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第4話

 華雅里は、三人兄弟の末っ子だった。一番上が兄、二番目が弟で、華雅里は男兄弟の仲で勝気に育った。

 一番上の兄は、会社員として働いている。長男特有のおっとりとした性格で華雅里にとっては優しい存在だった。次男は高校三年生。華雅里と年が違いせいもあって今でも華雅里の喧嘩相手だ。

 華雅里が自宅に到着したのは十九時近くだった。

 まだアップルからの返事は無い。

 華雅里は、二階にある自分の部屋に行き、自分の机にカバンと携帯電話を置いてから、一階のリビングで兄たちと夕食を摂った。

 テレビのお笑い番組を観ながら夕食を摂っている華雅里は、兄たちのピン芸人へのツッコミが面白くて、アップルの事は忘れていた。兄たちとくだらない話に花を咲かせ、食後は二番目の兄とテレビゲームで遊び、それから入浴し汗を流してから部屋に戻った。

 いつもと変らない平凡な日課。そのはずだった。

 華雅里が机に向かい宿題をしている時に、携帯電話はメールを受信した。携帯からメロディが鳴り響く。

 華雅里の脳内は、宿題からアップルの事に切り替わった。

「来た!」

 机の隅に置いてあった携帯電話に手を伸ばす。蓋を開けて中の画面を見ると、華雅里の予想どおりアップルからの返事だった。


 私が住んでいる田舎は、必要最低限のもの以外、便利なものは何もありません。

 自然に囲まれた生活をしています。

 私の周りに在るものと言ったら、読書のための本くらいです。

 街で住むように言われた事もありましたが、喧騒が苦手な私は敢えて田舎暮らしを選びました。

 景色が綺麗なよい所ですよ。


「流暢な英語を使う人だなー。年上のイギリス人かな」

 華雅里は、近くにあった辞書で、読めない単語を調べた。調べながらアップルのメールを読んでいるうちに気付いた。

「しまった。アップルさんが住んでいる国名を聞いてないよ」

 華雅里は、辞書を手放すと、急いでメールした。


 環境がよさそうな所ですね。

 アップルさんが住んでいる国はどこですか?


 今度のアップルからの返事は、すぐに返ってきた。


 私が住んでいる国はドウイです。

 そもそも田舎の国なので、ドウイを知っている人も少ないです。

 私が何故ドウイを知っていたかというと、祖母の生まれた国だからです。

 私が子供の頃から、祖母が自然が多くて景色の綺麗な所だと言っていたので、幼かった私は憧れて、今もドウイが大好きで暮らしているのです。

 今度はミサキさんが暮らしている環境を教えて頂けますか?

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