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第36話 VSサリィ

「ハァ、……ハァ、……ハァ、…………ちょっと、……ハァ、……何なのよ、……ハァ、……あの2人、……ハァ、……動きが尋常じゃないわ、……追いつけない……」


 勢い任せでクロロを追って来たエリザベットは、フィールドを縦横無尽に駆け回り"鬼ごっこ"をしている2人の後をヘトヘトになりながら追いかけていたが、結局、体がついて行かずその場でへばっていた。


「ハァ、……ハァ、……なんの為に彼らに同行してまでここまで来たのよ私っ! こんなことで止まるわけには行かないんだから! 私にしか出来ない事があるはず! ハァ、……まだ、あきらめるもんですかっ!!」


 エリザベットは今一度覚悟を決め、鉛のように重くなった足を踏み出し、再び追走を開始するのだった。









〜 古城マリキューロ 宴会場広場 〜



「アシル……大、丈夫……か?」


「今は……な、なんとか……」


 アシルは懐からポーションを取り出した。


「ジード、僕がクロロから渡されたポーションは……これが最後だ」


「それは……お前が使え」


「す、すまない」


 アシルがポーションを使おうとした時だった!


蛇焔じゃえんっ!!」


 炎を纏った鎖分銅がその手にヒットしポーションが弾かれた!!


「ぐあっ!!」


 アシルは赤く燃える炎の熱と打撃による苦痛で表情を歪ませる!


「ふふふ……させませんよ」


「アシル!!」


 ジードはアシルのもとへと駆け寄り具合を確認する。

 思ったより炎によるダメージが大きい事から何らかの細工が施されていると推測する。

 そうか! と、ジードはハッと気付く。


「……油か!」


 どういった原理か分からないが、鎖鎌にコーティングしていたのは油。それによって纏わせた炎の効果を高めているのだ!


「おっと! 余所見してていいのかぁ?」


 ビスクはその巨漢に似つかわしくない驚異的なスピードで移動しながら大斧を振り翳し、盾を構えるジードに襲い掛かった!!


「おぅらぁっ!!」


「ぐぅっ!!」


 ビスクは掛け声とともに強烈な一撃をジードにお見舞いすると、直ぐさまその場から距離を取り、再び驚異的なスピードで襲い掛かる!!

 ビスクの猛攻は防御に定評のあるジードでもってしても、盾で防げるギリギリのラインであった!

 ただ単に体重と武器重量を乗せた攻撃だったらまだしも、今のビスクの攻撃には加速した勢いも加わり凄まじい威力となっている。

 更に攻撃速度が上がったとなると、幾らガードナーのジードだったとしても対処しきれず、完全にガードが出来ないのであった。

 この猛攻を防ぐには、この盾よりも大きく強固な盾でないと完全には防げそうにない。

 一体なぜ、あの巨体のビスクはアシル以上に機敏に動けるのか、それとキルルクはどうやって鎖鎌に炎を纏わせているのか。きっと、ホグリッド兄弟は自分の考えが及ばないところで何かを仕掛けたに違いないが、理解が及ばずにいた。


「くそっ! このまま防戦一方じゃコイツらにやられる……!」


 先程までは僅かにアシルとジードに形勢が傾いていたものの、今やその勢いは見る影も無い。


「おいおい! もう終わりじゃねぇよなぁ? こんなん張り合いないぜェ!?」


「全くだ……もう少し骨がある奴らだと思っていたのだが?」


「なぁ兄貴ィ? ここからコイツらとの戦いを再開するには潜在能力を引き出させるような、何か余興が必要だと思うんだが?」


 ビスクの提案を聞いたキルルクは、アシルを見据え何やら思い付く。


「ふふふ……ならば、こうやって作れば良い」


 そう言うと、キルルクは近くに捕縛されて眠っている盗賊たちのもとに歩み寄り、その中の一名を引きり出した。


「ふふふ、コイツらこんな状況だというのに本当によく眠っている……」


「おいっ!? 貴様! 何をする気だっ!?」


 アシルはキルルクの殺意が捕縛されて眠っている盗賊たちに向けられたことに気付き真意を問うも、キルルクは聞く耳を持たず、何ら躊躇無く手に持った鎌を弧を描くようにして振り切った!

 鋭利な金属が生身の人間を斬り落とす耳障りな音が一瞬の時を攫う。

 キルルクが斬ったのは盗賊の首だった。

 アシルとジードは目の前で行われた残虐行為に絶句した。


「あ〜〜やっちまった」


 ビスクは呆れたように言った。

 いとも簡単に分断された胴体の断面からは、血飛沫が爆ぜる火の粉のように上がり、斬り落とされた頭部は弾みで地面を転がり、流れ出た血がその痕跡を描いた。


「あぁ……意識の無い者を殺めるというのはつまらんものだな……」


 キルルクはがっかりしたように話す。


「貴っっっ様ぁぁぁぁぁっ……!! 人の命を無下にしやがってぇぇぇっ!!」


 人一倍正義感の強いアシルはキルルクの行為に我を忘れ、キルルク目掛け一直線に走り出した!!


「まだそんなに動けるなんてなぁ!? そうだ! そう来なくっちゃあっ!!」


 またしても俊敏な動きで移動して来たビスクがアシルの行く手を阻む!


「どけぇぇぇぇぇっ!!!」


 振り抜かれた大斧を跳躍して躱すと同時に見事な剣捌きによってビスクの肩や頭に剣撃を多段ヒットさせる!


「ぐへぇっ!?」


 ビスクはバランスを崩し大きく尻餅をつく!


「うおぉぉぉぉぉ……!!」


 キルルクのもとまで遮るものが無くなり、アシルは更に走るスピードを上げ、剣技を放つ構えを取る!


「貴様、人の命を無下にだと言ったな?…………笑止っ!! 私たちには常に生殺与奪の権を等しく与えられているのだぁっ!!」


 キルルクは鎖鎌の中間部分を両手で持ち、頭上辺りにまで掲げてグルグルと手を持ち替えながら勢いを付けて回していく。それはまるで目では追えぬ打撃と斬撃が入り乱れた小さな暴風のようであった!


付与エンチャントっ!!」


 キルルクが何かを唱えると、鎖鎌の中間部分から両端に向かって炎が纏わり広がっていく!! そして、高速乱舞する鎖鎌はキルルクを中心とした半径10メートルの外周に、炎の渦を作り上げた!!


「くらえっ!! 轟灼炎陣ごうしゃくえんじんっ!!」


 炎の渦の内側に入り込んだアシルは、炎を纏った斬撃と打撃を浴び、渦の外へと弾かれてしまった!!


「うわぁぁぁっ!!」


「大丈夫かっ!? アシルっ!!」


 吹っ飛ばされたアシルの身体は高熱を浴びて煙が上がっている。


「く……くそっ! 鎖鎌の攻撃は捌くことが出来ても、纏っている炎は防ぐ事が出来ないっ!!……これじゃあ、奴に近づけない!!」


「ふふふ……ふはははははは……………!!」


 煌々と燃ゆる炎の中、キルルクの高笑いが広場にこだまする!!

 傍で捕縛されていた盗賊たちは、粉砕器に掛けられたかのように木っ端微塵となり、その肉塊に炎を纏わせながら巻き上げられていた!


「クソォ!! クソォ!!」


 アシルは戦いに巻き込まれ犠牲になった命を前にして、守れなかった己の無力さに悔しさを露わにする!!


「ほほぉ〜〜〜う!! キャンプファイヤーみてぇだぜェ〜〜!!……って、熱っつ! 熱っっつ!! 兄貴ィ! 火加減っ!! 火加減んんっ!!」









〜 古城マリキューロ 城郭都市跡の外れ 高台への坂道 〜





回転式多銃身機関銃ガトリング猫掌底ネコパンチ!!」


 サリィが繰り出す高速連続掌底をクロロはヒョイヒョイと軽やかに躱していく!

 それどころか、接近するクロロに対して何度も何度も攻撃を仕掛けているが全て躱されているのが現状である。

 さすがにここまで数を打っているのにも拘らず、何の手応えも得られない事にサリィは酷く困惑していた。

 更に不可解な事に、クロロはサリィに対し攻撃をする事は無く、ただひたすら鍵だけを狙ってくるだけだった。


「アンタ、アタシの攻撃を躱してばかりで全然手を出して来ないじゃないの?」


 逃走するサリィはクロロに尋ねた。


「それは私の主義だからです。例えレディーが敵だったとしても私から危害を加えるつもりはありません」


「ハァ? 舐めてんの?……いや、紳士的と言うべきなのかしらね? いずれにせよそんなんじゃこの鍵は手に入らないわよ!」


 まさか、そんな理由だったとは。サリィはそのような扱いを受けていた事に内心腹立たしさを覚えるとともに、落ち着きを払った態度でセルフ・ハンディキャッピングを遂行しているクロロの事が尚更気に食わないと思った。

 だったら私は何が何でも撒いてやる。サリィは更に対抗心を燃やす!


 それから、2人の追いかけっこは激化の一途を辿り、気が付くと古城を見下ろす高台に到着していた。

 ここはクロロが古城の周囲を偵察中、仲間が待機していた所であった。


「こんなところまで来てしまうとはね。アンタのしつこさには呆れるわ」


 サリィは言葉の通りの表情で小さく笑った。


「それは私も同じです。もう観念したらどうですか?」


 背後をちらりと見てサリィは考える。

 確かに。ここは切り立った崖の上。落ちたらタダでは済まない。

 逃げ場が無くなった以上、目の前のコイツをなんとかしないといけなくなった。

 そこで、サリィは一芝居打ってみる事にした。


「はぁ〜。仕方ないわね……降参! 降参するわ!」


 足を止めたサリィはそう言って両手を上げ、素直に投降するのだった。

 思いの外、相手が簡単に諦めた事にクロロは少し拍子抜けした。


「では鍵を渡してもらえますか?」


「良いけど……ただ、アタシこんな手してるから紐が上手く掴みづらいの。だ・か・ら……」


 サリィはその場で両膝をつくと、少し上体を反らして首紐を取りやすいようにデコルテ部分を強調させて見せた。すると、股座またぐら辺りで手を突いていた事で、自然と両腕が胸を寄せた状態となり、少し肌蹴はだけた胸元からはたわわな胸が焼きたてのカップケーキのようにズムリと溢れ出た。


「わかるぅ? ここよ、こぉ〜こ!」


 サリィは上目遣いでクロロをジーッと見つめながらグイッグイッと胸を強調させる。

 ところが、クロロは表情ひとつ変えず毅然とした態度である。

 反応を見るに、そこは"紳士的ジェントルマン"というよりも関心が無いという印象を受ける。

 "私の身体に魅力を感じない訳が無い"

 そう信じて疑わないサリィは、相手はこちらの思惑を勘繰っているのかもしれないと甜言蜜語てんげんみつごを駆使する。


「ねぇ〜え〜、いつまでこんな格好させる気ぃ〜? ヒ・モ、早く引っ張っぱんなさぁ〜い」


「では、失礼しますよ」


 そうして、クロロは乳圧でできた深い谷間の境界から伸びる紐を掴もうと手を伸ばした。

 サリィはタイミングを計る。


「今だっ!! 猫萌杓子ねこもしゃくし!!」


 サリィはいきなり両手を上げてクロロに飛び掛かった!!

 しかし、クロロは持ち前の反射神経で直ぐさま後ろに下がり回避行動を取る!

 その刹那、クロロの視界は振り下ろそうとするモコモコのグローブの先端に、何かが仕込まれているのを捉え、更に後方に回避する!

 サリィの不意打ちはクロロの胸元をかすめると、その部分には爪で引き裂いたような跡が残った!


「チィッ! 躱された!」


 サリィは歯を食い縛る。

 というのも、彼女の色気を使った不意打ちは、これまで仕留め損なった事が無い必中の殺人術であったからだ。


「まさか、暗器を仕込んでいるとは卑怯じゃありませんか」


 地面を這うような体勢で低く構えるそのモコモコのグローブからは、それぞれ四本の鋭い鉤爪が出ていた。


「キャハハハ……何言ってるのよ? アタシは盗賊よ。卑怯が許されてるの」


「悪戯な猫は嫌いです」


 クロロはサリィの殺意に当てられ構えを取る。


「さあっ!! 今度は躱せるかしらぁ!? 狂嵐爪牙きょうらんそうがぁぁぁっ!!」


 サリィは四肢で地面を蹴り、強烈なダッシュでクロロに襲い掛かった!

 無作為に繰り出される乱れ引っ掻きは周囲の木々を巻き込み、手当たり次第引き裂きながらクロロに攻め立てていく!

 攻撃範囲が広くなったが故に、クロロも間合いが詰めにくくなり鍵を奪うタイミングがより一層シビアになる!


「キャハハハ……!! ホラホラホラホラァァァ!! さっきみたいに鍵を奪いに来てみなさいよぉ!!」


 サリィは猟奇的な笑みを浮かべクロロを挑発する!


「なら、そうさせて頂きましょうかね?」


「あぁん!?」


 この男の言動は本当に癪に障る。実際、鉤爪攻撃に切り替えてから鍵を掴んでくる回数はめっきり減っているというのに。どうせ苦し紛れの一言だろう。

 しかし、驚いた事にサリィが瞬きをしたその一瞬、次に目を開けた時には、クロロが超至近距離にまで間合いを詰めていたのである!!


「ちょっ!? 嘘っ!?」


 サリィはまさかの事態に攻撃を止め、慌てて後方へと大きく下がりクロロとの距離を取る!

 ーーーその時だった!!

 着地した際、足首にピンっと張ったワイヤーが引っ掛かり、仕掛けられていた罠が発動する!


「きゃぁ〜〜〜〜〜っ!!」


 悲鳴とともにワイヤーで編まれた網が地面から飛び出し、サリィは掬い上げられながら包み込まれ、そのまま木に吊るされる形で捕獲されてしまったのである!


「チェックメイトです!」


「くっ……くそぉっ!! 自分達が仕掛けた罠にまんまとはまるなんてっ!!」


 悔しがるサリィを他所にクロロは少々くたびれた表情を浮かべ、ホッと安堵の溜息をつく。


「いやぁ〜〜。あなたをここまで誘導するの、結構大変でしたよ」


「誘導……? まさか! 初めからこうする事を狙ってたっていうのっ!?」


「はい、そうです」


 サリィは相手を罠にめるつもりが、逆にまんまと罠に嵌められてしまったという事実を受け入れられなかった。


「有り得ない…………有り得ない! 有り得ない! 有り得ない! 有り得ない!…………………う、嘘よぉっ!! アンタはただアタシにくっ付いて攻撃を躱しながら鍵を奪おうとしてただけでしょっ!?」


 サリィは酷く動揺を隠せないでいる。


「あ〜、それはアナタをここまで誘導する為の演技ですよ」


「え、演技……?」


「まぁ、実のところ私が本気を出せばアナタなんて簡単に殺してしまいます……しかし、ここだけの話、私はある事情があって目立つようなことは禁じています。ですのでこのような策を取るに至りました」


 クロロの瞳が一瞬、悍ましく冷酷なものに変わった。


「……なっ!?」


 途端、サリィは今まで味わった事の無い、計り知れない死の恐怖を感じ、彼の発言に嘘偽りが無い事を思い知った。


「知っての通り私は女性に手をあげない主義。ですからアナタを仕掛けられている罠に嵌めてしまおうと考えました。ところが、この高台から古城までのルートにある罠は私が解除してしまいましたからね」


「やっぱり! どうりで罠が発動しないと思ったのよ! アンタの仕業だったのね!?」


「しかも、私の仲間が後を追って来ていますから、アナタをこのルート以外の罠に嵌めようとすれば、追いかけて来る仲間がルートから外れ、罠に掛かってしまう危険性がありました。なので予め罠を解除していたルートを通る必要がありました」


「アタシを誘導しながら仲間のことまでも……」


「後は、唯一解除してない罠がこの高台のところにありましたので、アナタをそこまで鍵を奪うふりをしながら誘導していたんです。回りくどいやり方ですが、これが私の主義にも反せず、誰も傷つかない1番の方法だったのです」


「そこまで計算して事を運んでいただなんて……」


 サリィはクロロにすっかりやられて意気消沈するのだった。そして、捕らえられたサリィをクロロは下に下ろし、再び暴れないよう木に縛り付けて動けないようにした。


「もう暴れたりしないわよぉ。相変わらず油断も隙もないのね。アンタって人は……」


「すみません……」


「ほら。いいわよ……鍵、取んなさい」


「はい、では今度こそ失礼して……」


 役目を果たせなかったサリィは自責の念に駆られていた。


「あぁ、シモン様……申し訳ありません。私はこの者に敗れてしまいました。あとの事はどうぞよしなに……」


 一応クロロはそっぽを向いて首紐に手を掛けようとした。

 丁度その時だった。ふと急に鼻がむず痒くなり、くしゃみを催す。


「い〜〜〜〜〜っきしっ!!」


 むず痒さから解放された爽快感の中、首紐を掴もうとした手に、柔らくも張りのある大変心地良い感触がいっぱいに広がった。


 んっ?……何だコレ? と、クロロは訳も分からずその感触を何度も確かめる。





*******





「ハァ、……ハァ、……ハァ、……やっと、追いついたわ! 何か私にできることは!?」


 2人を追い掛けていたエリザベットは、やっとのことで高台に到着した。そして、その2人と思しき人影のもとへと木々を掻き分け走り寄る!


「クロロ!……大丈じょう……ぶ……」


 エリザベットは目に飛び込んだ光景に言葉を失ってしまう……!!

 サリィもまさかの事態に状況を飲み込めていない様子。

 それもそのはず。なんと! クロロの手はサリィの豊満な胸に当てがわれ、イヤらしい動きでその感触を堪能していたのだった!!


「ア、アンタっ!? 何その女の乳揉んでんのよぉぉぉっ!!?」


 エリザベットは堪らずその行為を止めに掛かる!


「おわっ!? ち、ち、ち、ち、違うんですっ!! そんなつもりじゃ! こ、これは、ふ、不可抗力です! 不可抗力なんです!!」


「許さない……許さないんだからぁ!! お頭にもまだ触らせたことないのにぃ〜〜っ!!」


 サリィは年甲斐も無く悔し涙を晒す。


「ほんと信じらんないんですけどっ!? 覚悟を決めて必死になって追い掛けて来たのに、こ〜んなやましい行為に及んじゃって! なんか私がバカみたいじゃないの!!」


「いや、わ、私は鍵のついた紐を取ろうとしてですね……」


「うるっさいっ! アンタに弁解の余地はないっ!!」


「は……はい」


「もういいっ! こういうのは女の私がするわ! 鍵は私が取りますから!」


 まさか、"私にしか出来ない事"があるかと思って追って来たのに、それがこんな事とは、とエリザベットは無い気持ちでいっぱいだった。


「ほらっ、ジッとしてなさい」


「あぁ〜〜〜ん……ダメぇん」


「アンタは変な声出すなっ!!」

読んでいただき誠にありがとうございます。

皆さんと貴重なお時間と共有できましたこと、大変嬉しく思います。


よろしければ温かい評価とブックマークのほどお願い致します。作品の創作意欲に繋がります。


では、次話でお会いしましょう。


※本作のサイドストーリー『迷子の女の子のサポーターに魔王の婚約者はいかが?』も是非よろしくお願い致します。

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