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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

さよなら少女シリーズ

さよなら少女壊滅戦争 お盆番外編


 皆さん初めまして~!

 声なき少数派、マイノリティの希望の星、登録者数マイナス6万人、人気急降下中のスーパーアイドル、如月(きさらぎ)ひみこでーす。


 今日は、ここ千葉県有数の植物園、湿楽園熱帯パークにて、サブカルチャー界の重鎮、伝説の少女漫画家、ママレード犬さんをお招きして、

 対談、と言うより、インタビューを(おこな)っていきたいと思いまーす!


 如月「さて。初めまして。ママレード犬さん。」

 ママレード犬(以下、マ)「初めまして……」


 如月「ママレードさんは、よくこういった所に来られるんですか?」

 マ「……はい。昔から、アイデアに詰まると植物園に足を運んでいました。ここもお気に入りのスポットの一つです。」

 如月「皆さん。この対談場所もママレードさんから指定してくださったんですよ。わぁぁ、あの背の高い葉っぱ。不思議な形をしていますね~。」

 マ「そうですね。あれは100年に一度咲くといわれている花ですよ。竜舌蘭(りゅうぜつらん)という植物です。実際は100年という時間はかかりませんが、この植物は、一生に一度しか花を咲かせません。それが終わると枯れてしまいます。」

 如月「へえぇぇ……。」


 如月「ママレードさんも、100年に1度の天才って呼ばれていましたよね?」

 マ「……まあ、そんな風におだてられた時代もありましたが…、私も今や枯れてしまったのかもしれません。アハハ……」

 如月「そんなことないですよ~。それを言ったら私なんか動画の再生回数が地獄のように落ちています。お給料こそ減ってはいませんが、……この先、私不安で……(涙)」

 マ「ですよね……。昔のファンの方達が見ているのは、昔の私ですし、ディーヴァ以外の漫画も、正直売れていません。ディーヴァは元々、アニメーターさんや監督さんの力も大きかったですからねぇ。私自身の作品が、本当に皆さんに受け入れられているか、というと……正直、微妙なところです。……如月さんは、今回の映画の脚本、どう思いました?」

 如月「え~っと。皆さん。ここで一つハッキリさせておきますと。今回の劇場版ディーヴァでは、キャストは自分の出演部分の脚本しかもらっていません。完全にネタバレ禁止な為、お話の全貌は、多分、監督さんとママレードさんと、他の偉い人達しか知りません。」

 マ「そうですね。ですから如月さんには感想を言いようがないですよね。」

 如月「そんなことありませんよ?私の出演部分だけを見ても、今回の映画、と~~っても面白くなることがわかります!隠し切れないママレードさんの才能が、だだ漏れしてますね。もう(あふ)れ出してこぼれてますよ。私なんかスタッフに、『雑巾とバケツ用意して~』と毎録音ごとに叫んでる感じですよ。いや、ホント、あんなに雑巾絞ったの何年ぶりかしら?」


 マ「あ、ありがとうございます。そう言っていただけると、少し安心です。」

 如月「ところで。……今の話題で、少し思ったんですが……。ママレードさんって昔から、『女の子が水筒の中身を溢すこと』に並々ならぬ情熱を注いでいらっしゃいますよね?(水筒だけに。)」

 マ「まあ、……そうですね。」

 如月「それって何故なんですか?何か理由とか、きっかけってあるんですか?」


 マ「…………。」

 如月「あ、答えたくなかったら大丈夫です。」


 マ「そうですね……。もう、そろそろ話してもいいかな……て思います。私もいい加減、作家活動が長いですし。

 ……まず、始めに、ことわっておきたいのが、私は水筒をこぼてしまった人達を馬鹿にしたり、嫌がらせをしているようなつもりは全くありません。」

 如月「はい。それは何となく伝わります。」

 マ「そもそも、私自身、小学一年生の一学期に、学校で水筒をこぼしました。」

 如月「おやまあ。」

 マ「……あれは帰りの会でしたね。今からは信じられないでしょうが、小さい頃の私はお調子者だったんです。……それで、水筒の水を飲みたくなった時、躊躇なく先生に『飲んでいいですか?』って尋ねたくらいです。」

 如月「へえ。普通、女の子ならなかなか言い出せませんよね。」

 マ「で、私、まだ子供だったから、すんなり飲みにいかせてくれると思ってたんですよね。……それが、……後もう少しで会は終わるから、ちょっと待ちなさい、て言われたんです。」

 如月「あらら。」

 マ「私、馬鹿だから、その時思ったんです。ちょっと口を湿らせるだけなら、すぐに喉の渇きを我慢出来るかな…て。」

 如月「それはマズいですね。」

 マ「まあ、とにかく、如月さんの予想通り、ちょっと湿らせた瞬間に、だだ~ってこぼれちゃって……。まあ、でもその時は特に恥ずかしいとか何とか、そういうことは思わなかったんです。……子供だったし。ああ、やっちゃった……くらいな感じで。でも、その後、保険室で、なんか幼稚園生みたいな柄のハンカチを渡されて……。代わりに自分のハンカチを二重にした透明なビニールに入れて返された時……。多分洗ってあったんだと思うんですけど、湿っていてずっしりと重くて……。保険の先生が綺麗な人だったから……私、急に恥ずかしくなってきて……。」

 如月「……まさにママレードさんの原体験ですね。まあ、一年生だったんだし、可愛い話なんじゃないですか?」

 マ「……私、幼稚園の年長まで、ナイトクラブのオネエShowに通ってたんですよ。それはもう毎晩のように。でも、まあ小学校に入学するまでには、何とかその習慣をやめられましたけどね。」

 如月「そうだったんですね。ところで、ママレードさんは幼稚園の時、おべんとうにオムレツは、はいってなかったんですか?」

 マ「さすがにはいってなかったですね。クセになるからって。入れてもらえませんでしたね。」

 如月「へえ。スパルタ教育ですね。夜、押し寄せてくる女神アテネの海軍を、攻略するのは大変だったんじゃないですか?ペロポネソス戦争でしたっけ?ギリシアの覇権を握る戦い。(おっと…歴史好きのひみこちゃんの教養が、普通の会話の邪魔をする…….。いけない、いけない。)

…実は私、オムレツがいらなくなるの、早かったんですよ。親に聞いた話ですと、オマール海老も食べるのが早かったらしいですし。(そこまでは順調に大人の階段を登ってた私……。どこで道を間違えたのか…)

 オホン。……つまり、マーマレードさんの、作品内での水筒へのこだわりは、自分自身の体験から来ているというわけですね!」


 マ「はい、そうです。ただ、この話には続きがあるんです。」

 如月「…と、言うと?」

 マ「ここからの話はもう載せないでもらえますか?私のことはいいんですけど……今から話すことは、誰かを傷付けてしまうかもしれないから。」

 如月「わかりました。大丈夫ですよね?スタッフさん?」


 マ「小学二年生の時、隣の席の女の子が、授業中に水筒の水をこぼしました。」

 如月「それはまた……」

 マ「その子、いじめられてる子で。……多分、授業中に喉が渇いたとか言ったら、余計いじめられると考えちゃったんだと思います…。」

 如月「ああ、……可哀想ですね。」

 マ「その子、水筒の水を椅子にこぼしながら、『え?違うよ?違うから』て私に言ったんです。」

 如月「かわいそ……」

 マ「まあ、その、何て言うか……。私、今でも、その時に感じたことを言葉にすることが出来ませんが……。とにかく……量が凄かった。女の子の小さな水筒に、こんなにも沢山の水が入っているのかと……。衝撃でしたね。」


 如月「なるほど。それが、ママレードさんの聖壁(イコノスタシス)となったわけですね?」


 マ「私、三年生の時、体育倉庫の裏で、側溝に股がって、そこに水筒をこぼしている女の子を見ました。その子はよく嘘泣きするからって、やっぱりいじめられてた子でしたね。」

 如月「へえ。なんか、水筒こぼしの現場に遭遇する確率、もう運命的ですね。」

 マ「四年生の時のプールの時間に防災訓練があって……、その時水着のまま校庭にクラスごとに列になって座っていたんですけど……」

 如月「まさか、また?」


 マ「はい。すぐ前の女の子が、冷えた水筒の水を、水着の下に流してしまってました。……この子、とにかく凄く美少女で。」

 如月「あちゃーー。美少女!……罪な女の子ですねえ。そりゃママレードさん、()んじゃいますねぇ。」


 マ「あと、近所で、家庭が荒れてるとこの三人兄妹の末っ子の女の子が、そこら辺の道端で水筒の中身を流してるのをたまに見ましたね。…あと、びっくりしたのは、私よりも大きな男の子が、飲食店の外で、

 ……道路の方に冥界の王オシリスを向けて、立ったままでナイル川を氾濫させて、足元に肥沃な沈泥を堆積している様を直視した時ですかね。彼の妹が、慌ててお世話をしていました。」

 如月「なるほど……。ママレードさんの幼少時代は、まさに神話の世界……。ディーヴァの世界観そのままですね。多分。(適当)」


 マ「私のとりとめのない思い出話を聞いていただいて…ありがとうございます。でも、このままじゃ、対談に使えるところが少ないと思いますので…、ディーヴァのファンの方達に、耳寄り情報を一つ。」

 如月「お?はい、何でしょう?」

 マ「今回の劇場版、預言者ローレンツと神官ミソロスが農耕民族になります。」

 如月「はい??狩猟採集から、ぼくちくびちく(牧畜備蓄)のうこう(濃厚)民に?!マジですか??」

 マ「はい。そうです。ファンの方々を長年ヤキモキさせてきましたが、……いよいよ縄文から弥生(やおい)へ移行します。」

 如月「それは、それは。……そのスジのファンの方々には嬉しいニュースですね。(オエッ……キモ……)

 はい!(気を取り直して)、というわけで……ママレードさん、ありがとうございました。ぶっちゃけ、ぶっかけ、ブケショハット。伝説の漫画家の赤裸々(セキラララ)♪トーク、大変面白かったです。」


 マ「ありがとうございました。」

 如月「こちらこそ、ありがとうございました。」


 マ「また、お会いできる時を楽しみにしています。」

 如月「シェイシェイ、サイチェン、ウォーアイニー!私の駄洒落も大概に~、チュウチュウ、ごくごく、中国語!日いずる処の遣隋使、如月ひみこちゃんと~」

 マ「ハッピー邪夢邪夢サイコキラー、地獄の焔で踊ろうよ、聖人向け少女漫画家、ママレード犬がお送り致しました。」


 再見~♡



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