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happy ending  作者: 雨木うた
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良い子ってなに?

祖父母と両親の「望み」を聴かされて育つ私は周りの子供とは少し違う、要するに可愛げの無い子供だったらしい。学校の先生や同級生から嫌味っぽく「しっかり者だ」と言われたりした。

確かに1人娘ではあるが、祖父母(特に祖母)から厳しく育てられていたからかもしれない。

今時「1人娘」だから可愛げがあるはず等と勝手に思われても迷惑な話だ。

相変わらず両親から愛情らしきものを感じた事は1度も無く、その事を悲しい寂しいと思う事も無かった。祖父母が居たから。

有り余るとまでは言わないが、祖父母が私に惜しみ無く愛情を注いでくれていたと実感していた分、両親と比べるべくもなかったと今でも思う。

ただ、大好きな祖父母が「良い子だからお婿さん貰って家を継いでね」の一言だけは私に少しずつではあるがのし掛かっていった。

小学生になって数年後、私に転機が突然訪れた。引っ越しだ。

それも両親と私の3人だけ。

私は嫌がった。当然だ。引っ越し先に祖父母はおらず愛情の感じられない両親しか居ないのだから。

両親は最初私を説得しようとしたが無理だったので強制的に祖父母の居ない間に引っ越し先に連行された。

大袈裟でもなんでもなくあれは連行と呼んで差し支えない所業だった。

次の日から私は「鍵っ子」になり夕食係にされた。料理は祖母が教えてくれていたので食事を作る事には特に問題は無かったが、問題は人間の方にあった。父だ。父は自分が帰宅した時に夕食が出来ていないと台所で晩酌しながらずっと私を罵っていた。夕食が出来あがってからも何かしら文句を言う。1度「小学生がそんなに器用に料理出来るわけがない」と言い返すと平手打ちされ「あのジジイと似たような事ぬかすな!」と怒鳴られた。母は見えない聞こえないふりをしていた。

あの引っ越し以後、私の心身は狂いはじめた。



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