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第1話 プロローグ

- ダンジョン最下層 最深部 -


 薄暗くだだっ広い部屋に僅かに灯された青白い炎が粛々と辺りを照らし出している。それらは部屋の壁に等間隔に設置され不気味さを醸し出している……


部屋には4人の人間が散り散りに横たわっている。


 彼らの風貌からして冒険者だろうか。しかし、皆様子が芳しくない……


 意識が朦朧としている者、気を失っている者、今にも命が途絶えてしまいそうな者。生命の危機に関して言えば誰が判断しても一考の余地も無く、事を急ぐ状況といえる。


 部屋の奥には人の背丈ほどの四角い台座がある。その台座の上にはこの状況を作り出したであろう者が台座に両手足を乗せ鎮座している。

 "それ"は見かけは人の姿をしているが、頭は獅子の様な容貌で、口元は鳥の様なクチバシみたく尖っており手足の爪も鋭い、背中にはコウモリの様な大きな翼があり、間もなく命果てようとしている者たちを嘲笑うかの様に鋭い眼光で見下ろしている。


 さぁ、トドメを刺そうかと言わんばかりにゆっくり大きな翼を羽ばたかせ身体を台座から浮かせた。



 突然、辺りを照らしていた青白い炎がけたたましく燃え上がり、部屋全体が明るく照らされる。

 すると部屋の中央に1人の男の姿があった。男は漆黒のオーラを纏い、羽ばたくそれに目をやった。

 "それ"は何かを察知したのか先程の優越していた態度とは裏腹に酷く動揺しているようだった。つまりこの男は、この場を支配していた異形の者より優位に立つ存在と言えよう。



 男は右腕を前に突き出し手を開いた、開いた掌は羽ばたくそれを捉えている。



「俺は今のこの時間が最高に楽しいんだ…邪魔をするな‼︎」


 男はそう言うと掌の先から禍々しい紫色した光の球を作り出した。球の中心にいくほど色が黒く見えており光が圧縮されているようだ。


 有無も言わさず男の掌から光の球が放たれた。放たれた光の球は黒い閃光となり、羽ばたくそれを覆いつくした。断末魔をあげるのも許される事なく一瞬にして跡形も無く消し去ってしまった…


男は不敵な笑みを浮かべその場で立ち尽くす。


「フフ…」


男の声が漏れる。


 次第に男は肩を揺らしながら天を仰いだ…。

部屋中に高らかな笑い声が木霊する。

青白い炎もそれに同調しているかのように揺らめいている。


一頻り笑い終えると、


「さて、どうしようか…」


と、横たわる冒険者の元へと近づいて行くのだった……。

読んでいただき誠にありがとうございます。

貴方の貴重なお時間と共有できましたこと、大変嬉しく思います。


よろしければ温かい評価とブックマークのほどお願い致します。

私の大胸筋が喜び、作品の創作意欲に繋がります。


では、次話でお会いしましょう。

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