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氷の王子様はなぜか俺にだけ当たりが強い  作者: 夜闇
第1章  すれ違う思い
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第7話  マンゴーキャンディ

 「おはよー。」

「あ、千隼ちはや!おはよー!」

朝。

俺に気づいたクラスメイトが声をかけてきてくれる。


 自分の席に着くと、前の席の友達がこちらを向いた。

千隼ちはや、お前すげーな。あの店のケーキ全種類とか、おれでも無理だわ。」


その友達は運動部で、すごく食べる方だ。

弁当だけじゃ足りないからと言って、毎日購買にパンを買いに行く。

(俺も、甘いものを探しに購買について行く。)


 そんな奴に言われるとか、、、俺はそんなに食べてるのか?

というか、なんで知ってるんだよ。


「俺、甘いものだけはいくらでも食べられるから。」

「あー、お前、時々すげぇ量の菓子パンを積み上げて食べてるよな。」

「………悪いかよ。」

俺が頬を膨らませると、友達はニヤッと笑った。


「ぜーんぜん。」

「だろ。」

俺はそっぽを向いた。


 昔は、甘いものを食べるなんて女子っぽいなんてよく言われていたけれど、今はクラスの周知の事実だから、もう何も言われないよね。


それどころか、調理実習で甘いものを作ったりした時など、


 『あー、千隼ちはやくん、これ食べる?作りすぎちゃったみたいで………冷凍イチゴが入ってるんだよ。』

千隼ちはや!このカップケーキ食うか?』


って、よく言われる。


 俺は残飯処理係じゃねーかんな!


 友達はそっぽを向いた俺の顔の前に割り込むと、


 「あ、そーだ。これ、食うか?」

そう言われて出てきたのは、黄色い包み紙に包まれたなにか。


「何これ。」

「期間限定のアメ。食べる?」

「………もらっとく。」

可愛らしい包み紙のアメをもらうと、口に入れた。


「!!ふふぇ、ふぁふぇえ。」

「ごめん、何言ってんの?」

アメを舌の下において、


「すげぇ、あめぇ。」

と言いなおす。


「だろ?ってか、ダジャレ?」

「ちげぇよ。でも、朝から食べて大丈夫かな。」

「えぇやろ。別に。」

「だな。」

舐めながら、催促するように左手を出す。


新しいアメが二つ、手の上に乗せられた。


 俺はそれをポケットにしまい、授業に臨むことにした。




 学校が終わると、久々に塾の自習室に行くことにした。

アメは、ポケットに一つ残っている。


 途中のコンビニに寄り、同じアメを探す。


「あぁ、これがか。」

あったのは、『マンゴー味!南国の味をその舌に!』という美味しそうな売り文句の書かれたアメ。


 俺は迷わずお買い上げ。


 それから、塾に向かった。


 ………んだけど。

自習室は一人一人個室みたいに仕切りがある方と、仕切りのない方と二つある。


俺はいつも個室の方、涼貴りょうきはいつも仕切りのない方にいたのに。


 じゃ、なんで今日に限って、個室の方にいるのさ!


 しかも、個室の方は人気だから、少ししか残っていない。

んで、個室の列によって教えてもらえる先生が変わってくるんだけど、俺が一番好きな先生の列はもう一つしか個室が空いていない。


しかも!

俺の座った個室の右斜め後ろに、涼貴りょうきがいるんだよ!


 やばいよね、気まずすぎるよな。

チラ、チラ、と見てしまい、時々目があったりするのが、本当に地獄である。


 全く集中できないから、数学の問題が全く解けない。

諦めて一回社会に移る。


 社会は得意だから、これで一回頭の回転を正常に戻そう。


 俺が社会の問題を解いていると、涼貴りょうきがどこかに行った。

その様子を目で追うと、あいつがいつも食べているタブレットを食べていた。


あぁ、頭、疲れてるんだ。


 俺は買ったアメに目を落とした。

ただ置いておくだけなら、俺がやったってバレない、よな?


俺は先生のほうを見て、自分の、アメを持った手を見て、立ち上がった。


涼貴りょうきの机に寄ると、アメを二つ、筆箱の中に入れた。


 そのまま一旦外に出て、スマホを触ってブラブラしたあと、また席に戻った。


 俺が戻ってしばらくすると、涼貴りょうきももどってきた。


 しばらく書いていて、そのあと何かを取りに筆箱を見た。


「?」

綺麗な形の眉がひそまった。


辺りを見回しているので、目が合わないように光の早さで視線をノートに戻す。


 涼貴りょうきは先生を呼んだ。


「これ、置いたの先生ですか?」

「え?違うけど。誰だろうね。」

先生は多分俺を見ていたはずだけど、何も言わないでおいてくれた。


 俺はさっき諦めた数学の問題を始めることにした。







 珍しく、自習室閉鎖ギリギリまで勉強していた。


 涼貴りょうきは俺より少し早く帰って行ってしまったけれど。


 塾を出ると、すっかりお気に入りのマンゴーキャンディを口に放り込んだ。

あー、固形物を噛みたい。

アメも固形物だけど、噛み砕くもんじゃないじゃん。


あー、おにぎり食べたい。

っていうか、ちゃんとしたご飯が食べたい。


 口が物寂しい。

こんなに勉強したのは久しぶりだわ。


 なんかなかったかなー。

カバンを漁る。


 何もねぇわ。

食えねー。


 えー、コンビニ寄るか?

でも、そんなに小銭残ってないから、今日親にねだろうと思ってたのに。


 え?

なんでさっきアメ買った時に軽食も買わなかったんだって?


だって、こんなに長く勉強すると思わなかったもん!!


 こんなに長く残ったの、久しぶりなんだよね。


 「グーキュルルルー」

と、お手本のようなお腹の音がなる。


家はそんなに遠くないけど、だけど、やっぱり我慢はキツイ、かも。


 俺は断続的に鳴る腹を抱えて、家路を急いだ。

 読んでくださってありがとうございます!!

マンゴー味のアメって美味しいんですかね?


食べたことないんでわかんないです。


 最近、気づいたことがありまして。

青春部活もの(何そのジャンル)のアニメを見ると、書く意欲が上がる。


 だから、何かあったらアニメを見ることにしました。

(どーでもよ。)


 さて、涼貴くんのことをよく見ている千隼くん。

次は涼貴くん視点の話です。


涼貴くんはあのアメに対してどう思っていたのか。


 それを楽しみにして、次の話の更新を待っていただけると嬉しいです!

それでは、次の話でお会いしましょう!!



 追伸

ブックマーク二件目ありがとうございますっ!!

気づいたら増えていて、本当に嬉しいです。

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