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タイトル未定  作者: 影丸
第一章 陰から影へ(転生編)
1/28

プロローグ 約束

 ――ん、なんだこれ?


 突如、朦朧とした意識の中、僕の目に映った光景。

 それは、全く見覚えのない建物。

 更に、個性的な衣服を着た人間たち。

 まるで、異世界のような場所だった。


 咄嗟に体を動かそうとした……。

 だが、何故か体と頭の神経が繋がっていないみたいに、うまく動かせない。


 まるで、僕自身の体ではなく、別の空間に居る僕? に近しい体を必死に動かそうとしているような感覚だ。


 けど、僕はこの感覚を知っている。


 これは……。


 ――夢の世界。


 つまり、幻だ。


 いやー、夢なんて久方ぶり。

 何十年ぶりだろう。

 まあ、まだ十五歳なんだけどね。

 はははっ。


 僕は夢の世界が好きだ。

 もっと言えば、現実の世界よりも好きだ。


 その理由。

 夢の世界なら、何をやっても現実に影響ないから。

 現実の世界だと、やったことをやり直しできないから。

 以上。


 けれど、夢を見る原因として、よくストレスがあげられる。


 ふむふむ。


 ……。


 ふっ。なるほど。


 ということは、僕は今ストレスを抱えている、ということか……。


 けど、思い当たる節はない。

 それに、どちらかといえば、ストレスを与えている側の方かもしれない。


 いやでも、そもそも与える側の人がいないのか?

 ん? よく分からん。


 ま、まあいいや。

 悲しくなるようなことはやめよう。


 せっかくの夢なんだから、もっと楽しいことを考えたい。


 とりあえず、誰かいないのか?

 知り合いとか、美女とか。


 あ、そもそも知り合いがいないわ。

 なら、探すなら美女だな。

 美女を探そう。


 すると、僕はある人物に目を向けた。

 僕の目の前に居たのは、一人の女性。

 黒髪を三つ編みにして、青色の瞳をした、とても美しい女性。美女だ。

 更に、女性から見て、右側にモノクルを付け、右耳に掛けている。


 やばい、めっちゃ美人。

 容姿も整っていて、しかも究極可愛いとか、女神か!

 と、叫びそうになるほどの美女。


 うん、なるほどね。


 これが、一目惚れってやつか……。

 と、ドヤッてみる。

 頭の中で。


 僕が美女に見惚れていると、こちらを振り向き、


「ねえ、浸夜(しんや)


 と呼ぶ。


 だが……。


 ん、浸夜? 誰? 

 この美女の知り合いの人、かな?


 でも、明らかに僕に向かって話しかけている。

 けど、残念ながら……。

 いや、本当に残念なんだけど、僕は浸夜っていう名前ではない。


 それに、この美女にも、僕は全く身に覚えがない。


 もし、こんな美しい女性を一度でも見掛けていたのなら、絶対に脳裏に焼き付いているはずだ。

 それほどに美しい、そして綺麗だ。結婚したい。


 というか、女性に話しかけられたのは何十年ぶりだろう。

 普段から両親とくらいしか会話をしないから、意識するとめっちゃ緊張する。


 まあ、だからといって今の状況に納得はできないのだけどね。


 いや、待てよ。


 ――そうか、分かったぞ。


 ここは夢の世界。

 なら、恐らくこれは、生まれて此の方、彼女がいない僕。

 更に、友達もいない僕。

 が思い描く、幻の女性だ。


 うん、そうに違いない。


 そうじゃないと、こんな美女が現実世界に存在するはずがない。

 だって、テレビで見る女優より、遥かに可愛いもん。

 と、現実世界にいる女性陣に聞かれたら、追放されそうなことを考えてみる。


 ただ、浸夜という名前は少々気になる。

 まあ、こっちの方が今の僕には適している名前ではあるけど……。


「もしも、私が自分の意思とは関係なく、悪い怪魂(かいこん)に利用されて苦しんでいたら、その時はその(けん)で、私を救ってね……」


 と考えていると、美女が真剣な表情で語りかけてくる。


 けど、なんのことだかよく分からない。


 悪い怪魂?

 なんか不気味そうな名前だな。


 それに、刀……?

 え、刀!?

 そんなの持ってないよ!?


 反論しようと声を出そうとしたが、声帯が死んでいるかのように、一言も発することができない。

 これも夢の影響、か?


「約束!」


 女性は右手の小指をこちらに差し出してきた。

 それを見て、僕も咄嗟に右手の小指を差し出した。


 そして、互いの小指を合わせ、その約束を交わした。

 果たせる根拠もない、小指の約束を。


 その約束を最後に、徐々に視界がぼやけ、絶望の機械音が響き渡る……。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです! [一言] 追ってまいりますので、執筆頑張って下さい!!! (ブックマーク登録しておきました)
2023/06/20 19:21 退会済み
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