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私は弟と妹を存分に愛でた後、2人を連れ立ってコンビニに移動しようと思っていた。
「そろそろコンビニいこっか」
「そうだねえ、私も少し疲れちゃった」
悠太と一緒に私の可愛がりを受けていた菜月は少し疲れ気味のようす。
可愛い反応するからやり過ぎちゃったのは内緒。
「えー!俺まだ遊びたんねえよー」
菜月とは真逆に遊び足りない悠太。うん。嘘ね。眠たそうだもん。
大きな目を細めてパチパチしてて可愛いかった。
「悠太眠いでしょ」
「そんなことねえよ……ふああ」
「ぷっ、あはははは!」
「笑うなぁ!!!」
意地張りながらあくびってめちゃくちゃ可愛いじゃない!
菜月も悠太の後ろで肩を震わせて笑ってたし。
「今日はお昼寝してないから眠いんでしょ?葉月ちゃんにお菓子買ってもらって帰ろ」
「……うん。わかった」
菜月の説得に、悠太はコクリコクリと寝落ちしかけながら答えた。
「葉月姉ちゃんおんぶして」
めっずらしく甘えたでね!!!可愛いかった!キュン死しかけちゃった!!
高学年になってから最近は「そんなん男らしくねえだろ!」とか言って全然甘えてくれなかったのよね。
口調もボクから俺へ。柔らかい言葉遣いもちょっと粗暴になって……。昔はお姉ちゃんって呼んでくれたのに。
ま!大人ぶりたくて精一杯背伸びしてるのも可愛いんだけどね!
「そんなのは男らしくないんじゃないのー?」
意地悪をしてみたり。
「なんでも叶えてくれるんだろ?ほら」
しゃがめと手で合図を送ってきた。
「葉月ちゃん。約束したんだからおんぶしてあげたら?」
むしろご褒美です。ええ。
「しょうがないなぁ!悠太はいつまで経っても子供なんだからぁ!」
「……子供じゃねえよ」
悠太は身長が低いからしゃがんであげないと届かないから、背を向けてしゃがみ込んであげると悪態を着きながらも抱き着いてきた。
膝裏を抱えて立ち上がる。
うん。羽のよう軽かったわね。
「じゃあ行こっかー」
菜月に振り返って声を掛けて公園を後にしようとした。その時だった。
ドン、と肩に衝撃が走る。誰かにぶつかった。そう思った。