた。しかし、扉のノブは私の手では開ける事が出来ず、外から開けて貰うしかない事に気付く。アレクさんは出る事が出来たのに、何故。


「ユキ……?」


「あの、アレクさん、ここを開けてくれませんか? 顔を見て……、話がしたいんです」


「……」


「アレクさん?」


 答えてくれないアレクさんに、もう一度声をかけると……、外から少しだけ、扉が開いた。ファニルちゃんを絨毯のに下ろし、少しだけ待っているように告げる。

 その隙間から外を覗いてみると……、アレクさんが膝を抱えて、腕の中に顔を埋めている姿が見えた。

 

「アレクさん……?」


 その様子が、どこか……、落ち込んでいる少年のようで。

 

「ニュイ~?」


「あ、ファニルちゃんっ」


 扉をグイッと押し開けて、ファニルちゃんがアレクさんの傍へと駆けて行く。

 大きなふさふさの尻尾でアレクさんの顔を撫で、慰めるように鳴き声を上げるファニルちゃん。


「ニュイ~……、ニュイ、ニュイっ」


「ファニルちゃん……。あの、アレクさん……、顔を上げてくれませんか?」


 私の声に応え、足元にいるファニルちゃんを優しく撫でたアレクさん。

 その後に、蒼の視線を私へと向けてくれた。

 だけど……、そこに浮かんでいたのは私を想う熱情ではなく、何かに怯えているような、頼りない気配だけ。……まるで、拠り所を求めて彷徨う幼子のように。


「ユキ……、お前が困るのも、怯えるのを見るのも、俺は嫌なんだ。だが……、時々、どうしようもなく……、お前に対する想いが溢れ出して、わかってほしいと、……怖がられても良いから、それを押し付けたくなる時がある」


 蒼の双眸が、寂しそうに揺らめきながら私をじっと見つめている。

 やっぱり、どこか……、少年めいて見えるのは気のせいじゃないのかもしれない。

 私の事を想う気持ちと、自分を見失いそうになる事への恐れ……。

 そして……。


「普段は抑え込めるあの衝動が、……『アイツ』の存在が絡んでくると、簡単に表に顔を出す。駄目だとわかっているのに……、お前にこの身勝手な想いをぶつけて、俺だけを見てくれるようにと願う欲が染み出して……、止まらなくなるっ」


「ニュイ~……、ニュウゥン」


 苦しそうに吐き出された言葉に息を呑むと、何を思ったのか、ファニルちゃんがその空気を打ち破るようにアレクさんの頭へと飛び乗った。

 それと同時に、ポン!! と、早技で銀色の狼へと姿を変えたアレクさんが、ファニルちゃんを頭に乗せたまま、身体を丸めて蹲る。な、何で今……、狼の姿に?


「ユキ……、すまないが、部屋に戻ってくれ。俺がお前に触れてしまわないように、……この浅ましい欲に穢されないうちに」


「ニュイ~……」


 アレクさんの辛さと葛藤を感じている様子のファニルちゃんが、その毛並みに頬を擦りつけ、何度も寂しそうな声を上げては身を寄せる。


「ファニル、お前もユキと一緒に部屋に入っていろ。俺がユキに害をなさないように、傍で……、守ってやってくれ」


「ニュイ~……、ニュイっ」


 その想いを汲み取ったかのように、ファニルちゃんがアレクさんの頭の上から飛び降り、扉の隙間から顔を出していた私に、ドン!! と、体当たりをお見舞いして部屋の中へと押し込んできた。

 そして、自分だけ外に出ると、今度は向こう側から扉に体当たりをお見舞いして、入り口を完全に閉めてしまった。勿論、中から……、正確には、私の手でこのノブを回す事はやっぱり出来ない。

 ファニルちゃんは、アレクさんの傍にいる事を選んだんだ。

 一人で抱え込み、自分の中で渦巻く辛く苦しい感情に耐えようとするアレクさんの傍に寄り添う為に……。


「ファニルちゃん……、ありがとう」


『ニュ!! ニュイ~!!』


 扉の向こうから返ってきた声は、とても力強い明るいもので……。

 私はそれに安心すると、背中を扉へと預け膝を抱えた。

 アレクさんの事を……、心に抱きながら。

 男性としての顔を見せてくれたアレクさんの行動や言動は、前に告白してくれた時以上に、私の心を大きく掻き乱し、……ぐちゃぐちゃにしていく。

 ドクドクと、いつもより速い心臓の音……。

 今にも泣き出したくなるような衝動……。

 アレクさんとカインさんは、私の事を好きだと、一人の女性として見てくれていると知っているけれど。

 正直……、まだ恋をした事のない私には、あまりに大きな……、勿体ないぐらいの想い。


「……っ」


 一度目の二人からの告白は、私の事を気遣いながらも、甘さを感じさせるほどの愛情に満ちていた。衝撃的過ぎて、倒れてしまいそうなほどの告白。

 だけど、二人は私を怖がらせないように、あのガーデンパーティーの日。

 私の心がどちらかに恋愛感情を抱くまで待つと言ってくれたあの日から、決して表立ったアプローチはあまりせずにおいてくれた。

 私が、男性の顔をした二人の行動や言動に過剰反応してしまうと、察していたから。待つ人の想いを……、私は、本当の意味では理解していなかった。

 それは、カインさんとこの皇宮内で喧嘩した時にも感じさせられた事。

 アレクさんのあの行動や言動を目の前で感じてしまった私は、一体どうすればいいのだろう。二人の想いに答えを返す事が出来るのは一体いつの日の事なのか、と、そう思いながら膝を抱える。

 恋という感情は、私にとって憧れのようなものでしかなくて、二人に告白されるまでは、夢の中にあるようなあやふやな存在でしかなかったのに。

 さっきのアレクさんの言葉や、カインさんとの喧嘩の時の情景を思い出すと、……胸の奥が、ぐちゃぐちゃと掻き回されるかのように苦しくなってしまって……。

 同時に、身体がよくわからない熱を抱き、甘い疼きのような感覚が、強く……、それに混じり始めた。

 誰か教えて……、こんなにも苦しい想いが、恋をしていくって事なの?

 私にとっては、アレクさんもカインさんも、とても大切な存在で……。

 これからも一緒に時を刻んでいきたいって思える、かけがえのない人達なのに。

 漠然とした二人への曖昧な想いが……、ゆっくりと、輪郭を成すように、別の形に変わり始めていく。

 これは……、何? ピリピリと走り始めた痛みに、ルイヴェルさんの施したあの光の槍が再び影響をもたらしはじめたのかと思ったほど。

 だけど、それだけじゃない気がする……。

 人に想いを向けられるという事が、決して優しいものだけじゃない事を、想いを交わし合う過程が、当事者にどんな傷を、苦しみや辛さを抱かせるのか……。

 そして、最後に私が、誰に大きな傷を与えてしまうのか……。

 それを考えると、怖くて堪らなくなってしまった。


(アレクさん……、貴方は身勝手なんかじゃない。本当に身勝手なのは、私です)


 どちらかを選ぶという事が、『どちらかを失う』事であると、わかっていたはずなのに……。それが、二人の想いを直に感じる度に、怖くなっていく……。

 気付かないふりをしていた不安……。心のどこかで、逃げ道を探していた自分。

 アレクさんとカインさん、どちらかを選ばないといけない。

 そう、焦る気持ちが生み出した、自分が傷付かずに済む方法……。

 私は、二人の想いに応えたいと……、そう考えていたはずなのに、本当は怖かったのだ。自分の答えが誰かを傷付けてしまう事を、それによって……、私自身が傷付く事を。


(ずるいなぁ……私)


 顔を伏せて、ぎゅっと両手で膝を抱え込むと、私は扉の向こうにいるアレクさんに気取られないよう声を殺して……。

 自分の弱さを責めるような心地で、――涙を頬へと伝わせた。


~小話~

ガデルフォーン城下、大食堂にて。


カイン

「Σ(゜Д゜;)い、今……、何か、嫌な予感が……!!」


レイル

「カイン皇子、その予感は大当たりだ。

 女将が、……サービスでデザートを大盛りで差し入れてくれたぞ」


カイン

「いや、そういう嫌な予感じゃなくてな……。

 あぁ、もうっ!! わーったよ!! 食えばいいんだろ!!食えば!!

 竜の姿になれば、こんなもん、すぐに平らげられるってのに……


レイル

「竜でも胸やけしそうな、特大パフェだな……」


カイン

「……全部善意だから、性質が悪ぃよな」


レイル

「あぁ……(げっそり)」

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